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リサイクルパルプが紙粘土に⁉~紙おむつリサイクル特別授業を鹿児島県志布志市の小学校で開催!~

使用済み紙おむつから新たな紙おむつへと水平リサイクルを目指す、RefF(リーフ)プロジェクトの活動をお届けする、こちらのnoteシリーズ。今回は、昨年11月に鹿児島県志布志市教育委員会のご協力のもと、志布志市の小学校で実施された「紙おむつリサイクル特別授業」の様子をお届けします!

※オゾン処理技術を使用した紙おむつから紙おむつへの水平リサイクル技術について(2020年12月ユニ・チャーム調べ)

「紙おむつリサイクル」について学ぶ、特別授業スタート!

本日の特別授業を担当するのは、過去記事の「ユニ・チャームの組織を横断して結成された「RefFプロジェクト」のメンバーを大紹介!【相関図つき】」にも登場した、マーケティングチームの池上さんです。
ほかのRefFプロジェクトのメンバーも助手として登場。特別授業をサポートします。本日の特別授業は、小学生のみなさんにどのように受け止められるのでしょうか…?

①調べてみよう!「紙おむつ」ってどんなもの?

特別授業は、ユニ・チャームが扱う紙おむつを例に挙げて、紙おむつの種類や構造を伝える内容からはじまりました!

「みなさんも赤ちゃんのころに、紙おむつを使ったことがある人が多いと思いますよ。もし、紙おむつが無かったら、おしっこやうんちを自分の意思でコントロールできない赤ちゃんや高齢者の方々はベッドが汚れて不衛生な状態になってしまいますよね」と池上さん。

「紙おむつを知っていますか?」という質問には、クラス全員が元気に挙手してくれました!

児童のみなさんに、紙おむつを配布し、実物に触れてもらいながら、紙おむつが「不織布」「吸水紙」「綿状パルプ」「“SAP”と呼ばれる高分子吸水材」「防水材」などからできていることを説明。さらに理解を深めるために、吸収の実験をしていきます。そして、紙おむつは複雑な素材からできているため、リサイクルには特別な技術が必要なことをお話ししていきます。

(実験)紙おむつが水を吸い込む力はどのくらい?色水を入れて試してみよう!
実際に、児童のみなさんに紙おむつの吸水力を試してもらいましょう!
各テーブルに配布した紙おむつに青い色水を入れてしばらく待つと…水を吸い込んだ紙おむつもサラサラに!各テーブルから「吸い込んでる!」「すごい!」と驚きの声があがりました。

児童たちのほとんどは、紙おむつに触れるのははじめて。「あふれないかな?」とおそるおそる紙おむつに色水を入れてから、やわらかくてサラサラした触り心地を確かめます。

(実験)高分子吸収材の「SAP」は、色水を入れてぐるぐる混ぜるとゼリー状に固まる!
次は、色水に白い粉状のSAPを混ぜて“吸う力“を実験します!紙おむつがおしっこを吸収するのは、高分子吸収材である「SAP」に水を吸収して閉じ込めて、外に出さない性質があるからなんです。

SAPでゼリー状に固められた色水は、コップを逆さまにしてもこぼれないんですよ。
あっという間に凝固するSAPの“吸う力”にみなさん興味津々です!

子どもたちも、SAPが水を吸うことで「棒をぐるぐる回していたら、だんだん重くなってきた」と、変化を実感していきました。

②なぜ使用済みの紙おむつをリサイクルするの?

「なぜ、使用済みの紙おむつをリサイクルするのでしょうか?」という池上さんの問いかけに、教室から「自然環境のため」「SDGs」という声があがります(みなさん、よくご存じですね…!)。

そうです、まさに「SDGs(持続可能な開発目標)」です!
ごみを燃やすと、地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO₂)が発生します。使用済みの紙おむつは水分を多く含んでいて燃えにくいため、より多くの燃料と費用が必要になります。さらに、リサイクルをせずに新しいパルプを使って紙おむつを作ると、多くの森林資源が必要になります。

紙おむつのリサイクルは、SDGs(持続可能な開発目標)の「12.つくる責任つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「15.陸の豊かさも守ろう」にもつながる取り組みです。 出典:図解でわかるユニ・チャーム紙おむつリサイクル

「紙おむつを使い続けるためには、自然環境に配慮した新しい工夫が必要なんです」という池上さんの言葉を、児童のみなさんも真剣な表情で聞いていました。

③世界初の紙おむつ循環型リサイクルって?志布志市とユニ・チャームの取り組み

また、志布志市とユニ・チャームが取り組む、紙おむつの循環型リサイクルについても詳しく紹介。

志布志市では、“世界初の紙おむつの循環型リサイクル”の実現に向けて、使用済み紙おむつから作られた紙おむつのテスト使用を開始しています」と池上さん。

使用済み紙おむつを分別回収して作られたリサイクルパルプを、ユニ・チャームの工場で吸水紙へと加工。また別の工場で紙おむつへと製品化しています。使用済み紙おむつから作られた紙おむつは、鹿児島県を中心とした高齢者施設でテスト使用を行っています。

そして、循環実現の鍵を握るのが“分別回収”です。現在、志布志市の先行モデル地区で実施されている、使用済み紙おむつの回収ボックスの設置など、分別回収の取り組みも詳しく解説。これまでも細やかなごみ分別回収・リサイクルに取り組んできた志布志市だからこそできる、先進的な取り組みなのです。

「リサイクルできるものでも、分別しないで捨ててしまうとただの“ごみ”になってしまいます」と池上さん。

自分たちの暮らす志布志市で世界初の紙おむつの水平リサイクルが行われていると知り、児童のみなさんも特別授業の内容が身近に感じられたようです。

④リサイクルパルプを使った紙粘土作り

リサイクルについて学びを深めた後は、児童のみなさんに、志布志市の使用済み紙おむつから作られた「リサイクルパルプ」に触れてもらいます!
さらに、リサイクルパルプから紙粘土を作り、その紙粘土で好きな作品を作成。リサイクルパルプに親しみをもってもらうのがねらいです。

(実技)使用済み紙おむつから生まれた「リサイクルパルプ」で紙粘土を作ろう!
リサイクルパルプの実物を手にした児童のみなさんは、「白くてきれい!」「やわらかい」「全然汚れてない」と思い思いの感想を言葉にしてくれました。

リサイクルパルプを鼻に近づけて「においは全然しないね」と確認する児童の姿も。
白衣のスタッフが各テーブルをまわり「パルプをふやかす、パルプをしっかりほぐす、水をきりパルプを取り出す、パルプとのりをなじませる」といった、紙粘土作りの過程を説明しながら作業を進めていきます。
リサイクルパルプにのりを入れて混ぜていきます。リサイクルパルプとのりをなじませると少しずつ粘り気が出てきました。

リサイクルパルプの紙粘土ができたら、作品作りです。

絵の具で紙粘土に色をつけながら、キャラクターや季節のモチーフなど、それぞれのアイディアを形にしていきます。できあがった作品は乾燥して完成です。どの作品も力作ぞろいですね。

これで本日の特別授業は終了です。
みなさん、お疲れ様でした!

「紙おむつがリサイクルできると知ってびっくり!」児童たちの反応

特別授業後に行ったアンケートでは、児童のみなさんから「志布志市が世界初の取り組みをしていると知ってびっくりした」「赤ちゃんやお年寄りが使う紙おむつをリサイクルしようと思うことがすごいと思った」などの感想がありました。

「紙おむつから紙粘土ができてすごい」という率直な反応も。
紙おむつの水平リサイクルについて、知らなかった児童が多数。「使い終わったおむつがまだ使えると初めて知った」などの声が寄せられました。
「リサイクルすると地球環境に優しいということがわかり、あらためて地球環境に良いことをしようと思った」という声も。

ほかにも「みんながしっかりとリサイクルをして、環境に優しい社会になっていったらとてもうれしいです」などの反応もありました。
特別授業を受けて、みなさんの環境問題についての意識の高まりを感じました!

あとがき

鹿児島県志布志市で行われた、今回の特別授業。児童のみなさんの、SAPが固まっていく様子を目にしたときの驚きの声、紙粘土の作品を作っているときの目の輝きなど、新鮮な反応に私自身も元気をもらい、嬉しくなりました。

これからも、未来を担う子どもたちをはじめ、多くの方に、さまざまな方法で紙おむつの水平リサイクルを目指す、RefFプロジェクトの取り組みをお伝えしていきたいです!

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