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ドロノキの綿毛
家に帰ると、綿毛が舞っていた。
この綿毛がドロノキの種『柳絮(りゅうじょ)』だと知ったのは、北海道に来て10年くらい経ってからだろうか。花粉症の原因になるという話もあるが、音もなくどこからか漂ってくる姿は日常の色を変えてくれる。
ドロノキは湿潤地に生えるヤナギ科の大高木。うちの周りにはいっぱいある。ここに最初来た時、白樺と間違えてロマンチックな気分になったが、よく見ると白樺よりグレーっぽい。ドロノキという名前は「価値がない」という意味から来ているという。荒れ地に生える先駆的な植物で、あっという間に大きくなり、周囲の土壌を豊かにして、100年くらいで世を去って行く。
因みに、こちらも我が家の周りに沢山生えているハンノキ、白樺、オニグルミも寿命は100年ちょっと(オニグルミは200年弱)。玄関に幼木を植えたアカマツは300年、道路の脇に生えているイタヤカエデは400年、ハルニレとオヒョウは500年、イチイは600年生きる。
寿命の単位がヒトと違いすぎてほっこりする。私が見ない世の中を是非見て欲しい。その世界にも美しいものがありますように。
木としては短命とは言え、うちの大きなドロノキは私の残りの人生くらいなら十分付き合ってくれそうだ。今後ともよろしくお願いします。
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