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日本と韓国、ボーイズグループの特徴と違い〜BE:FIRSTの推し方に悩む〜

SKY-HIが手がけた新人ボーイズグループ【BE:FIRST】の躍進が目覚ましい。

BE:FIRSTはボーイズグループではあるが、アイドルとは言い切れない。かといって、ミュージシャンとも違う。質の高いパフォーマンスをする集団と言えば、いいのだろうか。

推す側としては、戸惑いがあるのは正直なところ。

でもなぜ、私は戸惑っているのだろうか。

理由は、きっと彼らが未知だから。

既存のアイドルグループに当てはまらない箇所があちらこちらで出てくるのだ。

彼らを分析するために、まずは既存のグループの特徴を考えていきたいと思う。



【日本のボーイズグループの特徴】

ジャニーズは王子様的カッコ良さ

日本のボーイズグループと言えば、今はジャニーズ事務所のSnowMan、 SixTONES、King & Prince、KAT-TUN、SexyZoneなどが周知されている。


これまでも、少年隊、光GENJI、TOKIO、SMAP、嵐、v6など多様なアイドル活動を見せてくれた。

ジャニーズのパフォーマンスは、個性が光りメンバーそれぞれの魅力を歌や踊りに表現しているが、スタイルとして【かっこよさ】を前面に出してきたように思う。そして、自分が1番になりたいと言う野望も、表現に垣間見える。

SMAPで言えば、木村拓哉が、かっこよさや色気を出し、メロディラインからワザと外した歌い方をするなどである。そこには、キムタクらしさがある。

かっこよく目立つこと、そしてファンを獲得しグループ内で人気がでること。それが個人個人から感じられる。自分がグループのトップに立ちたいという野心が見える。そんな姿を見るとファンも自担を益々応援したくなるのだ。

ジャニーズのカッコ良さは昔から女性が好きな【王子様的クールでかっこいい】姿だ。そして、ジャニーズでトップを目指す彼らも【かっこいい】をとことん体現してくれる。

バラエティでどんなに汚れ役をやっても、なんかかっこいい。王子様がバラエティに出てれば、そりゃかっこいい。そして【かっこいい】が彼らの誇りであり、ジャニーズたる所以なのだと思う。


LDHはワイルドな男達

ジャニーズ以外のボーイズグループで思い当たるのはLDHのEXILEや3代目、generationsだろうか。彼らも【かっこいい】が印象的だ。

しかし、彼らのかっこいいはジャニーズとは違う。対象が女性に限らないカッコ良さなのだ。どちらかと言うと、というか際立って【ワイルドで男気溢れるかっこよさ】なのだ。

鍛えられた身体、健康的で浅黒い皮膚、ロックでパンクなスタイル、年長者や先輩を「兄貴!」と言うような男気ある縦社会。ウィンクなんか飛ばさない。

クラスの女子が憧れるイケメンで生徒会長な男子じゃなく、教室や廊下で男を引き連れて騒いでいるヤンチャな男子なのだ。先生にも、ズケズケ本音で切り込むような。体育祭の時は誰よりも燃えてるような男子がLDHのボーイズグループだと私は思う。彼らは、スピッツやゆず、ミスチルなんか聞かない。レッチリや湘南乃風とか聞いてるタイプに違いない(偏見)


彼らは集団としてのパフォーマンスの仕上がりを第一にしてるように感じる。個々が目立ちたいとい気持ちは持っているだろうが、シンガーとパフォーマーという役割があるため、役割を全うし最高のパフォーマンスを表現することが彼らの作品の質を上げるのだ。

ドラマやバラエティに出るのはジャニーズと同じだが、個々が突出し過ぎると良くも悪くもグループとしての質に関わる。ある程度の節度を踏まえて彼らは他ジャンルに出ているように感じる。そして彼らのバックにはLDHという誇りが垣間見える。LDHとしての【かっこよさ】を崩さないという固い決意みたいなものを彼らからは感じるのだ。


日本の二大ボーイズグループを例にあげたが、双方ともに【かっこいい】を売りにしている点は同じだろう。

ジャニーズは王子様的カッコ良さ、LDHは男気溢れるワイルドなカッコ良さが感じられる。ジャニーズは女性ファンが多く、LDHは男性ファンが多い。

では、BE:FIRSTはどこに当たるのだろうか。それを考える前に韓国のボーイズグループの特徴を見ていきたい。



韓国ボーイズアイドルグループには可愛さが必須

私はBTSとENHYPENのファンであるが、彼らは【かっこよさ】を感じる一方で、【かわいさ】も前面にでている。

韓国語でかわいいは『きよう』と発音するが、メンバー内の話の中でこのキヨウが連発する。

日本語で表すと

「あー、ほんとかわいいよ、お前」

「お兄さん、かわいいー」

と言った感じだ。ファンも同じだ。彼らは、本当にかわいいのだ。日本のボーイズグループで可愛いという言葉をメンバー内で言い合う姿は、私は見たことがない。

日本と韓国のグループの違いは文化の違いに関係する。韓国のボーイズグループの構成は【家族】なのだ。これは実際の家族ではない。家族のような関係性を指している。

韓国は年齢を重んじる。メンバー内でも年齢順に1番上から下までが兄弟関係にあり、末っ子は『マンネ』と呼ばれ、お兄さん達に可愛がられている。メンバー皆で共同生活を送り、互いに支え合い、家族のように思い合うのだ。こういったメンバー同士の固い絆も、セールスポイントのひとつだ。対して日本のグループは家族や兄弟関係ではなく、仲間や同志、もしくはライバルなのだ。

また、韓国のボーイズグループはパフォーマンスも協調性、統一性を重んじている。ダンス中、ジャンプの対空時間や着地のタイミングも全て揃えるほど。もし1人だけ目立とうとすれば、パフォーマンス中止、やり直しとなるのだ。

ENHYPENはオーディション番組中、人気を得たいメンバーが決められた振り付けではなく、個性を出したいが故に、1人だけ違うふりを入れたことがあった。そのメンバーは、チームのリーダーに叱られ、プロデューサーからは【危険思考】と脱落の可能性も提示されたほどだ。

韓国で、キムタクみたいな個性的なパフォーマンスはできないのだ。

歌や踊りのパフォーマンスの完璧さを第一に、メンバーが一丸となりそれを表現をする。もし自分が一番目立ちたいと、前に出ればパフォーマンスが台無しになってしまうのだ。決められたものを完璧にこなすのが正解だ。


また韓国アイドルグループの【かっこよさ】は日本のジャニーズと同様の【王子様的かっこよさ】に近いが、実はかっこいいだけでは韓国アイドルにはなれない。先にも述べたが、彼らには必ず【可愛いさ】が求められるのだ。

韓国のボーイズグループは【愛嬌】ができなくてはならない。これは、かわいい仕草やポーズのことだ。頬をふくらませ、人差し指でつつく。かつて、さとう珠緒やゆうこりんこと小倉優子がやっていたような仕草を習得しなくてはならない。


ENHYPENのメンバーも、デビュー前には、愛嬌ができなくて、とても苦悩していた。かっこいいはできるが、【かわいい】が出来ないのだ、恥ずかしくて頭を抱えていた。

しかも、おちゃらけてやるようなふざけた可愛いではダメなのだ。違和感なく自然なかわいさ。それが必要なのだ。

韓国のボーイズアイドルグループは、このように日本のボーイズグループとは違う点がある。集団としてのパフォーマンスの完璧さ、家族的な関係性、可愛いが重視される点だ。



では、

BE:FIRSTはどこに当てはまるのか?


まだデビュー前ではあるが、パフォーマンスは韓国ボーイズアイドルグループのような協調性や統一性を感じる一方で、パフォーマンス中に個々で、ジャニーズの木村拓哉のようなオリジナルティを出す場面もいくつか見られた。

しかし、自分だけが目立ちたいというスタイルではない。

なぜならSKY-HIがそれは求めていないからだ。個々の質を上げた上で、チーム全体で質を上げる。それが根底にあるのだ。

また【かっこいい】を出しているが、王子様的かっこよさとは違う。どこか、ロックでワイルドさも感じる。かっこいいの種類はLDHに近いかもしれない。しかし、メンバーの中には王子様のようなかっこよさや、可愛さを兼ね備えている人もいる。そして、共に長期間のオーディションと合宿を経験した彼らは、友達のような家族のような関係性を感じられる。

そう。

BE:FIRSTは、色々なグループの良いところを重ね合わせたような、新しいボーイズグループなのだ。

韓国ボーイズアイドルグループのような気持ちで推すと、少し違和感を感じるかもしれない。

ジャニーズのように推しても違和感が。

LDHのように推しても同様。


BE:FIRSTは既存のようであって新規なのだ


私達は、それを心得て、彼らのデビューを待つ必要がある。

デビュー前の現時点では、KPOPアイドルのようにファンネームやファンクラブ、SNSでメンバーの情報を発信している。音楽番組に出演し、トークも披露。これから、どんな方向性に変化していくのかと、私はヒヤヒヤとワクワクが入り混じった気持ちだ。アーティストとしてバラエティなどは出演しないのか。ライブ活動のみなのか。ファンとの関わりはどうしていくのか。先が読めない。

だが、私は、この慣れない新たなボーイズグループが、どう成長していくのか、ドキドキワクワクしている。

日韓のボーイズグループの良いとこどりができているこのグループが、どれだけ大きくなるのか。わからないからこそ楽しみなのだ。


しかし、とにもかくにも、早くデビューして。と思うのは私だけだろうか。






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