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終の住処はどこに?シニア世代の住まいモンダイ。その1

この数年、シニア世代の住み替えや、相続を視野にいれた住まいづくりを考える機会が増えています。
ちなみに「老後」「住み替え」というキーワードで検索すると、「理想のシニアライフに向けて」「住み替えのメリット、デメリット」「50、60代は30年後の住まいも考える必要あり」とか、「住み替えの選択肢は4つ、⑴コンパクトなマンション ⑵高齢者住宅施設 ⑶建替/リフォーム ⑷子供と同居/近居などがあがってきます。
 
長寿命の高齢化社会にあって、70代を過ぎて、建物の老朽化とライフスタイルの変化をあわせて、現実的に考え始めることも多いのかもしれません。

我が家の軽井沢の家は、母方の祖父から引き継いだ敷地に建っています。祖父の土地は4人の娘に分割されたわけですが、母の姉である私の叔母(84歳)が、「軽井沢に移住したいので設計を頼みたい」と言われたことから話は始まります。

叔母は、高崎在住・高崎生まれ高崎育ち。2年前に伴侶である叔父がなくなり、大きな家での一人暮らしの継続を見直す際、高崎の家を売却し、軽井沢に終の住処を建てるという選択肢が浮上しました。上記の4つの選択肢でいえば、⑶に近い。

老後生活を自然の中で、、、夢は膨らみますが、越えるべき現実的なハードルがいくつかありました。
まずは現在住んでいる場所の敷地の売却。
昨今の建築費の高騰で、大手デベロッパーのマンション用地としては売主の希望金額と見合わない。同時に、建築費の高騰は、新しく建てる家の予算にも影響します。

気持ちのいい自然の中で老後を過ごせるのは理想的ですが・・・・

一方で、住み替える当事者にも、冬に一人で住む不安、体調や病院施設などの不安が浮上します。
現実的に考えると、今住んでいる場所の近くのマンションに引っ越すのが、設備、広さ、管理の面から安心かもしれない、という第二の選択肢があらわれます。上記4つの選択肢の中で、⑴に振れる。

『でも、マンションだと駐車場がなくて人が来なくなる、ご近所付き合いが無くなって孤独になる、愛犬のための庭が必要』
という抵抗感もある様子。いくつになっても、人の暮らしには、人との繋がりが求められます。
まして50年も住んできた土地、環境で積み重なったものは大きい、つまり、今の場所に住み続けたいという気持ちもゼロではない。

当初、軽井沢の家の設計を、やるかやらないか、と仕事目線だった私も、揺れる叔母を見て、シニア世代の住まいの選択は誰しもがぶつかる問題だと感じるようになりました。それこそ、「50代、60代が30年後の住まいを考える必要がある」という、ど真ん中世代としても、ひとごとではない!と、あれこれ考えをめぐらし始めることに。。。(続く)

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