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好奇心が自分を突き動かす

「インドアに見えるけど、意外とアクティブだよね」とたまに知人から言われる。

基本的には家で過ごすのが好きだけど、気になったイベントや人に会いに行くことに関してはフットワークが軽い。その理由を考えてみると、自分を知りたい好奇心が強いからという仮説に思い至った。

今から約1年前、定期的にジムに通っていた。最初はパーソナルジムに半年間、その後は一般的なジムに通った。というのも、いきなり普通のジムに行ってもマシンの使い方が分からなくて困るのが目に見えていたからだ。

そもそもジムに行きたいと思ったきっかけは「体を鍛えたらどういう変化が自分に訪れるのか知りたい」という興味だった。身体を鍛えたいという気持ちもなかった訳ではないが。

1年続けて分かったことは、辛いことにお金を払っている事実を納得させるための自分への説明が必要とか、ジムに行くことを習慣化させないと家から出なくなるとか。

そういった意味で最初にパーソナルジムを選んだのは正解だったなと振り返ってみて思う。当日にドタキャンすると講師の人に悪いという心理的な抵抗が働く。それに予約時間が決まっていたのはダラダラしなくなるのでよかった。きっと始めから一般的なジムだと自分以外の誰にも迷惑はかけないのだからと都合よく考えて、毎月のお金だけ払う幽霊会員になっていただろう。

定期的に運動していると体に関する不調は少なくなっていた気がする。時間通りに行く事はすごく大変。ジムで鍛えるよりジムに行く強い心を鍛える方が重要。ジムの美人トレーナーさんに会うために通ってるような人もいて、人間って案外そんな動機だよなとも思ったり。またジム周辺地域の人の生活を伺い知ることができた。

結局分かったのは、筋トレには終わりがないということ。永久にお金がなくなっていくシステム。それに僕の場合はジムで鍛えている間は頭の中が暇で退屈になると気付いた。

こうして、いろいろと自分的にジムに行くとこんなこと気持ちになるのかと納得できたので、1年であっさり退会した。

またあるときは、ゴルフの個人レッスンにも通っていた。世のおじさんたちがゴルフにハマる理由を知りたかったのもあるし、自分がゴルフを通してどう変わるのかにも興味があった。

体験レッスンだけ受けて辞めるつもりだったのだが、初回レッスンを担当してもらった方(後から聞くとその店のトップの売り上げを誇る方)の出会いがそうはさせなかった。その方は教え方が上手く情熱的な女性コーチで、「考えるのが好きな人に向いている」「スポーツの中で最も難しいのがゴルフ」という言葉に魅せられてしまった。そして、決して安くはない3ヶ月コースを受講することにした。

高いお金を払っているからか、毎週1時間の練習時間の前には教材ビデオをみて予習を欠かさず、レッスン後は近くのカフェに入って教わったことを忘れないようにスマホにメモしていた。また一人のときに練習できる器具を買って、仕事終わりに夜の公園で素振りしたりもした。

3ヶ月間の成果は、7番アイアンで150ヤードを安定して飛ばせるようになったこと(ゴルフやったことある人はどの程度の実力か分かるだろうか)。結論、球にヒットした時のあの音と感覚は、一度味わうと日常のストレスや悩みが全て吹っ飛ぶことを学んだ。仕事終わりに打ちっ放しに行く人の気持ちが理解できた気がした。

初めての海外旅行も、海外の観光地や食べ物に興味があった訳ではなくて、海外に行って自分がどう変わるのか知りたかったからだった。

社会人1年目の夏に1人でシンガポールに行った。マリーナベイサンズの周辺をうろうろしていただけだったが、気ままに目につくものに飛び付いて行動する感覚は自分に多幸感をもたらすことを知った。日本ではできないであろう、他人の目を気にせずに行動できた経験はとても心地のいいものだった。噴水に映る光のショーを見たときは寂しくなって誰かと来たら良かったと思ったけど。

いつだって楽しんでいるのは、対象そのものよりも自分自身の変化。だから経験する対象はなんだっていいし、できるだけいろんなことを体験したい。初めてのヒト・モノ・コトに触れて未だ見ぬ自分の分人と出逢いたい。

僕が思うよいコンテンツの定義は、「それを受容する前と後で、自分が見る景色や考えがガラリと変わったか」である。そういうものに出逢えると有意義だったなと思えて、満足度と幸福感が高まる。

僕を突き動かしているのは、僕自身への好奇心。流行を追いかけることへの興味はあまりない。内向的で1人が好きなのは、自分を見つめることが好きだからなのかもしれない。自分への興味が今後も尽きることはなさそうだ。


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