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「補聴器を着けたら言葉が全部わかる様になる?」

よく言われるのですが、

「補聴器を着けたら聞こえる(言葉が全部わかる)様になると思っていた」

補聴器は言葉が理解できるようになる機械ではありません

補聴器はあくまで「補助具」です

その方が持っている聞き取り能力を「補う」ものです

例えば言葉の聞き取り能力が「60%」しかない方が、補聴器を装用しても「60%前後」しか聞き取る事は出来ません

では補聴器は何のために装用するのでしょうか?

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「語音明瞭度測定」という測定があります

ヘッドフォンを装着した状態で音の大きさを変えながら

「か」「さ」「た」などの複数の音(言葉)を聞き、回答します

例えば、

50dB (1mの距離で 小さな会話音) で言葉の正解率が30%

60dB (1mの距離で 普通の会話音) で言葉の正解率が40%

70dB (1mの距離で 大きめの会話音) で言葉の正解率が50%

80dB (1mの距離で かなり大きな音) で言葉の正解率が60% ←最高値

90dB (1mの距離で 怒鳴り声) で言葉の正解率が50%    

の場合、その方の「最高語音明瞭度」は60%ということになります

・・・・・・

90dBの「怒鳴り声の音量」が一番聞き易い方の場合

「怒鳴り声」で日常の会話をする人は殆どいないと思いますので、この

「怒鳴り声の音の大きさ」を、

「日常生活の音量で聞こえる様にする」

のが補聴器の役割となります


なぜ言葉の正解率が低くなるかというと、必要な言葉の音の成分が耳から脳に届かなくなると、脳は段々と音と言葉が理解できなくなります

「言葉の聞き取り能力」は一度下がってしまうと、回復することは難しくなります

脳が若いと回復しやすい傾向がありますので、早めの装用が勧められています

他にも補聴器の役割は沢山あるのですが、また次回に

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