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コーチ&コミュマネのいっせい「みんなの“やりたい”を引き出して、加速させる人になりたい」

こんにちは!KAMIKITA HOUSE住人のコージー(@koji__O)です。

前回からseason2として新たなスタートを切った住人インタビューシリーズ。引き続き、たくさんの方々に読んでいただけるとうれしいです!

第18回のゲストは、フリーランスコーチのいっせいさん。コーチングを始めたきっかけやコーチングを通じて成長したこと、また日本一周の旅で学んだことなどについてたっぷりとお話を伺いました。

いっせい
静岡県藤枝市出身。広告ベンチャー、教育ベンチャーを経て、2021年4月からフリーランスコーチに。7月からコミュニティマネージャーとして、カミキタハウスに入居。趣味は旅、読書、映画鑑賞。

どんな人も応援できる。それがコーチング

ーーフリーランスコーチとして、活躍されています。コーチングを始めたきっかけを教えてください。

もともとは学校を作りたいという思いがあって、教育ベンチャーで3年3ヶ月働いていました。小中高と、いわゆる優等生だったんですね。勉強を頑張って、学級委員とかもやって。学校教育のレールに乗って、ある程度成果を残してきたタイプだったんですけど、大学に入ったら急に目標がなくなってしまったんです。就活で、急に将来のことを聞かれるという構造に違和感を持ちました。

これまで頑張ってきたことが、つながっていない感覚があったんですね。もっと自分と、将来と向き合える機会が教育の中にあったらいいなと思って、教育ベンチャーに入って。でも結局、予備校の講師として大学受験でシステムの中にいました。ここでは「やりたい」を引き出すのに限界があるなと思って。

そんな時、出会ったのがコーチングだったんです。これならどんな人も応援できるじゃないですか。例えば「歌手になりたい」とかも。こっちの方が自分のやりたいことに近いなと思って、どんどん引き込まれていきました。

ーーずばり、コーチングとは?

簡単に言うと、人の願いや理想を引き出して、それを叶えるためにサポートするみたいな感じですかね。たとえば会社の目標って、自分発信というより会社発信なものが多くて、自分が心の底からワクワクするかといったら微妙じゃないですか。そういう社会の構造とかに関係なく、自分が心の底からやりたいことをまずは設定します。

そして、モンスターと呼ばれる、やりたいことを阻む原因を対話の中で特定していきます。人の目を気にしすぎモンスターとか、べき思考になっちゃうモンスターとか。それで、自分の中のモンスターとどのように向き合っていくかを一緒に考えていくんです。

ーーコーチングはいつからやっているんですか?

学び始めたのは去年の1月で、実際にコーチングを提供し始めたのは去年の5月からです。教育業界で働いていたのもあって、人とのコミュニケーションにはもともと自信がありました。とりあえずやってみよう、という感じでしたね。「100人コーチング」やりますってSNSで宣言して、最初の10人は無料でやったんですけど、11人目からお金をいただくようになりました。

ーーこれまでに全部で何回くらいやられたんでしょうか?

約110人に対して、計307時間くらいですね。継続してやってる人もいて、一番長い方で1年くらい続けています。月1回やって、変化を見ていくのが理想です。最初は将来のビジョンや目標を一緒に決めて、こういうアクションをやっていこうと話して、その振り返りをやって。ビジョンを叶えるための障壁が徐々に見えてきて、それを1個ずつ紐解いていく作業をしています。コーチングの時間は、初回は説明も含めて90分で、2回目以降は60分です。

ーー色々なタイプのコーチの方がいると思うのですが、いっせいさんの強みは何でしょうか?

難しい質問ですね。クライアントさんに「自分のコーチングにどんな価値を感じてますか?」と聞くと「落ち着く」「安心する」「何でも話せる」という声が多いです。自分で言うのもなんだけど、柔らかく何でも話せる空気感はあると思います(笑)。もともとの性格がすぐに乗っかるタイプなんです。物事を「良い」「悪い」に分けるのではなく、わりとすぐに「なるほど」「確かに」と言っちゃいます。

好奇心も旺盛なので、フラットに「一緒に状況を見ていこうか」という感じなんです。だからネガティブな話が出てきても引きずり込まれないんですよ。感情移入して、一緒に悲しんで自分ごとのようにダメージを受けちゃう人もいると思います。でも、自分は良くも悪くも好奇心が勝るので、ネガティブな感情に引きずり込まれません。それはある種、自分の強みかなと。人間に対する興味がめちゃめちゃあります。まとめると、何でもさらけ出しやすいということと、そこに対して共感しすぎずに客観的に一緒に眺められること。これが自分の強みだと思います。

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コーチングをすることで、より自分と向き合えるように

ーーコーチングをやることで、得られたことや成長できた点はありますか?

めちゃめちゃいっぱいあります。まず自分のことをより知れて、自分と向き合えるようになりました。クライアントさんと向き合うのがコーチングの仕事なんですが、自分自身としっかりと向き合うことも求められます。たとえば、クライアントさんが家族との関係で悩んでいるとします。その時に、コーチ自身が家族の関係でモヤモヤしていたら、自分の方に思考が流れていっちゃうんです。コーチも人間なので。

自分の家族と向き合っていて、モヤモヤしているものがなければ落ち着いてクライアントさんの話を聞けるわけですね。自分があらゆる問題と向き合って解消しておかないと、どこでクライアントさんの話とリンクして自分の感情が揺れ動いちゃうか分からないんです。

例えとして「コーチは湖畔の状態で聞くといい」と言われています。コーチが波風が立っていない湖畔なら、クライアントさんが顔を覗き込むと、そっくりそのまま映るわけです。でも、コーチに荒波が立っていると、クライアントさんの解像度が下がってしまいます。コーチは鏡なので、波打たないように静かな状態をキープすることが求められます。そのために、自分の波打つポイントを知って「自分の心のネックはここだな」と認識して、対策をとります。常にそういうことを考えているので、かなり自分の心が湖畔に近づいてきた気がします(笑)

ーー最初は独学で始めたコーチング。途中からスクールにも通われたんですよね?

去年10月からZaPASS(ザッパス)で学びました。独学は何を信じればいいか分からない部分があるんですけど、ZaPASSに入ったことで拠り所ができた気がします。学んだことは本当にたくさんあります。たとえばコーチングの重要スキルに「傾聴」があるんですけど、傾聴の中に「うなずき」、「あいづち」、「おうむ返し」、「エンジェルアイ」という4つのスキルがあるとか。

ーーエンジェルアイって何ですか?

愛する人を見つめるような視線でクライアントさんを見るみたいな(笑)。他にも「あいづちは相手のテンポに合わせて1回がいい」とか色々な作法を体系的に学べたので、コーチングに迷いがなくなりました。今年7月には目指していたZaPASSの認定コーチにもなりました。

ーー話題は変わりますが、3月で退職して4月からフリーランスになったんですよね。フリーランスになるのは勇気がいると思いますが・・・。

いや、別にいけるとは思ってなくて、とにかく行くぞみたいな感じだったんです(笑)。最悪ウーバーイーツとかアルバイトとかすればいいし、生き方はいくらでもあると思っていたので。もちろんコーチとして成功するぞと思ってやっているけど、ダメならダメで生き方があるよなって感じで。どちらかというと組織から出て自由な経験をしたくて、独立したというのが大きいですね。

ーー4月から会社に縛られずフリーでやっていて、どうですか?

伸び伸びしてますね。伸び伸びしすぎて、逆に制約を求め始めています(笑)。週2くらい会社に行くとか、この時間は働かないといけないとか。ちょっとくらい制約があってもいいかなとか、ルールも大事だったんだなと思い始めましたね(笑)

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日本一周を50日で中断。旅で気付いたのは、「日常」と「非日常」の循環の重要性

ーー今年4月からフリーになって、日本一周の旅に出ましたよね。なぜ日本一周?

もともとは世界一周に行きたいと思っていました。でもコロナで世界一周が厳しくなったので、まず日本一周に行って、その後世界一周しようと思いました。4月に沖縄からスタートして、九州、四国と回ったんですけど四国で中断して、たった50日で帰ってきました(笑)

ーー日本一周をやめた理由は?

単純に旅にワクワクしなくなったからです。旅に行く前は「どんなところに行こう?」「沖縄、海綺麗なんだろうな」とかめちゃめちゃ想像が広がっていました。実際行ってみると、もちろんよかったんですけど、海外ほど刺激がないなと感じました。飽きてきていたし、コーチングスクールにお金を使いすぎて、正直お金がなかったというのもあります(笑)

旅しながらコーチングしていたんですけど、疲れてコーチングのコンディションを下げるのは嫌だったので、ドミトリーよりも個室がいいなとか考えると、お金がどんどんなくなっていって。あと、非日常にずっといたら日常が羨ましくなっちゃったんですよ。同じ家で起きて、家族がいて「おはよう」とか言い合えるのいいなって。お母さんに会いたくなりましたね(笑)

ーー日本一周の後に、世界一周という計画でしたが、今後、世界一周には行くんですか?

いや、世界一周はもう行かないです(笑)。今回の旅で分かったのは、自分にとって非日常と日常の循環がすごく大事だということです。日常に飽きたら、刺激を求めてどこかに行きたくなるタイプで。その時によって求めるものは違って、自然に癒されたいと思ったり、最先端テクノロジーに触れたいと思ったり。

日常に飽きたら、自分の心に従って、1ヶ月くらいのスパンで旅に出たいです。非日常での気づきや学びを日常に還元して、というサイクルを回した方が楽しめるんじゃないかと思います。

ーーカミキタハウスにはコミュニティマネージャーとして、7月に入居されました。

コーチングをやっていて、1対1の関わりからもっと広げていきたいと思っていました。一人の個性がコミュニティの中でつぶされずに生かされていくみたいなのが好きなんですよ。そういうコミュニティ作りをできたらいいなと思っていた時に、コミュニティマネージャー募集を見つけたので、応募しました。

ーーコミュニティマネージャーとして、どのようなことをやっていきたいですか?

カミキタハウスの「やりたいが加速する」というコンセプトにとても共感しています。自分はみんなの「やりたい」を引き出して、加速させる人になりたいです。イベントをやってみたいけどなかなか一歩目が出ない人に対して背中を押していきたいと思っています。もちろん自分自身のやりたいこともどんどん実験していきたいですね。

【取材後記】
とても面白く楽しいインタビューだった。ただ、いっせいの魅力を記事で充分に表現できたかどうか、正直自信がない。120分間の取材では理性と感性、哲学、資本主義なんかの話題も出た。知識や経験の豊富さ、頭の良さが節々ににじみ出ていた。個人的に彼の一番好きなところは、言葉を大切にしていること。いっせいの発する言葉は美しい。インタビューではもっと彼の言葉を聞きたいと思ったし、コーチングを受けたら、他の誰にも言えないことを話してしまいそうな気がする。

なぜそんなに言葉が美しいのか。もちろん教養の高さや語彙の豊富さによるところもあるだろう。だけど、それだけではない。少年のような純粋さが美しい言葉を生み出している源泉だと思う。安易に綺麗な言葉に逃げず、心の中をありのままに言語化することにこだわる。自分を「優等生」と平気で言ってしまう。「ZaPASSの認定コーチになるってすごいんでしょ?」と聞いたら「そう、結構すごいこと」と一切の謙遜はなかった。教育ベンチャーで辛かった出来事も赤裸々に話してくれた。日本一周を中断した理由をそれらしくごまかすことはせずに「正直、お金がなかった」とぶっちゃける。大人になるうちに付いていく余計なプライドがない。清々しいほどの素直さが、彼の言葉をより鋭く美しくしているのだろう。

取材:コージー、きどみ
執筆、編集:コージー

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