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雑記

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狭くて広いはずの世界

 世界が狭く窮屈な物だと思うようになったのは、一体いつだろう。
 交通の便もとても良いこの時代。たった千円でもあれば、降りたこともない名前も知らない街に行けるし、五千円でもあればそれこそわりかし何処にでも行けると思う。
 海が見たいなら行けばいいし、山に登りたいなら行けばいい。
 勝手に思い込んでいるだけということは勿論知っているのだけれど、人間は思いこんでいるものしか認識できないのでこればかりは

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夜が怖い

「夜が怖い」
 多分昔の人は、明かりもなくいつ猛獣に襲われるかもわからない中眠らなければならなかったので、それは中々に恐怖だったろう。
 しかし電気が発明されてからはというと、どうやら人類は夜を克服したことになっているらしい。「暗い→見えない→怖い」と、暗闇は恐怖の具現化といっても差し支えないと思うので、これはわからなくもない。

 私はつい半年ほど前まで暗闇がほとんど存在しない地域に住んでいた。

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人間と真実

「真実」よりも「そのように見える」ことの方がおおよそ大事である人類にとって、口約束ほど適したものもないのだろうと思ってしまう今日この頃。
 本当を求めるくせに嘘に安心する。優しさで味付けされた虚構の料理を今日も美味しそうに頬張っている。

 とどのつまり突きつけられるのが怖いのだ。探求するのが怖いのだ。
 知らなければ怖くない、痛くない、辛くない。見ないふりをして生きていけるならそれが一番いい、そ

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