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夢日記作品まとめ

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【夢日記】シリーズをまとめています。
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記事一覧

【夢日記⑥】三本の畝

畑の畝を三本もらった。 それぞれに、マンゴー、カカオ、白菜、お芋を植えることにした。 種類が全く違うから、土や温度はこれでいいのかと畝をくれた人の顔を見たけれど、どうやら大丈夫らしい。 私は畝に指で穴を掘り、いちごの花を二、三本ずつ1列植えた。畝の長さが足りなくて、最後少しだけ土を盛って付け足した。 隣の畝では、せっせとごぼうを植える人がいる。 いちごの花を一列植え終わった私は、来年にはたくさんのお芋がなるだろうと満足気に頷いた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━

【夢日記⑤】歯並びのいい魚

私は母と妹と一緒に、海の上にいた。 少し緑ににごったガラスの箱のようなものに乗っている。その下を大きな魚が泳ぎ交っているのが見えた。 妹がシャチほどの大きさのある魚を指さして、「あれがいい!」と言う。母は分かったというう風に嬉しそうに頷いた。そして、その魚をむんずと掴むと私たちの足元にいとも簡単に引き上げてしまった。 体表に斑な模様のある、少し気持ち悪い見た目をした魚だったが、妹は目を輝かせて喜んでいた。母はどこから出してきたのか、大きい包丁を手にその魚を絞めようと試み

【夢日記④】巣立ち

小さい箱にカエルを買っていた。 おまんじゅうみたいな可愛いカエル。 私は、せっせと芋虫をあげる。 箱が小さすぎて、すぐに芋虫でいっぱいになってしまった。 やがてカエルが成長し、小さな軽い箱はカタカタと揺れだした。 あげる芋虫も大きくなり、もっともっと大きく揺れだした。 ガタン! あっ、という間に箱から何か飛び出した。 見上げると、翼を広げた鮮やかな緑色の小鳥が空を飛んでいた。 いつの間にか芋虫が立派な鳥になって、小さな箱から元気に巣立っていった。 ━━━━━━━

【夢日記③】飛行

昼下がりの優しい光が差し込み、心地の良い風が吹く校舎は懐かしく、埃っぽい匂いがした。 誰もいない校舎の廊下を、私は思いっきり手足を伸ばし、飛んでいた。 顔に当たる風が心地よく、涼しい。白い廊下に差し込む光は眩しく、目が眩んだ。 どうやら当時の制服を着ているらしく、風に煽られたスカートがパタパタと足を打っている。 僅かに右肩を下げると、私の体は滑らかに右へ曲がった。懐かしい渡り廊下。この渡り廊下でたくさんおしゃべりをした、中学生の頃の友達の顔が思い浮かんだ。大人ぶってい

【夢日記②】暗い森

私は父と母、それから妹といつもの軽自動車に乗り道を走っていた。 しかし、窓の外は日常とはかけ離れた景色だった。空は薄暗く、濁った紫色をしていて、ひどく不気味だった。普段見えるはずの街並みも見えず、どんよりとした紫色のもやがかかっているだけだ。気のせいか肌寒くも感じる。 ハンドルを握る父は前かがみになり、酷く怯えた顔をしている。母と妹も不安げに辺りを見回している。 しばらくすると、車は薄暗い森に入った。私は、その様子を少し離れた車の真横から見ている。 木々はどれも紫色で

【夢日記】箱庭

薄暗く、固い地面に立っていた。 見上げると、四角く切り取られた空が見える。私は妹とふたり、どこか地下深くに立っているようだった。 周りを見渡すと、暗い灰色のコンクリートの壁に囲まれている。学校の教室くらいの広さがあるように思うが、圧迫されているようでかなり息苦しい。 どうやら私たちはここから出たいらしい。四角い空を見上げたま、目の前の壁に手をかけた。 苔むした壁一面には、手と足を掛けられるくらいの四角い穴が空いている。その穴に手を入れると、指先が濡れる感触がした。 上へ