Day.33 パーキンソン病の診療メモ【総合診療トピックゼミ】
<パーキンソン病を診断する>
□診断基準□
厚生労働省の資料を見ると、パーキンソン病の診断についてこのように書かれている。
◇以下の4項目を満たした場合をパーキンソン病と診断する。
1)パーキンソニズムがある
2)脳 CT 又は MRI に特異的異常がない。
3)パーキンソニズムを起こす薬物・毒物への曝露がない。
4)抗パーキンソン病薬にてパーキンソニズムに改善がみられる。
他の基準も存在するものの、非神経内科医にとって最もシンプルで使用しやすいのはこれであろう。
□初動□
医療機関のセッティングによるが、可能であればパーキンソン病を疑った場合には、一度専門医に紹介するのがよい。理由は大きく2つである。
◇他の疾患を高い精度で除外の上、確定診断がつく。
◇コントロールに困った場合のコンサルト先が確保できる。
とはいえ、自前で対応を簡潔せざるを得ない状況も想定されるため、初動の薬物選択について引用しておく。
◇65歳未満の発症
☞ドパミンアゴニストもしくはMAO-B阻害薬で開始する。
◇65歳以上の発症、症状が重い、認知症合併高リスクなど
☞L-ドパで開始
□重症度分類□
Ⅲ度以上が特定疾患の要件となるため、よく評価されるHoehn-Yahr重症度分類も噛み砕いて記載する。
StageⅠ:片側のみの症状
StageⅡ:両側に症状が出る
StageⅢ:姿勢反射障害が出る
StageⅣ:なんとか歩行可能な状態
StageⅤ:車いす、寝たきりの生活
<パーキンソン病を疑った場合の初動>
◇神経内科に紹介する場合
☞症状から疑って紹介へ
◇神経内科に紹介しない場合
☞症状から疑って、画像評価を踏まえて他疾患を除外し、薬剤導入して反応性を確認する。
<Column>
パーキンソン病は神経がらみの疾患であるため、便秘や排尿障害が伴うことがあります。冒頭の患者さんも、便秘が増えたと教えてくださいました。教科書的には有名ながら、そんなに関連がなさそうな症状。でも、実際に患者さんを診る中で、実際そうなるんや、とか、体って繋がってんだな、と思います。
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