神さま、私のこと好きなんじゃないかな 上編
二年前、25年の半生を描いたエッセイを文学フリマで販売しました。これまで三刷目を通販や書店で委託販売していましたが、より多くの人に読んでもらいたいと思い、この度noteで公開することにしました。この記事との出会いが貴方にとって素敵なものになりますように。
神さまは私のことが好きなんじゃないかと思う。
私の人生に都度都度ちょっかいをかけてきて、そのちょっかいの全てが今の私を形成している。
ピクミン中毒で鬱病の母とアレルギーの食べ物を食わせる気分屋の父の間に産まれ、育児放棄されている弟を尻目に異常な程大きく成長したかと思えば、脳の病気で入院したのをきっかけに看護師になった。恋をすれば母乳が出るようになり、社会に出れば中卒の無職に生きる力を学び、婚約をすればトラウマが起因して破棄し、今は聖人と名高い郵便屋さんと結ばれた。
それらの過去は時に生きづらさとなり、藁でできたキャミソールの様にちくちくと心の肌を刺しては痛痒さを残した。
世の中にはもっと優しい着心地の人生をさらりと着こなしている人がいるのに、どうして私は素材を間違えた人生ばかり着させられなければならないのだろう。
そんな風に思いながら不器用に生き続けていたら、いつの間にか自分のスタイルが誇れるようになっていた。菜々緒が着るシルクのドレスには敵わないけど、私の紙のパンティーも見てほしい。
そんな変態による人生のファッションショーにどうか少しの間だけお付き合いいただきたい。
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