【読書記録】僕の狂ったフェミ彼女

僕の狂ったフェミ彼女
ミン・ジヒョン 著 / 加藤慧 翻訳
イースト・プレス 出版

以下、ネタバレ含みます。
サクサク読めるから読んで戻ってきてもらいたい笑

愛も権利も譲れないけど、こんなアンチフェミな彼氏はとてもじゃないけど、耐えられない。彼氏がアンチフェミニストだったら?彼を取り巻く人々は?そう思い続けた本だったな。
ほんと、心の底から安心したのは私の彼氏はフェミニストで、政治的にも同じ考えを持てる人だということ。
私はそのおかげで、家という安心できるスペースを確保できていて、そのおかげで日々のストレスがだいぶ軽減されてるはず。
惚気はこの辺にしておく…笑

『社会が私をフェミニストにした』と彼女は言った。
フェミニストになるには十分すぎる世の中だった。私の住む世界も同じ。結婚や仕事、妊娠出産だけじゃなくて世の中から向けられる視線や『女』に押しつけられる期待と常識。読んでてほんとにしんどかった。ああ、こんなのもわからないのか…とか、それはないだろ…と言った言動たち。
フェミニストではない人たちにもわかりやすい状況説明になってたから、読んだ人には届くはず。届いて欲しい。

『社会を変えられっこない』と彼氏は言ったけど、彼女の言葉にうごされた女性はいた。仲間はいた。
フェミニズムにとっては大きな一歩なんだ。ざまぁみろ、アンチフェミニスト!そうやって世界は少しずつ変わるんだ。怒れない人に怒りを。つらくて立ち上がれない人にはハグを。フェミニズムってそういうことって勇気が出たところもあった。

そして、後書きに人生はウォーキングデッドのようだと。本当にそうだ。私は家というセーフスペースから出た途端、戦いが始まるんだ。戦えなくて、諦めて噛まれたら私もゾンビだ。戦うためには仲間がいた方がいい。仲間がいればセーフスペースが増えるだろう。そしたらわたしたちはまた戦える。言葉という武器を持って。

選択できるほど選択肢がなくて、ベターだと思えることをやるしかなくて。
飛び出した彼女が息を吸える場所でありますように。

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