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彼女の悲鳴が聞こえない

タイトル:彼女の悲鳴が聞こえない

ある夜、事件が起きた。
俺は警視庁に勤める刑事。

犯人検挙率を上げるため、
プロファイリングチームが新たに結成された。
よりスムーズに、時間をかけず、捜査員も減らし、
簡単に事件を解決すること。これがテーマ。

つまりできるだけ楽をして事件を解決する、
これが大々的に掲げられた。

その事件とは、ほぼ密室状態の場所で
男女がお互いを傷つけあって死んでいた。
男はおそらく油断したのだろう、
その男は女を強姦し、懐に入られたところで一突き。
刃物による殺傷だった。
両者の死亡推定時刻から、女のほうがあとに死んだ事が確認され、
おそらく罪の意識で自決した。

しかしこの事件にはもう少しつながりがあると推測された。
それは女が付き合っていた別の男のこと。
女にはもともと彼氏がおり、
その彼氏との間に何らかのトラブルが起きて、
今回の事件につながった?
警察はそう見ていた。

これまでの経過も全て
そのプロファイリングチームが割り出したこと。
そのデータをもとに、捜査員たちは裏づけ捜査をやっただけ。

その密室の場所を割り当てたのもプロファイリングチームで、
捜査員たちが足を使って捜査したところ
どうでもこの場所を割り出すことができないでいた。
だから余計に絶賛され、
チームの言うことを捜査員は崇めるように聴いていた。

プロファイリングは現場証拠からデータを割り出す。
現場に残され用意されたデータを繋げ、ゴールへ導くその手法。

女の過去のデータを分析したところ
「この女にでかい事はやれない、そこら辺にいる一般的な主婦」
「犯罪歴はなく、全く白の犯行」
「しかし衝動的にカッとなる癖があり、キャパシティーオーバーな出来事が起きるとそれに対処しきれず、その衝動をバネに非常識な行動にも出てしまう。今回の事件がその典型」
「過去に精神病にかかったことがあり、その程度が軽くとも、過激な行動に繰り出す可能性は十分にある」
「自分が傷つけられたことに衝動的な怒りを覚え、相手が油断した隙に刃物を奪い取り、その刃物で相手を殺傷した」

(パソコン画面に映ってるイメージで)
「その女が衝動的に相手を殺した」
「その女が刃物を使い衝動的に相手を殺した」
「その女が刃物を使い衝動的に相手を殺した」

他に推測の余地は無く選択肢も無く、
殺された相手の男と一緒に
その女も死後、殺人容疑で裁かれる形に定まった。

そして後日にわかったこと。
女は妊娠していた。
最近の科学技術はよほどに進んでおり
この段階で彼女が身ごもっていたのが娘であることもわかった。
おそらく前の男との子供。

プロファイリングのデータには
そこまではなかったから、
警視庁の捜査記録には当時からしばらく後まで
そのことが記載される事はなかった。

動画はこちら(^^♪
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