うにがしらのこの選手に注目ー2024 J2大卒ルーキー後編(中部地方以西)ー

皆さん、こんにちは。うにがしらです。

先週配信した記事の後半をお届けします。
前編の東北・関東地方編は、こちら。

今回は、山梨県が属する中部地方以西のJ2大卒ルーキーの紹介です。
それでは、続きのはじまり、はじまり。


10.井上 樹(明治大学→ヴァンフォーレ甲府)

身長:178cm/体重:74㎏ 右利き
2023の明治大学の最終ラインの統率者。2月15日のACLの蔚山現代戦では、ピッチに立つ機会はありませんでいしたが、メンバーに選ばれていました。U-18をはじめとするアンダーカテゴリで日本代表経験を持つ甲府U-18出身者の帰還で、甲府サポさんは盛り上がっていることでしょう。
CBとしては上背がなく華奢ですが、おそらく本職はボランチ。そのため、足元の技術は確かです。
大学リーグでは、スペースを埋める動きや最終ラインからの配給で存在感を見せていました。
守備のユーティリティプレイヤーとして、甲府に安定感をもたらす存在になると思います。

11.高木 践(阪南大学→清水エスパルス)

身長:173㎝/体重:70kg 右利き
身長からは想像がつきにくいですが、生粋のCBです。2022と2023のデンチャレ日韓戦に選ばれており、そこでもCBとして出場。2023の春の日韓戦では決勝点を挙げました。
2023シーズンに特別指定選手として登録され、すでにJ2のピッチに立っており、大学サッカー界を代表するCBと言えます。
言葉で書くと牛澤選手や井上選手と表現がかぶってしまうのですが、足元の技術やフィードに優れ、最後方からのビルドアップの中心となることができるプレイヤーです。またデンチャレ日韓戦の決勝点はヘディングであげており、大型のCFと競ることができる技術と合わせて、ヘディングの当て感にも優れているプレイヤーと言えそうです。
近年のJ2のCFは大型化が進んでいますが、その中でどのように存在感を発揮していくのか。清水には高橋祐司選手(187cm)、監物拓歩(188cm)という長身のCBがいるので、彼らとどのようなDFラインを形成していくのか注目です。

12.水口 飛呂(IPU環太平洋大学→レノファ山口)

身長:175㎝/体重:68kg 右利き
2022までは、無銘の選手でしたが、2023のデンチャレプレーオフで中国選抜メンバーとして、その後、本戦でプレーオフ選抜メンバーとして活躍したことでブレイクしました。
ボランチを主戦場としていますが、足元でのボール扱いに長けたタイプです。2023シーズンに、特別指定選手として既にJ2デビュー済み。
山口の選手名鑑を見ていると、後述の田邉選手を含め、身体が細いタイプの選手が多いように見受けられるので、展開力と守備力を磨くことができれば、出場機会が増えていくのではないでしょうか。
田邉選手とは、また違った特徴を出して攻守に関わる存在になることが期待されます。

12.田邉 光平(中央大学→レノファ山口)

身長:168㎝/体重:64kg 右利き
2023デンチャレの関東大学選抜Bのメンバーにして、中央大学のNo.10。
こちらもボランチを本職とするプレイヤーですが、そのテクニックから、より前目で特徴が発揮できる選手だと思います。今年のキャンプの中で行われたTMでも、すでに得点をあげているようです。
うにがしらが観たのは、デンチャレでのプレーですが、大きな展開や狭いところでのボールキープやターンの上手さが印象的でした。
パスワークで相手ゴールに迫るスタイルの山口の中で、狭いエリアでプレー可能なスキルをもとに、ファイナルサードでの崩しに関わる選手としての活躍が期待されます。

13.谷岡 昌(関西大学→愛媛FC)

身長:180㎝/体重:73kg 右利き
2019のプレミアWESTを戦った愛媛U-18の選手が、故郷に帰還。
新人にも関わらず背番号は6番。
チームおよびサポーターの期待の高さがうかがえます。
本職はボランチですが、2023の関西大学では、最終ラインでプレーしていました。
2023の関西大学のCBは、4年生の高橋直也選手(2024より湘南ベルマーレ)と3年生の木邨優人選手が顔だと思いますが、この2人、ボールを持った際の積極的な持ち上がりを持ち味にしています(高橋選手は特に)。谷岡選手は、その2人の空けたスペースのケアを担っていました。また、高橋選手が特別指定選手として湘南で出場するなどして、高橋・木邨両名が揃わないことが多かった中でも、谷岡選手は出場し続けており、最終ラインを統率していた点も、うにがしら的にはポイントが高いです。ボールを持てばボランチ仕込みの配給力で最後方からのビルドアップに関与。戦術眼も良いのだと思います。
大学時代が、少し特殊な形でプレーしていたので、愛媛での役割は変わるかもしれませんが、この人も守備のユーティリティプレイヤーとして、チームを助ける存在になると思います。

14.モヨ マルコム 強志(法政大学→V・ファーレン長崎)

身長:181㎝/体重:80kg 右利き
夢いっぱいの右SB。2020にはU-19、2021にはU-20代表候補として、デンチャレでは、2022は全日本U-20選抜、2023は関東選抜Bとして選ばれた期待度の高いプレイヤーです。
うにがしらとしては、特に2023デンチャレでのプレーが印象に残っています。関東Bのストロングポイントとして、特に攻撃時のボールの預けどころのファーストチョイスになっていました。
2023のうにがしらが観た法政大学の試合では、チーム事情が苦しいこともあってか、持っている能力を発揮できていない様子でしたが、サイドプレイヤーとしては規格外のフィジカルを活かして、右サイドを制圧することが求められるでしょう。
ファンマ選手(188cm)、ジョップ選手(195cm)をはじめとする大型のプレイヤーに質の良い質の高いクロスを供給し、逆サイドからのクロスに飛び込めるようになると、対戦相手としては厄介極まりない選手になるでしょう。(ファジの柳貴博選手と同じ役割ですね。)

15.古長谷 千博(常葉大学→ロアッソ熊本)

身長:171㎝/体重:60kg 右利き
2021~2023のデンチャレで東海選抜のメンバーとして3年連続でNo.10として選出されていた点は、特筆に値すると思います。東海大学リーグは、土地柄もあってか、おそらく全国の大学リーグの中で最もテクニックの指向が強いと思われます。その中で、押しも押されもせぬ存在として認められていた。それが客観的な評価でしょう。
2023の全日本大学選抜の常連でもあったのですが、そのきっかけはデンチャレ日韓戦で、後述する井堀 二昭選手のコンディション不良による追加招集でした。(https://web.gekisaka.jp/news/university/detail/?380386-380386-fl
逸材が、全国区になる巡りあわせを感じるエピソードです。
ボランチを主戦場としていますが、特に相手コート内で対面する相手をテクニックで躱し、DFで固められたゴール前をすり抜けるようなプレーができます。そのプレーは、対峙するDFに恐怖を与えるでしょう。
前目で威力を発揮するテクニックがあり、広いエリアでプレーできる選手なので、熊本としては平川選手の穴を埋める存在として期待している向きもあるようです。
課題は、身体の線が細いことでしょうか。そこをテクニックでカバーしてしまう存在足りえるのか。うにがしらとしては、この点に注目しています。

16.井堀 二昭(東海学園大学→鹿児島ユナイテッド)

身長:169㎝/体重:66kg 右利き
ファジサポとしては、岡山県出身ということで気になる選手です。
2022、2023のデンチャレ東海選抜のメンバーとして選出されており、2023のデンチャレでは、ベストイレブンにも選ばれています。
主戦場はボランチ。うにがしらが観たデンチャレの試合では、配給の良さと小柄ながら中盤のフィルターとしての働きが印象に残っています。あらためて記録を振り返ると4試合でCKから3アシストしており、そのインパクトは強烈。また直接FKでも惜しい場面があり、鹿児島ではプレースキッカーとしての活躍も期待されるでしょう。
2019の選手権を制した静岡学園のメンバーということもあり、高校時代の動画がYoutubeに残っているのですが、それを観るとドリブルの技術も高いことがわかります。
中盤の様々な場所で違いを作れるプレイヤーとして期待できそうです。

終わりに代えて ー全国の大学サッカー事情そして岡山県の話をざっくりとー

2回にわたって配信した今回の記事、いかがだったでしょうか。

おそらく「なんかボランチとCBが多くて、その違いがわからんやんけ!」という感想を持たれた方がいらしゃったかと思います。
書き分けができていない一番の理由は、うにがしらの文章力と記憶力の問題です、はい。もう一つお伝えすると、2024ファジの補強ポイントして「中盤を制することができるボランチ」、「足元のあるCB」を考えており、2023シーズンはそこに注目しており、偏りの元になったと思っています。
ファジアーノに関して言えば、ファジサポの皆様は、よくご存じの通り、ボランチとCBについては新卒の獲得ではない形で補強されました。
選手本人の意志、チーム事情および競争相手と様々な要素があるので、ど素人が思うように来てほしい人が来るわけではない。この記事を書いてあらためて感じた次第です。

また別の記事としてもまとめたいのですが、2023の大学サッカーリーグの傾向に簡単にふれておくと、関東・関西ではない地区の存在感が高まっていると思います。今回、うにがしらが取り上げた選手も東北、東海、北信越、中国の各リーグの所属選手がいました。特に東北、北信越については、今後もその存在が高まるのではないかと思いますし、中国もそこに続いていくのかは、今後の要注目ポイントだと思います。

さて、中国地方の存在感が高まっているという話をする中で、2023においては、その中心は岡山県であったと言っても良いかもしれません。
IPU環太平洋大学は、今年3名のJリーガーを輩出。そして岡山県出身者として、この記事でも取り上げた井堀 二昭選手とコンサドーレ札幌に入団する田中 克幸選手がJリーグに活躍の場を移します。
岡山U-18が、2024にプレミアWESTに挑戦することと合わせて、岡山県のサッカー界は、育成の成果が出る時期に差し掛かっているように見えます。

岡山県出身のJリーガーは、実は2024はザスパ所属となる真木晃平選手(1998年生まれ)から佐野航大選手(2003年生まれ)までの6年間で、途切れることなく続いており、これがどこまで続くのか、うにがしらとしては目が離せません。この点の考察も、また記事にしたいと思っています。
先に、振り出しをしておくと、各人ケースバイケースで、理由は様々あるものの、大きなものの一つはファジアーノ岡山ではなく、実は岡山湯郷ベルではないかという仮説を持っています。

これらの記事をいつ書けるやら…なのですが、何とか形にしていきたいものです。

それでは、また!

※昨シーズンの記事はこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?