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self-quarantine dairy 6/15/2020

9時起床、ベッドでぼーぜんとしたまま(また夢から引きちぎられた)オンに「ケータイ持ってきてくれる……?」と言ったら、さんざん探し回ったあげくもってきてくれた。オンは探すのが得意、わたしは小さいころから探しものが見つからなくて、その度にいつもパニックになっていた。「ない!!」と一瞬でも頭をよぎった瞬間、すべてが真っ白になり、そこはもう「ないないない」の世界。なくなったものはたいていが教科書だったりノートだったり提出物だったり学校にまつわるもので、ない=先生に怒られる=でもその前になんらかの説明をみんなの前で説明しなくちゃいけないという恐怖のはたらきかただった。わたしはいまでも、誰かに管理されることがにがてだ。誰かが自分の上にいるような、誰かにつねに見られながらものごとをこなすことが。だから会社ではたらくこともうまくできなかった。正確には、恐怖するあまり「うまくできすぎる」状況になってしまい、その結果心身ともに破綻してすぐに倒れることになる。今日の夢もそういう夢だった。わたしはコピー機の前であれやこれやと格闘しながら自分のジンを刷っていた。思うようなサイズにならなくて少しそわそわしていたけれど、それはたのしい作業だった。そうするうちに、それがわたしのジンではなく、会社のプレゼンで必要な資料だということに気づいてしまう。先輩が様子をうかがいにくる。「全部印刷し終わったら、そこのホチキスで留めておいてね」。わたしは何度も失敗する。しまいにはボタンすら機能しなくなる。失敗したものを束ねてそれで許してもらおうとホチキスを探すけれど、「そこの」がどこのだったかぜんぜん思い出せない。先輩は遠いところで上司とたのしそうに会話している。わたしはいますぐ手元にホチキスを(誰にも気づかれずに)届けてくれる方法がないかと、ケータイで「アマゾン・ナウ」と打ち込んでいる。そこにはミスプリントを瞬時に修正してくれるマジカル修正液も売っている。これさえそろえば完璧だ、でも配送料こみでぜんぶで15万……そこで目が覚めた。

今日はまたzoomでオイリュトミーのレッスン。「祓い言葉」の2回目。CHという子音の動きをはじめて知った。マッチ箱にマッチを擦りつけるときのような、瞬間的な、それでもものすごいエネルギーをつかう動き。火が生まれるときの音。今日の参加者は12人ほど。ギャラリービューでずらりと知らない人たちが並ぶのを見るのがいつもたのしい。先生がしゃべるときにはみんなミュートにしてみんなじっと聞いているけれど、それぞれの画面のなかでささやかな動きがある。長い前髪を耳にかけたり、ノートを取り出したり、画面の調整をしようと手を伸ばしたり、それからアメリカの高校生が授業中にするように、頬杖をつきながらマグカップからコーヒーを飲んだり。そういうのを見たいものだから、いまいち集中がつづかない。わたしも思わず、椅子の上で片方の膝を抱えてしまう。画面にうつるかうつらないかのギリギリの距離。たとえば教室だったら、こんなことはしなかったかもしれない。こうして、画面の前で、わたしらしい形をわたしが保ちながら、自分のあたらしいパッションの対象をふむふむと自由な気持ちで学べるのがとてもうれしい。

オンと松樹は、暑いなか庭園美術館でピクニックにでかけている。朝、レッスンのためにふたりを外に追い出してしまった。もともとそういう約束だったから、本当は追い出す必要なんてなかったのに、朝からわたしの虫のいどころが悪く、急かして「ほらほらほらほら」となってしまったのだった。今日は松樹の誕生日だった。オイリュトミー後、少しだけカフェで仕事。松樹の仕事になる前にバトンタッチ。カフェで、ものすごく反省して「ごめん」とメールすることができた。オンと松樹は何ごともなかったように先に家で待っていた。松樹は仕事、わたしは汗びっしょりのオンをシャワーで洗い、さっぱりしてから一緒に昼寝。ももんちゃんシリーズの絵本をひさしぶりに読む。それから父がくれた「シマエナガちゃん」という鳥の写真集を一緒に見る。冬の妖精といわれるほわっほわの小さな鳥。「飛ぶときはロケットのように」と、まるで白い玉がビューンと飛ぶような姿を見て、ふたりで大笑いした。オンはなかなか寝付けずベッドでごろごろ。わたしはWaldorf学校育ち、Walforf子育てを実践しているアメリカ人のポッドキャストを聞きながらベッドでじっとしている。今日のテーマは、「ムスリム家族がwaldorf教育を取り入れる場合には」。

松樹へのプレゼントはさんざんなやんだあげく、昨日恵比寿のFarmer’s Tableで見つけたOutilのアシンメトリーのシャツにした(2カ月以上ぶりの店での買いもの)。控えめなブルーのそれは、よくわたしたちがココマンテュカラーと呼んでいた、松樹のお店koko Mänty (kissa)の基調にもなっている色だった。細い松樹によくにあうと思う。それから今日アトレでたまたまやっていた九州フェアで買った松樹の好物の麻花兒(中華風かりんとう)と丸ぼうろ(丸いカステラ)。最近のわたしは「家庭内不良」で、いろいろ反省することばかりである。こんなふうに、自分が家族のなかでふるまうことを、ぜんぜん想像しなかったわけではなかった。過去のパートナーとのリレーションシップを振り返っても、

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