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カメラマンぬま「写真が持つ可能性を信じ、旅人をもっと増やしたい」

みなさんこんにちは!KAMIKITA HOUSE住人のきどみです。

好評連載中のKAMIKITA HOUSE住人インタビューシリーズ。

第19回のゲストは、TABIPPO社員であり、カメラマンでもあるぬまさん!
大手企業からベンチャー企業TABIPPOに入社した理由や、カメラの魅力、シェアハウスでの暮らしについて語っていただきました。

ぬま
千葉県市川市出身。デジタルマーケティングの会社を経て、TABIPPOに入社。副業でカメラマンとしても働く。趣味はクラフトドリンク作り。収集癖があり、流木や石、映画のフライヤーなどを集めるのが好き。

旅を広めるため、大企業から従業員1桁のベンチャーTABIPPOへ転職。

ーー現在勤めているTABIPPOは2社目だと聞きました。前職は何をされていたんですか?

ビッグデータを使ってクライアントのマーケティング戦略を練る、従業員1000人規模のデジタルマーケティングの会社にいました。もともと、ビッグデータのように大きい情報をどうやって加工して意味あるものにするかに興味があったんですよね。

例えば、コンビニの店員がおにぎりを発注しようとするとき、これまでは人の感覚で大体の数を決めていました。ただ、それだとあくまで感覚ベースなので、結構な誤差が生じてしまいます。

そこで、おにぎりの購買データと天気予報のデータを掛け合わせました。すると店員は「雨の日の購買データ」をもとに、おにぎりの発注数を決められるようになったので、より正確でロスのない個数を発注できるようになったんです。

こうした事例が面白そうだなって思い、ビッグデータに興味を持ちました。

ーーそんなビッグデータの会社を辞めた理由は?

旅を広めたいな、と思ったからです。

実は大学生のとき、海外旅行に対していいイメージを持っていなかったんですよね。パスポートが必要で飛行機に乗らなくちゃいけないし、面倒くさいっていうイメージがありました。まさにTABIPPOのターゲットの学生です(笑)。

ですが、廃墟が好きだったので、大学4年生の夏にアンコール・ワットを見に1人でカンボジアへ行きました。そこで受けたカルチャーショックがあまりにも大きかったんですよね。手足がない人が暮らしていたり、小学生くらいの子どもが路上でポストカードを配ってたりして。社会人になって夢だったビッグデータを扱う会社で働き始めても、カンボジアでの体験が忘れられませんでした。このような経験に出会える旅を広めていきたいと考えるようになって、入社してから1年で会社を辞めることにしたんです。

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ーーなぜTABIPPOで働きたいと思ったのでしょうか?

直接旅を広めているな、と感じたからです。
旅行と言えばJTBなど旅行代理店を思い浮かべる人が多いかと思います。ただ、旅行代理店に行くお客さんって既に「旅しよう」と思っている人たちですよね。ターゲットはその人たちではなく、旅に興味がない人に旅の良さをアプローチしていきたかったんです。TABIPPOは旅の良さを知らない人に対してメディアやイベント、プロダクトなど幅広く手掛けていたので興味をもち、応募してみました。

実は、学生時代に撮ったウユニ塩湖の写真が、TABIPPO編集の本『ウユニ塩湖 世界一の「奇跡」と呼ばれた絶景 』に載った、というのがTABIPPOとの最初の接点だったりもします(笑)

自分の感性でいいな、と思うものを撮り続けたい

ーーTABIPPOでは何の仕事をしていますか?

色々やっていますね。ウェブ分析を中心に、メディアの記事を編集することもあれば、イベント運営やステージ監督、バックオフィスをやることもあります。

TABIPPOは代表取締役以外肩書きがないので、メンバーは基本的にプロジェクトを跨いで、自分が好きな分野や得意な分野の仕事をしています。
ただ、その分教えてくれる存在はいないので、分からないことがあればネットや本で調べて学んできました。ネットに載ってないことを知りたい時はその道のプロと直接コンタクトを取って教えてもらうこともあります。

ーー今、趣味でもあり副業でもあるカメラも最初はTABIPPOの仕事から始まったんですよね。

TABIPPOのイベントレポートを作成する際に必要だったので、最初は仕方なくカメラを始めました(笑)。ただ、勉強を始めるとのめり込んで、あっという間にハマっていきましたね。今はもう撮らない日はほぼないです。出掛ける時は大体カバンの中にカメラを入れていて、仕事と趣味合わせて1年間で200日以上は写真を撮っていると思います。

ーー仕事ではどんな写真を撮ることが多いですか?

ファッション系やポートレートが多いです。旅先に同行して、楽しんでいる様子を撮る、というのもあります。

ーーどんな写真を撮るのが好きですか?

建物や自然など風景を撮るのが好きです。観光地でインスタ映えする写真を撮るのも好きだし、ウユニ塩湖などの絶景も撮り続けたいです。
あとは夜景が好きなので、夜の新宿とかダークトーンの写真が撮れる場所によく足を運んでシャッターを切っていますね。自分の感性でいいなって思う写真を撮り続けたいです。

▲ぬまさんのインスタグラムの投稿写真

ーー風景の写真撮影はいつか仕事にしたいですか?

いつか仕事にしてみたいとは思いますが、現実的に難しいかなと思ったりもしています。自分よりも素敵な感性を持つ人たちが多くいるので、そういう人たちに風景写真は敵わないな、と思いますね。もし仕事の依頼が来たとしても、クライアントのことを考えて「自分より〇〇さんの方がいいですよ」って別の人を推薦しちゃう気がするな(笑)。実際、そうやって別の友人を勧めた経験もあります。

ーーせっかくのチャンスなのに!?

写真に対するプライドを持ち合わせてないんですよね。自分より感性がいいカメラマンが風景の写真を撮って、その写真に魅力を感じて旅人が増える方がよっぽどいいと思います。

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▲場所:乗鞍高原 カメラマン:ぬまさん

自分が撮った写真で、誰かの生活が豊かになったら嬉しい

ーー写真を通してどんなことを実現したいですか?

写真を通して誰かの生活が豊かになればいいな、と思います。例えば、自分が撮影した服や食べ物の写真に魅力を感じた人がその商品を購入して、気分が上がったり、美味しいと思ったりして、生活が豊かになれば嬉しいですね。

そして、写真は旅人が増える手段だとも考えています。たった1枚の写真で日本を飛び出し、何十万もお金を出して旅に行く人がいるのが、本当にすごいです。
「自分の旅先の写真を見て、誰かがそこへ行ってくれたらいいな」と思いながらアウトプットを続けています。写真1枚が持つ力には可能性があるので、そのベクトルでも旅を広め続けたいです。

ーー写真を撮る際、人の心を動かすために心掛けていることはありますか?

誰でも行けるところを撮るようにしています。とくに、渋谷や新宿など普段多くの人が行き来する場所で、「こんな景色が見られるのか」「私も足を止めてみようかな」って気付いてくれたら嬉しいですね。

ーーぬまさんにとって「カメラ」とはなんですか?

カメラとは、自分の目指す世界を成し遂げるための手段です。
もともと何かの表現者でありたい、と思っていました。ですが絵を描くのは苦手だし、歌とかダンスとか体を使った表現も得意ではありませんでした。
その一方、カメラはしっくりきています。自分の感覚でシャッターを押して景色を切り取る、というのが自分には合ってる表現方法だと思うんです。

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▲場所:乗鞍高原 カメラマン:ぬまさん

シェアハウスで、人生がもっと豊かになる

ーーカミキタハウスに来る前もシェアハウス生活だったと聞きました。

過去にみっちーさん(カミキタハウスOB)含めて、男4人で三軒茶屋でシェアハウスをしていました。同じ日本人でも自分と他者は価値観が全く違うと気付けるので面白いです。シェアハウスを通していかに自分が細かくて面倒くさい人間か知れました(笑)

ーーぬまさんにとってシェアハウスの魅力はなんだと思いますか?

自分と他の住人の価値観が違うからこそ、「なぜこの行動をとったんだろう」「なぜこれをしないんだろう」と考える機会が増えるので、他者を理解できるようになるのが魅力です。価値観が違う人を受け入れられると、生活が豊かになると思います。極論、戦争はなくなるんじゃないかな。

ーー最後に、カミキタハウスで暮らしている住人に向けて一言お願いします。

日本人と外国人合わせて40人近く暮らしているカミキタハウスは、40通りの価値観や生き方を知れる面白い場所だと思います。また、40人もいれば、何か新しいことをやりたいと思った時に賛同してくれる人も出てくるので、まさにカミキタハウスのコンセプト通り「やりたいが加速する環境」だと感じています。何かアクションを起こしたい、と思っている人はたくさん行動してみてください。その方が楽しいし、幸福度が上がると思いますよ。

【取材後記】
「仕事辞めたの?おめでとう」。初めて直接話したのは5月で、8階のコインランドリーの前だった。ぬまさんから言われたこの言葉で、何かを「辞める」ことはネガティブなことだと思っていた自分の価値観がガラリと変わった。それ以降、キャリアや生き方で悩むと、相談させてもらうようになった。今はこんなことに悩んでる、と伝えると「いいね、どんどん悩みな」と楽しそうに笑うので、いつしか自分の中で「悩むこと」と「辞めること」はマイナスな行為だと思わなくなっていた。

何度かぬまさんと一緒に写真を撮りに行ったことがある。印象的だったのは夜の新宿の街に行った回。自分は見向きもせず通り過ぎてた店の前や道の真ん中で立ち止まり、シャッターを切っていた。これがまさに取材時に言っていた、「誰もが行けるが、見落としがちな景色を撮る」ことなのだ。だから、写真から風情を感じられるのだと思う。
ぬまさんのファインダー越しに映る世界を、これからもずっと追いかけていきたい。

取材:きどみ、コージー
執筆、編集:きどみ

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