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100日後に引退するレジェンドの話

当社の定年は現在60歳。その後は65歳まで嘱託社員として1年ごとに契約更新となっています。65歳以降に関しては、会社の状況やご本人の体調や意向を鑑みて契約を続ける場合もあります。
10年も勤務すれば立派なベテランと呼ばれるマンション管理会社。今回は42歳の時に当社へ入社し、勤続23年、来年2月にめでたく65歳を迎えることとなり、引退を決意されたレジェンドにお話を伺ってきました。

「前の会社の仕事が100としたら、200でやって」

——ユニオン・シティサービスに入社する前はどのようなお仕事をされていたのですか?

最初は着物のチェーン店で22歳から30歳までやっていて、だんだん和服が売れなくなってきたときに、同僚が管理会社で働いていたのですが、
「しゃべるの得意だし、知識が身に着けば長く続けられるんじゃないか?」
と言われて商社系の管理会社に転職しました。
そこでは6年在籍したのですが、地方への転勤という話があり、転勤を断って今度は独立系の管理会社へ転職しました。
独立系の管理会社では不正や事件などがあり、今後どうしようかと思っていたところ、当社の中村さんが横浜営業所へ転勤するという話があったので、その後任として当時の田村専務よりお声がかかり、ユニオン・シティサービスへ入社しました。

——求人を見て応募、ではなかったのですね。入社した頃のお話を聞かせてください。

当時中村さんはスターだったので、引継ぎがきつい物件ばかりで……「前の会社の仕事が100としたら、200でやって」と言われて死にそうなくらい頑張っていました。当時は経験者が入ってくるなんてことなかったので、いきなり係長で入ってきて「いきなり係長かよ、生意気じゃねぇか」という空気が流れていました。周りはみんな未経験からスタートの方ばかりだったので。

あれ?豊田さん今どこにいるの?

——今だから言える失敗談はありますか?

そんなに大きいのはないですけど……一回だけ理事会をすっぽかしてしまったことがありました。家に帰ってビールを飲んでいたら理事長さんから電話が来て「あれ?豊田さん今どこにいるの?理事会なんだけど……」と。
理事長さんは管理人さんに伝えていて、管理人さんは理事長さんから直接伝わってるもんだと思って自分に連絡しなかったんですよね。
「まぁしょうがないかー」で済んだ話なんですけど。

——それで済んだのは豊田さんが管理組合の方々と良い関係性が作れていたからですね。

「家族がいるんだ。お前のメンツが何だ!ふざけるな!」と言われて……

——もう辞めようと思ったことはありますか?

東京中央支店が三課制に分かれたときに課長に選んでいただいて、さぁがんばろうとやってみたものの結果が出ず、降格の上、中村さんのいる横浜に転勤となったときですね。

当時、部署長会議で新組織図が配られたときに、みんな新組織図に目を落としたあと、中村さんと目がパッと合ったのを今でも覚えていますね。

久保田取締役(当時)に金曜日の夜に横浜行きを言われて、その時は辞めようと思いました。
家に帰って嫁に「俺、辞めるから」って言いました。一生懸命やろうと思ったけどメンツがつぶれたって感じでしたからね。それを言ったら嫁が泣きながら「メンツはお前のもんだ」と。「家族がいるんだ。お前のメンツが何だ!ふざけるな!」と言われて。

土日じっくり考えて月曜日の朝、久保田取締役に「金曜日は失礼いたしました。横浜でがんばります」と伝えたら「よし、頑張ろうな!辛いけどな!」と言ってくれたのがかなり救われました。

——それがあって今があるってことですね

横浜へ行ってみたら、メンバーもすごくいい人たちばかりで勉強になることも多かったので、結果的に行って良かったですね。

——23年間で一番うれしかったことはありますか?

……これ、考えたけどなかなか浮かばないですね。工事売上一番になって表彰とかも、うれしいはうれしいけどそれが一番ではないですね。

——23年間無事に働いてこられたことが一番になりますか?

今回、理事長さんに「次の誕生日で65歳になるので引退させてもらいます」って連絡したときに、数人の方が「辞めちゃうの?残念だなぁ」と言ってくれるのが最近めちゃくちゃうれしいですね。厳しい人に限ってそう言ってくれるんですよね。

優秀なフロントマンはみんな初動を大事にしている

——この仕事をする上で大事にしていたものってありますか?

これはですね、特に漏水なんかが起きたときなんですけど、夜間や土日に電話が来た時に、その日できることは電話するなり、修理業者頼むなり、手を打っておくということですね。
お客さんにも「今、修理頼みましたんで」と一言入れておく。優秀なフロントマンはみんな初動を大事にしていると思いますよ。安心感を与えるというのは本当に重要なので。

あと安心といえば、思えば私、フロント人生35年で総会600回くらいやってるんですよね。初めて総会やる理事長さんで不安そうな顔の人に「私、600回総会やってますから、最初と締めのあいさつだけしてもらえれば、あとやりますから。任せてください」って言うと、それだけでほっとした、安心した顔されるんですよね。

——まさに安心感を与えられるフロントマンですね。仕事する上でのこだわりはありますか?

お客さんと冗談が言える、ではないですけど、野球が好きとかラーメンが好きとか、共通点を探して雑談をすることですね。出身地が一緒であるとか。そういうのがあるとただ仕事をするってだけではない関係性が作れますよね。

旅人に戻ろうと思って

——引退後は何かする予定はありますか?

働いてもう43年経つんだなーとしみじみ思いました。その前は旅行が好きだったんですよね。だから、旅人に戻ろうと思って。京都へ行ってお寺巡りをしたいな、と。あとは着物屋の頃転勤で行ったところには行ってみたいですね。その後は世の中に役立つことをしたいなと思っています。

——社会貢献とかボランティア的なものですか?

そうですね。世の中への恩返し的なことができれば。

——あまり無理なさらない程度に頑張ってください。では、最後にみなさんへひと言おねがいします

わがままばかりで……一人でわーわー言いながら仕事するタイプなので、うるせぇなこのじじぃって思っている人がいたら、申し訳なかったなぁと。
23年間何事もなく無事にやってこられたのも、そんな支店のみなさんの優しさに支えられてのことだと思います。
今まで本当にありがとうございました。

東京中央支店 植田支店長と記念撮影

植田支店長より……

分譲マンション管理という当社事業が、根源的には管理組合との人的信頼関係で成り立っていることを証明し、実践する手本となるフロントマンとして長い期間活躍頂いたことを感謝しています。

支店のムードメーカーでもあり、コミュニケーションの潤滑油であった豊田さんの退職はとても残念ではありますが、第2の人生への船出を皆で暖かく送り出したいと思います。

本当に、長い間お疲れ様でした。ありがとうございました。


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