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Day.1 喘息患者の診療メモ【総合診療トピックゼミ】


<Story>

夜間外来中に起座呼吸を主訴とする患者さまが搬送されました。
初期診療では、SABA(短時間作用型β作動薬)の吸入で改善しましたが、コントロールを安定させるため、入院の方針に。さてどうする?

<初期対応>

まず使うのは……
1)サルブタモール:短時間作用型β刺激薬(ベネトリン)0.3~0.5mL+生理食塩水で計10mLとして吸入。
2)ベタメタゾン(リンデロン)8mg+生理食塩水100mLを点滴。
*メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール)を使用してもよいが、アスピリン喘息があると使用できないため、ベタメタゾン(リンデロン)が使いやすいように思われる。
……どうにもならんほど重症なら
3)アドレナリン0.3mg筋肉注射
その他、セボフルラン、挿管-人工呼吸管理……。

<入院中~退院前にしておきたいこと>

〇処方を調整する
1)いずれかのICS/LABAの合剤を処方する。
~使用することが多い中用量で記載~
・シムビコート☞1回2吸入、1日2回(中用量)
*高容量の場合には、1回4吸入を1日2回
・フルティフォーム☞1回2吸入、1日2回(中用量)
*高容量の場合には、1回4吸入を1日2回
・レルベア☞1回1吸入、1日1回(中用量・高容量)

2)対応可能な増悪因子がないか確認して対応する。
増悪因子をリストすると
・感染症
☞インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを検討
・アレルゲンへの暴露
・タバコなどの刺激物

<Column>

〇喘息では、みんながみんな、呼気時にヒューヒュー言っているわけではありません。むしろ重症化すると、気管支が狭くなりすぎて空気が通らず、音すら聞こえなくなります(Silent chest)。診察してヒューヒュー言ってないけど喘息を支持する症候が多いので、ベネトリン吸入をすると、ヒューヒュー聞こえ出したりします。診断が合っていて安心しますが、重症ってことなので不安になります。

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