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頭を良くしてあげよう

タイトル:頭を良くしてあげよう

俺は成績が最悪だった。
いつも下から数えた方が早い。
親には塾を3つも行かされ、遊ぶ時間なんてない。
なのに成績が全く上がらない。

先生「ふーむ、そうだなぁ。お前は基礎からやった方が良いかもしれんな。先生も付き合うから」

友達「別に勉強できなくたって人間生きていけるよ♪」

女友達「選り好みさえしなければ、大丈夫じゃない?5人受験して10人ウカる所もあるって言うしさ♪」

先生や友達は本当に励ましてくれた。
ほんとに心から感謝している。
でも、俺は自分で成績を上げたい!

俺の周りの友達は頭が良いヤツばかりで、
これまでずっと日陰者のような、
そんな寂しい思いをしてきたんだこの俺は。

他人のことになると俺もそうやって
励ますかもしれないけど、
やっぱり自分のことなんで笑えない。

そうして居た時、
「え?…なんだ、今の…」
部屋の勉強机に向かっていたら、
背後で何か光った気がした。

じっと真顔で後ろを振り返る俺。
していると、
「うおわ!?」
人の輪郭のようなものが現れ、
かなり背の高い奴が俺を見下ろしてきた。

「な、な、な、なんですか!あなた!?」
謎の人「今日も勉強机に向かっているんだなぁ。よし、君の頭を良くしてあげようか?」
「え?え?え?」

全く何もかもが謎の人物。いや人物かこれ?
わけのわからんうちに時が流れ、
俺はそいつに勉強を教えてもらう…ではなく、
不思議な力を授かったのだ。

「こ、これは……」
謎の人「今お前に、私の力を授けた。今度のテストは、確か9月20日にあるんだったな?」
「あ、は、はい…」
謎の人「そのテストで、お前は今授かった力を十分に発揮し、これまでとは全く違うお前になっている」
「え、え、え…?」

そいつは俺の頭の上に手をかざし、
フン!と言った感じで力をくれた。
確かに何となく、これまでとは違ったような、
そんな自分を感じた俺だった。

さっきパラッとテストの練習問題を覗いてみたが、
やっぱりわからない…?
と言ったような疑問は確かにあったが、
そんなものを全部払拭した俺は、
今授かったこの力を信じることにした。

そいつが消えてからふと周りを見ると、
何かが無くなっているのに気づく。
「なんだろう?この不足感…」
で、なんとなく気になった財布の中身を見ると、
「え?えぇ!?…ウソだろ…」
なけなしの小遣いの内から1000円が消えていた。

「……………あいつ、取ってったのかな…」

そして前々から散々学校で言われ続けてきた
あのテストがやってきた。
このテストは大事なテストで、模擬試験とも呼ばれ、
今度の受験にそのまま影響するものだ。

失敗は許されないぞ…
そんな気迫めいた言葉も自分に投げかけながら、
それでもそのプレッシャーに負けることなく
俺はあの授かった力を信じ、
そのテストで本当にもらった力を
存分に発揮したのだ。

(後日)

テストが終了し、友達が俺のもとに駆け寄ってきた。
友達「よう、前のテストどうだった?」
「あ、あはは、まぁまぁかな」
女友達「ね、どうだった?前より上がってた?」
「んー、まぁちょっとはね♪」
先生「一生懸命やった結果だ♪また何か進路のことで相談があればいつでも来いよ」
「はい!ありがとうございます!」

一応、こう言うのには
順位が張り出されるみたいだが、
俺は43位だった。60人中の43位。
まぁまぁだと思う。
前とあまり変わってなかったかも
知れないけどまぁよしとする。

「……でもあいつに1000円、…ちょっと返してほしいって思うかな」

動画はこちら(^^♪
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