kitchenと詠む、「俳句初心講座」

*こちらの記事は、KBD合同アドベントカレンダーイベントの一環として書かれた記事になっております。
これ以外にも面白い記事が数多くございますので、是非ご一読の程よろしくお願いします。


あら、開いて頂けましたか。
皆様、ようこそ俳句の世界へ。歓迎致します。

私、KBM12期のkitchen改め、今回この記事の中ではペンネームである「哲大」(読:てった)を名乗らせて頂きます。どうぞよろしく。

今回このアドベントカレンダーに「何でもありのフリー部門」があると聞きました。
自分にしか出来ない、自分らしいフリー部門とは何か、
何の迷いもなく『俳句』でした。

私は中高6年間競技かるた部に在籍していたのですが、顧問と周りの友人の影響で高校3年間、俳句を齧っておりました。

その時の経験から、今でも自分が楽しい範疇で「旅行先・四季を感じた時」に軽く俳句を詠む事をしております。

今回は皆さまに「俳句とは何か、俳句の詠み方、俳句の楽しみ方」に重きを置いて、現代人的にユルく、軽く、カジュアルに楽しめる俳句を紹介していきたいと思います。

(急ぎの方は、太文字だけ拾い読みしてもある程度意味は通じると思います、ご活用下さい)


1.俳句とは

俳句とは5・7・5の計17音から成る短い詩の一つです。その短さは世界一と言われており、リズムの良さから古くより親しまれています。
…wikiみたいな説明はこんなもんで良いですかね。

俳句は『季節を楽しむもの』

17音の中に必ず『季語』と呼ばれるその季節を感じられる言葉を唯一つ入れる事で、その季語の持つ、季節の雰囲気を味わうことが出来るのが一番の魅力です。

しかし一方で、俳句が難しそうと言う皆さんは揃って「季語がわからない」と言います。俳句を始めて間もない間は逆で考えると良いでしょう。

つまり「季語から季節を詠む」のではなく、「季節を詠む為に季語を探す」という順序です。

イメージしてみて下さい、あなたがシャワーを浴びて出てきた時、

「冬の朝、シャワーだけ浴びて出てきた時の洗面所」

「夏の昼、シャワーで汗を流して出てきた後のクーラーのかかったリビング」

では肌にイメージする感覚は全く別物です。行動だけ見れば同じ「シャワー上がり」でも、2つの情景を思い浮かべると、前者だけ身震いしてしまいませんか?
後者は何なら気持ち良いだけです。
この2つの情景を読み分ける。そしてそれぞれの季節を味わう。その為に俳句の季語があると思って下さい。

この場合、正直季語は自分のピンと来るものでいいです。何なら「冬の朝」でも季語の役割は十二分に果たしていると思います。

「あなたが感じたこの肌寒さを表現する事」

が最優先の目標なのです。良い季語とは、つまりそれをより的確に、味わい深く表現する為の物に過ぎません。
より雰囲気の合う季語/表現を探す事で自分なりに深みを出す事が出来るのは事実ですが、それは少し先の、背伸びをした話です。

まず詠む、そして推敲する

これもよくある事なのですが、いきなり詠みたい情景を、一発で17音に当てはめる必要はありません。

むしろ詠みたい要素/入れたい情報を列挙していき、その中から必要なものを集めて最後に17音にまとめるイメージが一番取っ付きやすいでしょう。

例を実演してみます。
先ほどのシャワーの例を考えます。冬の朝シャワー上がり、考える事といえば以下のように挙げられるでしょう。

「冬の朝シャワー」「入る前より寒く感じる」「洗面所の冷気キツい」「体をちゃんと拭かないと余計寒い」「でも服着たらじんわりと暖かいな」

この中から使う要素を選んで、これらの情景に合う季語を探してみます。
今回は探した結果、朝寒(あさざむ)という晩秋の季語を使ってみようと思います。

・「朝シャワーって入れづらいな、朝風呂でも良いかも」
・「この時期の冷気って刺すような表現かも」
・「服が朝寒から身を守る的な詠み方も良いな」
・「洗面所、ってちょっと漢字多めで無機質に見えて、冷たく感じられそうだな」

と、連想ゲームのように使えそうな表現の幅を広げていきます。

そして、

「朝寒、風呂上がり、刺さるような寒さの洗面所」

のように、使う要素を確定させたら17音にまとまるよう言葉を並べ替えて考えます。

最終的に

「風呂上がり朝寒襲う洗面所」
「風呂上がり朝寒刺さる洗面所」
「風呂上がり朝寒増して洗面所」

のように朝寒の後の言葉をいろいろ考えていますが17音の形にまとめられました。後は好きなものを選ぶのみです。
今回の完成形は

「風呂上がり朝寒刺さる洗面所」

としました。(ちなみに風呂もまた季語なのですが、そこの議論はまた別の場で…)
このようにして1句を作り上げていくイメージです。

ここまで見てもらえば分かるように、初めは季語に囚われず、

自分の感じた季節感を短い要素で書き出し、
それに合いそうな季語を後から探す。

という詠み方でも問題無いと思います。

大事な事はまず要素を書き出して詠んでみる。違和感や文字の過不足は後から修正すれば良いのです。


初心者の守るべきルールを覚えよう

ここまで俳句の作り方を簡単にお話ししてきましたが、とはいえ俳句は定型詩の一つ、守るべきルールも存在します。ここでは「有季定型」とも呼ばれる、2つの初めたての人が守るべきルールを紹介します。

5・7・5を守る

季語を1つだけ使う

5・7・5を守る

皆さん、俳句といえば「字余り/字足らず/破調/自由律」なんて技術があるのは何となく知っていると思います。

要は俳句の肝である5・7・5のリズムを崩す事で、違った間や余韻を残し、新鮮なイメージを読み手に残す事が出来る技術の一つです。

ただし、これかなりの上級テクである事を覚えておいて下さい。俳句の良さである「リズム感/テンポ感」を敢えて削っているので、その時点で俳句として「マイナスからのスタート」となります。

これらの技術は詠み手にかなり強いポジティブな意図がある場合でないと、ほとんど失敗に終わります。
「どうしても字数が減らせない」程度の根拠で字余りはしないようにしましょう。(1敗)

余談ですが、「字余り/字足らず」をどこで使うかによってマイナス度合いが違います。
軽症で済むのは上六と言われる「6・7・5」のケースです
(それでもかなりのマイナスですが)

ちなみに、最も重症は中八(5・8・5)です。禁忌レベルのマイナスを被ると覚えておいて下さい。

とにかく、5・7・5で詠んでねって事です。


季語を1つだけ使う

俳句は1つの季語を用いる事で、その季語の持つ季節感を味わうのが醍醐味。
つまり冬っぽいものを2つ並べたら、季語1つの持つ季節感が薄れてしまいます。
もし別の季節の季語が入ってしまった日には、それは季語界におけるコンタミと言えるでしょう。

この記事で読むはずない「コンタミ」という言葉にゾクッと来た理系の皆さん、実生活でコンタミしたくなかったら季語は1つだけ使って下さい。


という訳で、まず守るべき2つのルールについての紹介でした。
逆に言えば、始めたての人はこの2つが守れていればそこまで変な俳句になる事はありません。安心して詠んで下さい。


俳句の2つの詠み方を知ろう

俳句の作り方は、大きく2つに分けられます。それが一物(一物仕立/いちぶつ)二物(二物衝撃/にぶつ)になります。

簡単に言えば、

「季語を1つだけとことん詠み切ったら一物」

「季語と別の物を対比させて詠んだら二物」

と覚えて貰えれば十分です。
さっきの朝寒の句は、風呂を入れているので二物ですね。
それぞれ簡単に紹介していきます。

・季語を研究しまくって作る一物

ここでは、俳句としての作り方に焦点を当て、実際の句にまでする事は割愛します。
例えば「桜」に焦点を当てます

「桜、きれい」「桜、ピンク」「桜、でも意外と白っぽいな」「桜、散ったら色が濃く見える」「桜、太陽で透けるとより白く見える」

先程同様、連想ゲームのように桜を見た感想を並べていきます。ここで重要な事は「今まで気にした事がなかった事象に特に意識を置く」事だと思います。

桜=ピンクのイメージが強いですが、実際見てみると染井吉野などはかなり白っぽいです。そういった実際に発見出来た物事について、その発見を句にしようとする事が一物の作り方です。
そして、

「太陽でより白い桜、落ちると濃く見える」

のように使う要素を選んで、後は句にまとめます。(句作は一旦割愛させてもらいます)


・コントラストが鍵の二物

一物に対して二物は詠むべき季語と遠過ぎず近過ぎない別の物を引っ張ってくる必要があり、この取り合わせの目新しさ、対比の面白さを楽しむ詠み方となっています。

二物の詠み方は至ってシンプルです。
連想ゲームで広げるやり方ではなく、「ただその場にある2つをピックアップするだけ」です。どちらかと言えば水平思考寄りですね。

先程の「桜」をテーマにするなら

「桜とブランコ」「桜と滑り台」「桜と子供」「桜と緑茶」「桜と五平餅」etc…

このように、何でも良いので取り合わせを見つけて、自分が面白いと思った取り合わせについて詠んでみる方法が二物の最も簡単な詠み方と思われます。

二物は一物と違いメリットデメリットがかなりはっきりしています。
メリットは

・誰でも簡単に新鮮な句を作れる
・一句作る為の労力が少ない(コスパが良い)
・句作に詰まらない

デメリットは

・季語の季節感を奪う恐れがある
・気付かずに季語を2つ使う恐れがある

と言った所でしょうか。
(ちなみに、先程の例で言うと実はブランコは春の季語なので、季語を2つ使ってしまいアウトです。気付いたかな?)

デメリットにさえ気をつければ、比較的一物より詠みやすいイメージがあります。(1日吟行して作った句が全て二物、なんて日も…)


以上、一物と二物という俳句の種類の紹介でした。俳句を作る一つのコツになるかと思われます。

切れ字を使おう

切れ字とは、句切れ(5・7・5のそれぞれの最後の部分)に使う事で様々な効果をもたらす技法です。例えば

・次の句へのリズム感を強調し、対比をはっきりさせる
・切れ字を上五に使い、強制的に映像を切り替える
・詠嘆する事でその物の持つ深みを強調する

なんて効果を持っていたりします。

現代で使われる切れ字は
(上の句で使う)」
かな(末尾で使う)」
けり(末尾で使う)」
の3つが挙げられます。

他にも、僕は「や」程の強い詠嘆をしたく無い時や末尾に1文字で詠嘆したい時に「」を切れ字として使いますが、あまり知ったような口を利くのも危ないので、一旦この3つを使うことをおすすめします。

松尾芭蕉の有名な句で

「古池や蛙飛び込む水の音」


とありますが、これが名句と言われる理由は「蛙」という季語に対して「古池や」と詠む事で、読み手に「寂れた古池の映像」を中七に入る前に目一杯イメージさせてから、飛び込むカエルに視線を向けさせ、最後にその水音をイメージさせるという「視点/映像の切り替え」が鮮やかである所がよく挙げられています。

やや難しく話のように感じますが、初心者が使いやすいケースは「二物の上五に『物+や』」「二物の下五に『物+かな』」のパターンです。

季語とのコントラストを意識する二物において手軽に試せるパターンですので、試しに使ってみて下さい。


さて、以上で俳句における基本の詠み方と覚えておきたいルール、一物/二物/切れ字について紹介していきました。
次はいよいよ実践方法です。


2.俳句をカジュアルに楽しむ

現代人に合った詠み方

皆さん、俳句を詠むと言ったらどんな光景を思い浮かべますか?

「筆」「短冊」「扇子」「畳」「歳時記」「抹茶」「よう分からん頭巾」

みたいなイメージ、ありませんか?

このような俳句の詠み方も無くは無いのでしょうが、我々現代人には似つかわしくありません。現代人なら俳句を詠む際に使うものは最小限2つあれば十分です。

そう、「メモアプリ」「Google」です。

少し知っている人なら、俳句を詠む際には『歳時記』という季語がたくさん載った本が必要なのではないか?と思うかもしれませんが、初めから歳時記を買う、というのも中々ハードルが高いものです。

正直、自分の言いたい風景や物を季語で何と言えるのか探すだけなら、Googleに入れる方がよっぽど早いです。

メモアプリに関しても、本来俳句を詠む際はノートに書く事の方が多いのですが、
「ノートが無くて俳句が詠めない」では本末転倒です。先程のように詠みたい景色を短文で表現するならメモアプリで十分でしょう。

つまり、現代人が俳句を詠む為には、スマホさえ持っていれば良いのです。
便利な世の中ですね。

・スマホでの季語の調べ方

先程の「朝寒」を調べた方法です。

3秒クッキング

以上です。

…こんなので良いのかって?十分です。
「詠みたい情景 季語」で検索をかければ、使えそうな季語がゴロゴロ転がっています。

先程も述べたように、あなたが詠みたい情景を詠む事が最優先です。
季語を見つけた経緯は17音に透けませんので。

まず、外に出かけよう

俳句及び句会のフォーマットは実は様々です。
この中で恐らく最もやりやすいフォーマットが「当季雑詠(とうきざつえい)」と呼ばれる形式です。

これはつまり、
今の季節に関する季語なら何でも良いよ〜
という意味です。裏を返すと「今の季節に関わり無いものは詠まないでね」という意味でもあります。

当季雑詠はその季節ならではの体験を詠むことが出来るので句作のヒントが生まれやすい、初心者におすすめのフォーマットです。
では、当季雑詠する為にはどうすれば良いか?

お外に行きましょう。

…「表出ろやボケェ!」って意味でなく、
文字通り外に出てお散歩する事が当季雑詠の最も良い取り組み方です。

外に出ることで普段注意して見ないような物が句作のヒントになります。
思いがけない所に二物のヒントが転がっていたりするのです。
(以前ゴミ箱からはみ出た、「空き缶のプルタブ」で詠んだ事もありました)

日常を注意深く観察する事って思った以上に面白いのです。
まず外に出る。これが俳句を作るコツです。

普段に比べてアクションを起こす

さて、これを読んでいる頃、皆さんは先程の内容から既に外に出かけているでしょう。
冗談です。

先述の二物句のコツです。
外に出かけたらアクションを起こして下さい。

なんでも良いのです。例えば

「海→足だけ浸かる

「ブランコ→乗ってみる、靴飛ばしてみる

「しんどそうな坂→全力で駆け上がる

「缶のおしるこ→2本目を買ってみる

普段取らないような行動でも良いのです。
初めて体験するからこそ気付く事もあります。
その気付きは俳句において、とても貴重と覚えておいて下さい。

メモをきちんと取ろう

特に先程のようにアクションを起こした時の気付きに有効です。
いきなり俳句にするのではなく、先述の通り短文で要素を書き出しておくのです。
俳句にする作業は後から出来ます。
その瞬間の新鮮な気付きを後から思い出せるよう、なるべく的確にメモを取ってみましょう。

結局使われない要素であったとしても全て残しておきましょう。物事への気付きは、経験値として自分の中に残ります。

以上、俳句の取り組み方の紹介でした。
次は一般的に意識されている手法について、自分の体感も合わせてお話ししていきます。

(注:いきなり考えるのは難しい内容が続きます。句作中意識出来なくても問題ないので、「へーそうなんだー」くらいで読んでください)


3.自分の俳句を詠む為に

その言葉、必要ですか?

「雨が降る」「メダカが泳ぐ」「寒さ感じる」


逆に「降らない雨/泳がないメダカ/感じない寒さ」を見せてみやがれというお話です。

俳句はどう頑張っても17音、これらの動詞はたった2、3音ですが、削った事で新たな情報を入れる事も出来ます。

例えば
「雨強く」と言えば「雨が強くなっている」様を表せます。
「迷うメダカ」なら「迷っているようにフラフラと方向を変え泳ぐメダカ」をイメージさせた上、上記より1音減らせます。

先程の朝寒の句でも、寒さが「刺さる」と表現しました。
動詞/形容詞が句の中に必要かどうかは

「(動詞/形容詞)でない○○」の存在を考える事

がポイントです。これが存在しない/想像しづらいなら、それはいらない動詞/形容詞であるということになります。

17音でオチをつけろ

下五に起承転結の結を持ってくる事で収まりを良くする手法があります。
(あくまで手法の一つです)

例えば以下のような句がありました。

「秋田犬跡なき雪に飛び込んで」

イメージしてみて下さい。友達との会話で

「犬がさ、跡一つ無い雪の中に飛び込んだんだよね〜」

と言ったらどうなるでしょう。多分、

「…それで?」

と言われます。

この話の順序では会話のオチが無いのです。
この会話にある程度のオトし所を作るなら、

「この前の旅行先、跡一つ無い雪景色が綺麗だったんだよね!興奮して雪に飛び込んだ奴が居たくらい!」

「それは凄い、命知らずな人だな。」

「ポチって言うんだけどね、」

「人ちゃうんかい」

とでも話せば、会話のオチは着きそうです。

俳句も同じように、下五でオチをつけるように詠むと良いでしょう。
中七までで惹きつけられて、下五でストンと落とされると読み手の印象にも残りやすく、映像もイメージされやすいです。
先程の句で言うと、

「飛び込んで雪にひと穴秋田犬」

「秋田犬」と「飛び込み」の位置を入れ替えてみました。
中七まで読むと「飛び込んでぽっかりと雪にひと穴出来ている」景色が、
下五まで読むと「そこから顔を見せる秋田犬」がようやく見えて来るのではないでしょうか。

このように、その句のオチとなりそうなワードを最後に持ってくる事で、読み手を惹きつけられる、面白い俳句になる事があります。
試してみて下さい。

子季語でオリジナルの味付けを

季語には、実は「親と子」と呼ばれる関係性があります。ある季語の派生形がある場合、

派生「子季語(こきご)」
派生「親季語(おやきご)」

とそれぞれ呼びます。
(親季語は単に季語とも呼ばれます)

では、先程詠んだ句を今一度見てみましょう。

「飛び込んで雪にひと穴秋田犬」

注目すべきは「雪」という季語、イメージしやすいですが、実は雪の子季語を調べてみると

六花、雪の花、雪の声、深雪、雪明り、粉雪、細雪、小米雪、餅雪、衾雪、今朝の雪、根雪、積雪、べと雪、雪紐、筒雪、冠雪、雪庇、水雪、雪華、雪片、しまり雪、ざらめ雪、湿雪、雪月夜、雪景色、暮雪、雪国、銀化、雪空、白雪、明の雪、新雪

『きごさい歳時記』(URL:kigosai.sub.jp)より

どんだけあんねん。

それだけ多くの人が詠んできた季語という事です。目新しさもへったくれもありません。

そこでこの句の季語である雪を、イメージの合う自分好みの子季語に置き換えてみましょう。

今回選ばれた子季語は「餅雪」です。

いつもの

これを用いてこのように詠み直してみました。

「餅雪に飛んでひと穴秋田犬」

雪という季語に比べ、餅雪のふわふわ感が加わった事で「秋田犬のふわふわとした毛並み」と取り合わせが良くなったように思われます。

書き方で雰囲気を変えよう


おーさむぷれー

オーサムプレー

𝑨𝑾𝑬𝑺𝑶𝑴𝑬 𝑷𝑳𝑨𝒀


文章や文字は表記を変えると雰囲気が変わりますよね。
俳句も同じで、敢えてひらがな表記やカタカナ表記を取り入れると出したい雰囲気を強調する事が出来ます。

さらに先程の句を用います。

「餅雪に飛んでひと穴秋田犬」

ふわふわ感を出したい、という目標があったのですがどうでしょう。

「穴秋田犬」の部分です。漢字が並び過ぎて、ちょっと固く見えますよね。

そこで「秋田犬」を「あきたいぬ」と表記してみましょう

「餅雪に飛んでひと穴あきたいぬ」

「あ」「い」「ぬ」が俳句に加わった事で俳句に丸みが出て来ました。
何というか、「わんっ!」って感じがしませんか?

このように表記に拘ると、より自分の出したい色が見せられる可能性があります。特に「漢字が多いと固い」「ひらがなが多いと柔らかい」イメージは是非活用してみて下さい。

(では「もち雪」はどうでしょう。
是非考えてみて下さい。ここは人によって分かれそうですが、私は敢えて「餅雪」とします)


さて、まだ読めてる人は居るのでしょうか。
説明パートを終えて8000字を突破しました。
アドカレ係に「多くて5000文字」と言ったのはどこの誰でしょうか。

ここまで説明した事の中で1つ2つ使えたら、もう俳人の仲間入りです。

忘れてしまっても仕方ありません。その時は上から太文字の見出しだけ拾い読みしてみて下さい。

次はいよいよ、実際に俳句を詠んだことのない初心者5人と私で吟行句会(散歩しながら俳句を詠む会)をした記録を残していきます。

どうなるのでしょうか、ここの執筆時点で翌日なので、かなり楽しみです。
それでは、続きをどうぞ。

オタク6人、初冬の吟行句会へ

日は11月も下旬、この日私哲大はKBD内から選りすぐりの「こいつに俳句を詠ませてみたい」という人を募っていた。

場所は横浜みなとみらい、ここから海の見える臨港パーク、遊園地、赤レンガ倉庫を通り横浜中華街まで歩きながら俳句のヒントを貰っていく予定だ。

みなとみらい駅のエスカレーターを登ると、
やきとり1りんがいた。

やきとり1
頭脳明晰、要領の良さを持ち合わせながらノリが良い。同期の中である意味1番真面目な顔して狂ってる男
今回の吟行句会の誘いを「吟行句会が何か」一切聞かずに受け入れる辺り、本当に肝が据わっている。
俳句をやると言われて、かなり真面目に良い作品を作りそうな気がしたのでご招待。

絶対もっと色々聞くべきだって

りん
文学部という今回の企画において大き過ぎるアドバンテージを持つ。いつも話をよく聞いてくれるし、協力して欲しい時にいつも助けてくれる頼れる男だ。
今回は文学部という点と、KBD指チームの面々を見た時、最も「俳句と聞いて大喜利を始めなさそう」だったのでご招待

そう、多分これが正解の反応

哲大「いや、ごめんなさいね少し遅れて」

2人「いえいえ、本日はお招き頂きありがとうございます」

哲大「残り3人はもう少し遅くなるようかな、」

やきとり1「いや、そろそろ…あ!」

エスカレーターから、やきとり2が昇ってきた

やきとり2
基本的に一生ボケ続ける2つ下の後輩、出身高校が一緒で当時から音ゲーの話を少しした事がある。普段から予想外の行動を多く取ってくれるので、今回の化学反応要員でもある。ちょけ続けている癖に意外と繊細な所があり、今回はその繊細さが光るのではないかと考えご招待。

やきとりって名前の奴みんなこうなんだ

という訳で更に遅れそうな2人を置いて4人で駅ナカのパン屋さんへ、先述の「普段しない行動」を取っている、

やきとり1「いや〜ワクワクしちゃうよねこれだけパンがあると、うわ!このロイヤルミルクとか幸せそう〜」

哲大「良いね、おれは最初からメロンパンと決めていたけどね」

そんな会話をしながら4人でパンを買うと、少し遅れて来たMerちゃんが登場した。

Mer
一言で言うなら、「よく物事に気付く男」だと思う。頭で物事をきちんと考えて話している印象があり、句会に居たら理にかなっていない部分にすぐ気付きそう、後ものすごくフッ軽で、今回もイミグラ日吉で3日前くらいにご招待。
当時の会話は

哲大「24日暇?吟行句会やるんだけど来てくれない?」

Mer「えっ…?吟行句会って何ですか?」

哲大「要はみなとみらい辺りを散歩してみんなで俳句詠む会だね、来てくれない?」

Mer「え…じゃあ行きます」

一旦聞いてくれるの、とても彼らしい

やきとり2「もうみんなさっきパン買って来たから、お前の分のパンは、ない!」

Mer「え〜食べたかった〜」

そんなこんなで5人は臨港パークへ歩く

哲大「今日は一つ、『今日にしか使えない季語』があってね、『小春』って言って、寒くなって来たのに急に暖かくなる日の事を『小春/小春日和』って言うんだよね。是非使ってみて頂ければ」

りん「いやーでも季語が分からないんだよね…」

哲大「大丈夫!今自分の感じた事に対して上手いこと季語を後から探せば良いのよ!」

やき1「じゃあ例えばジャスミン茶とかでも良いのか」

哲大「良いと思う!ただ問題は、ジャスミン茶が他の季節の季語じゃないかどうかだね!」

調べると…

哲大「あ…夏の季語だ笑」

やき1「そんなぁ〜」

哲大「あ!でも『この句は冬の句ですよ〜』ってちゃんと表現出来ていれば、そこまで問題じゃないと思うよ!」

やき1「ちなみにパンは…?」

哲大「パン…?日常的なものだからあまり気にしていなかったけど、季語ならヤバいな…あ、やっぱり季語じゃない!」

やき1「じゃあパンなら詠んで良いんだね」

哲大「そうなるね!」

良い気付き

俳句だと、どうしても詠みたい二物が季重なりだったりして上手く使えない時もある、そんな時には言い換えるか、季節感を強調するのが有効であると考えています。
まあ今回は「俳句で遊ぼう」の要素が強いので多少の季重なりは気にしないのですが。

さて臨港パークに着いた所で最後の1人、
ゆつべにが登場した。

ゆつべに
大学経験値2.5倍男。先輩(後輩)から学校に行けと諭される事もしばしば。但し後輩からの人気が何故かある。本当に頼むから全員が気にかけている間に進級して欲しい。
真面目な話をすると、物事を哲学的に考えさせると面白い人間だと思う。今回は根っからの理系人間であるこの男の俳句がシンプルに気になったのでご招待。

彼はDicord上でご招待

哲大「ゆつべにさ〜三田祭期間中空いてる?」

ゆつべに「え?まあ空いてるけど…」

哲大「吟行句会やるから来てくれない?」

ゆつべに「へっ???はっ???あ???」

哲大「アドカレ用に俳句を詠んで欲しいのよ」

ゆつべに「いや、吟行は脳内変換出来んって」

おっしゃる通りです。

そんな訳で全員集結、6人で臨港パークで日向ぼっこする事に。

哲大「いや〜気持ち良いね、こうしてると正しく小春って感じがするね〜」

やき1「うわ!さっきのロイヤルミルク、ミルクの層が練り込んであるタイプだ!嬉しい〜」

Mer「やき2大丈夫ですか?もう寝っ転がってるけど…笑」

哲大「ああ大丈夫!おれも吟行中によくやるし!思いがけないヒントが出てくるものよ!」

りん「やき2?なんでブリッジしてるの?」

そこには、ブリッジしているやき2が居た。
唐突過ぎる景の変化に、思わず

哲大「やき2?なんで??」

やき2「いや、向こうにレインボーブリッジが見えたから」

要は自身のブリッジレインボーブリッジの二物で詠もうとしたらしい。彼に季語の概念をもう一度教えるべきだったかもしれない。

そして後から分かった事だが、あの時見えていたのはレインボーブリッジですらなかった。
誰だこいつ呼んだの。

その後は
思い切り上着を枯れた芝生の上で引き摺り、芝生まみれにする者
トイレ待ちの間にペットボトルフリップでKACを始める者
風力発電のプロペラをみて「spiral wind」で二物を詠もうとする者

と様々な光景が見られた。

なお、全てやきとり2である。
愉快な男だ。

カッコ良さげなやきとり1

一行は歩いて横浜コスモワールド(小さめの遊園地)へ、最初は観覧車に乗ろうかと言っていた一行だったが、フラッと入ったゲームコーナーで

哲大「えっ、ドラムV筐体じゃん!!」

ゆつべに「えマジか!シンクロニカがある!」

やきとり1「ポップンミュージックサニーパーク…?」

我々は俳人である前に、いち音ゲーマーである。旧バージョンでしか得られない養分がある事をよく知っている。気付けば1時間弱、この空間でゲームし続けていた。

ハイスピが遅過ぎて悲鳴を上げるやき2

いつもしない事、で思いついた事にやき1を誘った。「大きいパックと小さいパックが無数にジャラジャラ出てくるエアホッケー」である。
「音ゲーマーでゲーセンにこれだけ遊びに来る人間、マジで0人説」を提唱できる程普段の我々と縁がないゲームでもある。
今回はmaimai finaleの目の前にあったのでノリでプレーする事に。

超接戦

小さいパック1つ30点、大きいパック1つ100点のゲームで40点差はなかなかアツい試合であった。
全員一通り遊び終えて、なんだかもう「観覧車、いいか」って雰囲気になってしまった。下のベンチで少し休んで次に行く事に。

このタイプのベンチに1人って事ないのよ

目の前に、子どもが遊ぶ用の100円くらいの遊具コーナーがあった

やき2「うわ〜こういうのってかわいい〜って感じ」

哲大「やるの?」

やき2「いや、流石に強度が心配というか…」

哲大「一旦座ってみようよ」

やき2「壊れないかな…あ、意外と丈夫」

哲大「りん、100円持ってない?おれ1枚」

りん「1枚ある、入れろ入れろ」

やき2「動かそうとしてない?」


やき2「うわあ動いた」

試しに哲大も木馬に乗ってみた。

りん「なんか…収まりが良いね」

当時足を怪我しているので足を守りながら乗ったらすっぽりハマった

哲大「あ、良いね、200円にピッタリのチャチい音楽と回転って感じ」

やき1「(無言で回転に合わせて真顔でついてくる)」

哲大「ちょっと待って!なんか怖い!逃げられないからゾワっと来るそれw」


Mer「…長くないですか?」

ゆつべに「長いなw」

哲大「もう400円分は回ったな、ゆっくりと」

程なくして回転が止まる

機械「バイバイ、マタネ」

哲大「この無機質なバイバイ、古さを物語るな」

このベンチに3人はもっとあり得ないのよ。

一行は少し歩いて赤レンガ倉庫前へ

哲大「あ!今あっちにクリスマスマーケットが見えたね!当季雑詠的には今観測出来ているから少し先の言葉だけどクリスマスマーケットとかも使えるよ!

りん「でもクリスマスマーケットってどうやって使うの?中十?」

哲大「確かに、禁忌とかいうレベル超えてるな…」


Mer「なんか…燃えてる匂いしません?」

やき2「線香っぽい?」

哲大「あ〜確かに神社っぽいな」

程なくして、煙の立つ場所が見える

やき2「あれ何ですかね…?焼き畑?」

哲大「畑な訳ないけど…どんと焼きとか?」

ゆつべに「もしかして、火事?」

哲大「いやまさか、火事ならもっと大騒ぎでしょ〜」

ゆつべに「まあそれもそうか、何だろあれ…?」


3分後、目の前から消防車が。


Mer「え?!待って下さい消防車来てません?」

哲大「本当だ!って事はあの煙って…w」

やき1「あ!Webニュースになってる!」

りん「ヤバすぎるだろ、うちら呑気に焼き畑とか言ってたぞw」

吟行では目の前で火事も起こります。

哲大「あ!すごい!調べたら火事って冬の季語だ!みんな火事で詠めるよ!」

やき1「この状況で俳句のネタにしに行くの、まあまあ狂ってるだろww」

哲大「今回の句会のテーマ、『小春』と『火事』で決まりだね!」

ゆつべに「狂ってるって…w」

俳句バカ

やき1「うわ、蝶かと思ったら枯葉だった。
これって何とか詠めないかなぁ」

哲大「面白い気付きだね、ただ枯葉は季語だろうけど蝶も季語だから、上手いこと枯葉を主役にする必要がありそうだね、特にアゲハ蝶とかは夏の季語だし…」

やき1「なるほどね…蝶と言わずに蝶を表すか…」

これを考えるのが面白い

中華街へ行く道中、大きい手の彫刻を見つける

哲大「大きい手だね…」

やき2「後ろの方に穴がいっぱい空いてる!」

哲大ゆつべには先に青信号を渡る、残り4人は大きい手の穴に夢中。

哲大「…何やってんのあれ?」

ゆつべに「さあ、手に夢中だね」

手オタクども

哲大「そんなにあの穴気になったの?」

Mer「いや、何か穴の中に見えたんですよ〜」

やき2「そう!穴の中に写真?みたいなのが入ってて、それぞれの穴に違う写真が入ってたんです!」

おれも見に行っても良かったかもな

中華街到着、

哲大「みんな折角だし食べ歩きとかしようか、食べたいものある?おれは炸鶏排(ザージーパイ)!

りん「それで、探してた店ってどこにありそう?」

哲大「見つからないな…あ、でもこのお店も美味しそう」

店員「イマナラアゲタテ!オイシイヨ〜」

哲大「揚げたてならここでも良いな、すいませーん、炸鶏排一つ、あと青島ビールも1本!」

やき1「じゃあおれも、すいません、フルーツ飴1本」

りん「すいません、炸鶏排もう一つ!」

店員「ミンナナカハイッテ!セキアイテルヨ〜」

気前の良いオバちゃんだった
マジで最初顔くらいのサイズあってすごい良かった

「揚げたてピリ辛の炸鶏排」「クセが少なく飲みやすい青島ビール」に「よう分からん中国人歌手の有線
そうそうこれ、これがやりたかったんだよ。食べ歩きとはまた違った楽しさを発見出来てご満悦の哲大。
その後も、

やき1「うわっ、このフルーツ飴、思った以上に中の果物がジューシー!!凄い!!」

Mer「焼豚メロンパン…?」

哲大「名物らしいよ、2個入りだから割り勘で1個ずつ食べる?」

Mer「じゃあそれで!」

甘じょっぱくて美味しかった。

やき2「おれの炸鶏排、明らかに辛そうな赤い粉だらけで終わった〜!」

パクッ

やき2「…辛くない?」

パクッ

りん「辛くない…」

やき2「それはそれで何の赤色か分からなくて怖いよ〜!!」

もしかして:パプリカパウダー

中華街を満喫、麻婆豆腐に牛肉の煮込み、炒飯、かき氷と食べたい物を粗方食べ切って大満足の一行は、日吉のHUBにとんぼ帰り。
果たして今日一日からどのような俳句が生まれるのか、

いよいよ句会、スタート。

いよいよ句会、開始。

句会のルール説明

ここで一般的な吟行句会の進行を紹介しようと思う。大まかに分けると以下のようになる。

・投句
・清書
・選句
・点盛り
・講評

投句

まず、今回のような吟行句会では句会前に句作時間を設けることがある。今回はHUB到着から1時間の句作時間を取った。

句会では作った俳句を自作の短冊に書いて提出する。(今回はA4のコピー用紙を細長く8等分にして作成した)

清書

さて、集まった短冊を全員に混ぜて分配する。
そして自分の手元に来た俳句を清書用の紙(今回はルーズリーフ)に一句ずつ正しく清書する。
こうする事で、誰の作品か分からなくする目的がある。

誰の作品か分からない方が色眼鏡が入る事なくその句を見られるので、清書中も「誰の字だろう…」とかは全く考えず、無心で清書する。

清書が終わったらそれぞれの紙に通し番号を付ける。今回は4枚に清書したので1〜4と書いておく。「どの紙に書いてあったこの句が良かった!」と覚えておかないと選句時にめちゃくちゃやりにくい。

以下は今回の投句一覧です、是非一度この中から3句程良いなと思った句を選んでみてください。あなたの選んだ俳句が実際の参加者と一致しているのか楽しむのもまた一興。

本日の投句一覧


1枚目

昼火事も野焼けと覚ゆ晴散歩

橋の上小春の強風髪荒(あら)れ

初冬(はつふゆ)に鶏排(ジーパイ)を抱えて笑顔

冬うらら点々として赤白帽

穏やかな波につどいし冬の鳥

枯れ芝や寝そべるシャツはああ悲劇

肌寒よ気持ち同じく虹、我が身

木枯らしに刺されて寄せる人の波

踊り子と見紛うそれは枯れ葉かな

試験過ぎ快晴眺む小春日や


2枚目

小春ゆえ留守を預かる一張羅

在りし機種触れつ叩きつ肌荒るる

雲ひとつなくてワロタ小春空

うそ寒や石碑に当てた手のひらに

船荷積む勤労感謝クレーン車

冬麗(とうれい)や紅茶の冷えが和らいで

吹きつける風快(こころよ)し小春かな

空高く冷たく光る冬の月

木枯らしに千円の夢塵と化す


3枚目

のっぺりと絨毯の見掛けさざなみに

冬温し枯れたる芝を踏みつける

立冬や彫刻の影ひえひえと

中華街友の揚物貰いつつ

小春日が嘲笑うやう重装備

ぽかぽかでワロタハトちゃん水浴びちゃう

秋の暮手狭に覚ゆミニ木馬

雲のようゴンドラ回る小春空

冬草に転がりて照る日輪よ


4枚目

空っ風観覧車を揺らし遊ぶ

やわ豆腐痺れ極まり実山椒

冬うらら大の字の野郎が二匹

潤いし冬苺にも甘衣(あまごろも)

黙々と煮込み頬張る冬隣(ふゆどなり)

牌楼(パイロウ)に似て騒がしい師走かな

枯れ芝もこども心で芽吹かせる

肉包(ローパオ)の湯気奪うやう乾(から)っ風

誰(たれ)そ燃ゆ線香かほる冬隣(ふゆどなり)

観覧車人が枯葉か逆ムスカ

逆ムスカと、よりふじの亡霊が2体程居ます。

選句
ここまで終わったらいよいよ選句開始、清書した紙を回しながら、「良いな」と思った作品を手当たり次第にスマホにメモっていく(この時通し番号も一緒に書く!)
くれぐれも自分の作品を選ばないこと
(最大限の他人への煽りになるので要注意)

1周したら、メモった作品の中から規定句数になるまで絞る。(今回は7句選、哲大のみ主催として9句選の許可を頂きました)

最後に、選句の中なら1句、特選句を選定します。この特選句はつまり、その人がその日一番良いと思った俳句なのでとても価値がありますね。
(こちらも哲大のみ2句選の許可を頂きました)

点盛り
どの句を選んだかの発表の場です。

紙に書いた通し番号の順番に、選んだ俳句を発表して行きます。例えば
「並選です、1番、〜〜〜、〜〜〜、2番、〜〜〜、…最後に特選句です、3番、〜〜〜」

このようにまず特選でない選句を発表し、最後に特選句を発表するのが通例です。

この時、清書した紙を参加者に1枚ずつ振り分け、自分の手元にある紙の中から選句されたら選者のマークをその俳句の上に書きます
(哲大の選句なら選んだ句の上に「哲」の1文字を書く)

全員の選句が終わり、選句を表すマークが全員分揃ったら点数集計、今回は並選1点、特選3点として集計を行いました。

そして規定点数以上の俳句について全員で講評を行います。
今回は2点以上の句が11句と丁度良い量だったので2点以上としました。

実録!はじめての句会音声!

ここから講評と入りますが、これは見てもらった方が早い。
という事で、各講評句ごとの実際の音声データと可能な限りの文字起こしをしてみました。
読むだけで実際の句会の雰囲気が分かるので、気になった俳句だけでも読んでみて下さい。

講評一覧

まずはペンネーム発表

「(りんを向いて)ペンネームは?」

りん「…りんのままで行こうと思ってた…」

「それならりんで大丈夫よ!」

りん「それじゃ…あ!ネロにするか〜」

「それじゃネロで!」

やき2「え?エロ?」

やき1「wwwww」

「やき2、ペンネームは?」

やき2「…黒金!黒金の使徒で!」

「はい分かりました、黒金さんで」

黒金?「嘘嘘!!やだやだ!!」

「いや、識別用にもう君は黒金さんです」

黒金「そんなあ…」

「じゃあ他出してよ」

黒金「山崎…?」

「じゃあ山崎の「山」取っていい?」

弐!弐で!

「に、弐ぃ〜???」

○○(本名)で」

Mer「じゃあで(やき2とMerは本名の下の名前が同じなので」

「壱○○って事?w合わせなくても良いのに…」

「これ、kitchenさんみたいに本名と合わせる必要ってあります?」

「いや、まあkitchen=哲大ってもう常識みたいな所あるので…」

やき1「あ、やきとらずの介で。」

「やきとらずの介ww文字は?」

やき1「じゃあTで!」

「T?wwww」

やき2「え、『』良くない?」

T「確かに!介だな」

「マジで壱で良いですか?」

「良いけど、(弐と壱は)CPU感がエグいな

「(爆笑)」

ゆつべに「めんどくさいので戦ポエムにも出た『(あや)』で」

「彩、あの『さい』って読む字ね」

「『さい』でいいや」

CPUが2名、英霊が1名、Tradzが1名。

2点句 「やわ豆腐痺れ極まり実山椒」

「哲大、彩さんの選句です。彩さん如何でしょう」

「はい、やわ豆腐と痺れ極まりで具体的に何食べてるかが分かるのが麻婆豆腐と言わなくても分かるのが面白いなって思いました」

「なるほど!」

「選句しました。まず大前提として、俳句って季語の選び方なんですよ。その取り合わせって大事で、その意味で言うと今回の句の中で最も『実山椒』という季語の選び方が良かったと思います。というのも実は山椒って季語じゃなくて、気になって調べたらその派生形である『実山椒』『花山椒』等になった瞬間季語になるんですよ。」

一同「え〜〜!?」

「最初見た時季語が分からなくて、調べたらびっくりしました。この句の何が凄いって、それに気付いた事、要は歳時記やGoogle先生の使い方が正直優秀でしたね。あわや特選でした」

「え〜!マジか!」

「食レポとして優秀なんですよ、面白いなって思ったのが、確かに麻婆豆腐食って最初に来るのって、いきなり『辛さ』じゃないんですよ。最初って絶対『豆腐の舌触り』なんですよね。だから上五で「やわ豆腐」が先に来たんだよと表現してるんですよ」

「え…確かに。凄い!!」

「で少し経ってビリビリしてきたな…『痺れ極まり実山椒』としてるんですね、わざわざ7音使ってまで『痺れ極まり』としている分、晩秋の句とは思えない程のパワフルさを晩秋から引き出してくれる、季語をよく詠んだ句でした」

「凄い、新しい視野がどんどん広がるな…」

「他に無ければ以上で!作者は?

シン…

「え!?」「ネロさん…」「ネロ…!」
(この時ネロは既に帰宅済み)

「いやでもそうか、あいつ1人だけ辛い麻婆豆腐食ってた!」

「そうじゃん!」「じゃああいつや!」

「じゃあ作者はネロと…これ優秀だよね!よく実山椒なんて見つけて来たな!って思った」

「歳時記と向き合ってたから?」

「そう!多分それで山椒が季語じゃないって気付いたんじゃないかな」

「しかも実山椒にした事で綺麗に五文字に収まってる…!」

「そう!山椒の実をレンゲで掬った映像がよく見える!そしてやわ豆腐だから豆腐の情報もあって、山椒に豆腐が負けてない!これは凄いね」

こんな感じで、今回は基本ベタ褒め進行で参ります

3点句「踊り子と見紛うそれは枯葉かな」

「哲大、彩、ネロの選句です。それでは彩さん」

「え〜…なんも考えてねえw」

「じゃあお先に、この句は全体的にとんでもないコントラストを持っているなって思いました。普通踊り子って言われたらサンバかのような煌びやかな、七色のイメージがあるのですが、詠者はそこで踊り子「じゃないんだよ」とフェイントをかける訳です。その上でそれは何かと中七までで読者を惹きつけ、結果はなんと『枯葉』なんです。七色は愚か一色しかないんです。

ではなぜ枯葉を踊り子と言ったのか、そこまで考えて初めて『風』の存在に気付くのです。風で動き、色が重なっているように見える。一色の枯葉では踊り子と相性が悪そうなのに、そこに風がある事で枯葉は一色の重なりでもって七色を表現出来るのではないのかと気付ける訳です。

そしてこの『それは』なんですよ。本当ならこんな3音取っ払って別の言葉入れたくなるんですけど、この句に関しては敢えて3音無駄遣いする事でギリギリまで読者を惹きつけてるんです。そして起承転結の転で惹きつけまくった結果、色を減らしに行くんです。

普通コントラストって言ったら「色のない部分から色のある部分へ」なんですけど、「色のある部分から色のなさそうで実はある部分」に切り替えてるのが面白いと感じました。」

「すごい、ここまで言ってくれると嬉しいね」

「嬉しいね〜」

「それでは他に無いようなので以上で。作者は?」

「不肖、私めが…」

「やきとらずの介か〜」

「これ背景情報とか喋った方が良い?」

「全然良いよ!」

「これ『枯葉を蝶と見間違えた』時の句で、蝶って季語だから言い換えようってなって、その時自分が蝶に持ってたイメージのまま言い換えようとしたら『踊り子』だったんだよね」

「ああ〜」

「そう、で取り合わせてみたら全然違う言葉だけど逆に面白いなって思って、だから敢えてそれ以外の言葉を殆ど出さずに作ってみようかなって思ったんだよね」

「ええ〜!」「凄い…!」

「え、でも、『蝶のことやん!』って凄い思った!」

「ただ、何と見間違えたのか、に関してはブラックボックスのまま終わってるんだよね」

「いや〜、嬉しいね!」

「褒められるとね!凄い!」

褒められると嬉しい←それな

3点句「冬草に転がりて照る日輪よ」

「こちら壱さん、ネロさん、やきとらずの介さんの選句です。それでは初めてなので壱さん」

「あそっか…太陽に対して転がるって表現が面白いなって思いました」

「面白さ準拠ね!」

「結構、思い浮かびやすいじゃないですか、情景が」

「なるほど…、これ冬草が転がってるの?それとも転がるように照る太陽を指してるの?」

「多分後者ですね」

「なるほどね…さあ、やきとらずの介さん、どうですか?」

「これを見た時、日輪って太陽の中に見える輪っかの事だと思って、寝っ転がった時にそれがたまたま見える角度があったのかなって思いました。その角度を偶然見つけた!って瞬間があったのかなって、それをリアルタイムで追体験できる感覚がすごく面白いなって思いました。」

「あ!なるほど!冬草に『自分が』寝っ転がったのか!」

「そう!いうふうに自分は読み取りましたね〜」

「なるほどね!この句、景は好きだけど選には入れなかったんだけど、理由が句の切れ方が分からなくて、どうとでも取れちゃうなって考えてたからなんだよね。」

「ただ、取り合わせは面白いなって。日輪に冬草ってジメジメした印象が無くて、そこに転がる、「コロコロ」って乾いた雰囲気のある言葉だから、そう言った意味で相性はいい言葉が揃ってるよなって、彩さんどうですか?」

「…マジで隣の奴が笑ってるのしか気にならなくて…w」

「こいつ…w」

「…おれはもう隣の奴見ないことにしてる」

「凄い笑ってる」

「隣の奴、感情に出過ぎ

「いや、思いつかないな…」

「まあでも読み手の解釈に委ねられるのって、度が過ぎなければ面白い要素ではあるからね」

「ただ、『転がりて照る』だからこの2つの言葉の主語は同じなのかなって、じゃあ太陽なのかなって思ってました」

「とすれば、これ『冬草に寝転んで』とか言っても良さそうだよね」

「確かに、まあ冬草に寝転ぶ奴って人間くらいかなって思いはした」

「確かにそこまで読み取れたのかも…?じゃあ以上で」

「誰の句なんだろうな!」

「誰だろうな!」

「作者は?」

「…はい!

一同「wwww」

「顔面に出るわこれ…w」

「おかげで他の人に当てやすかったけどね」

「でもそうか、おれが寝転んで詠んでるから、そりゃおれだろって思ってたけど自分中心になってはいけないんだ…」

「自分の作った句を、何も知らない気になって読み返すと意味が通じなかったり、二重に捉えられたりする事はあるから客観的に見返す必要があるんだよね、でも良い二物の取り方だったと思う!」

意外と客観視ってむずいよね、分かる。

「次からこうしときますね」

顔隠したつもりらしい、可愛い奴だ。

3点句「木枯らしに千円の夢塵と化す」

誰の句なんだ〜??

「哲大、ネロさん、とらずの介さんが選句しています。では介さん」

「はい、この句を見た時、この句が詠まれた背景まで知ってはいたんですが、それを踏まえてこの句を見た時、千円ガチャって俗っぽいじゃないですか、でも木枯らしと塵って雰囲気が一貫していて、そこに千円ガチャの引いた後の物悲しさがあって、全体で見た時にしっくりくるなと思って選ばせて頂きました」

「そう、さっきの二物って色のコントラストが良いって言ったんですけど、こっちは色が逆に一貫してて良いんですよね。さっき物悲しさって言って木枯らしと塵を入れていたんですけど、僕ここに千円まで入ると思っているんですよね」

「ほう…!」

「だって『夢』ですよ!?あなた将来の夢聞かれた時、その夢千円で買えますか?そう、夢って言葉に対して千円ってワードはかなりチャチいように見えるんですよね。安っぽさというか。でも一方で安っぽさって寂しさ/物悲しさを含んでいると思うんですよ。そことさっきの二つの取り合わせが合ってるなって、千円で遊んでやるかと思ったら無惨な結果になって、余計に物悲しさが引き立ったと思うんですよね」

「吟行句会って何が面白いって」

生まれた瞬間に立ち会える

「そうなんですよ!それで『これアレの事だ』って気付けるんです、それってその雰囲気を消す必要って無いと思ってて、その背景まで込みで見れるのがより面白いよなって。以上かな、作者は?」

は〜い☆

一同「wwww」

「良いけどもうちょい隠せよw」

「流石に全員知ってるけどね」

「他の人かもと思いはしたけど、講評始まった瞬間こいつのニヤニヤが止まんなくて

「千円ガチャを昔引いた時の記憶を追体験したんですよね。それに塵って風で飛びますし

「あ、そこまで木枯らしとリンクさせてたのか」

「デザイナーズコンボですよ(?)」

デザイナーズコンボ…?

3点句「誰そ燃ゆ線香かほる冬隣」

「やきとらずの介さん特選句です、如何だったでしょうか?」

「これ凄い面白いなって思ったのが、この句を詠んだ時って誰がどこで燃えているか分からない、何が燃えているかも分からなくて我々呑気に歩いていたんですよ。それが後になって消防車が通って、『あれは火事だったのではないか』となったのですが、この句は火事に気づく前の記憶のまま詠まれた句なんですよ。その気付く前の状態の記憶に戻って読めたのは、とても面白かったなって思いました。後は読んでいて文字の取り合わせが気持ち良いなって思いました」

「ちなみに今のを聞いて壱さんどうでした?」

「………w」

一同「wwww」

「その…そうかって思いました」

「そう、おれも今の話を聞いて「そうか」って気付いた事が多かったかも」

「この句を見て、確かに火事の句だ!って思いましたけど、『火事と知る前の句だ!』とまでは思わなかったんで、その感情に戻れるんだって思いました」

「そう!今の介さんの言葉で気付いたけど、この句何が面白いって『火事』って一言も言ってないんだよね。『冬隣』という季語を使ってるのは、火事って気付く前、確か『初詣の線香』『どんと焼き』かな?って話が出てたから、それに対して冬隣だねえ〜って言ってる。火事と気付かなかった世界線で詠んでるんだね、これ。」

「火事って背景情報が無くても意味が通じてるんだよね。でも我々だけ火事と知ってる訳で」

「確かに、線香の句だもんこれ。面白いね」

普通に詠んだら線香の句だけど、我々は火事の句だって知ってる。吟行ならではの面白さが見られて面白いよね」

「一個気になったのが、線香って季語じゃないかな…?」

「あ、二重季語!?」

「えっと……え!線香って季語じゃない!」

「ええ〜!」「季語じゃない!?」

「そうか、線香っていつでも上げるから季節ないのか!これは良い発見」

「弐さん、いかがですか?」 「www」

「イヤー、オモシロイデスネ〜」←隠せ

「(爆笑)」「どういったところが…?」

「パッと見線香で何も問題ないように見えて…はい!」

「いやそう、俳句のルール内で身内ノリをしてるのよ、この句って」

「俳句って身内ノリ出来るんだ…w」

「さっきの蝶の、ちょっと身内に寄り過ぎた版

曲としても成り立ってるアニメOP聞いた気分になってます、今」

「面白い。確かにタイアップ曲に似てるな〜」

『炎炎ノ消防隊』次期アニメOP曲です

「作者は?」
弐「はい!」
一同「おお〜」「いや、バレバレw」
「うそぉ?」「いや、余裕。」
「えーーなんで!?おれに振る前は?」
「全然知ってる」
「えーーーなんで!?!?」
「他の3人の反応見て消去法で…w」
「マジか〜、いやでも、(介を見て)100点!」
「いや、100点だよね!?思った!よくこんなちゃんと読み取れるなって」
100点!!解釈が、もう全部わかってるやん!!って
「(弐が)顔隠しながらニッコニコだったねw」

やはり介、こいつは頭の切れる男だ。

4点句「船荷積む勤労感謝クレーン車」

(この句のみネロ帰宅前の講評なのでギリギリまでネロが居ます)

「ネロさん特選句です。これ、どのような所で特選だったのでしょうか?」

「はい、勤労感謝って季語になるんだって驚きもありつつ、今回小春であったり食べ物が題材の句が多い中、敢えて観光地のみなとみらいでない、港?としての部分に着目しながら、『クレーン車』で韻を踏んでるのが、なんか上手いなって思いました」

「他の選者は…?」「はい!」

「どこが良いと思いましたか?」

「全部言われちゃった…面白いから…」

「www、いや、面白いって大事だよね、あんま俳句詠んで面白いってなる事ないしね。
『古池や蛙飛び込む水の音』何がおもろいねんって話だから」

「ここに来て『勤労感謝』かって」

「韻まで踏んでるからね」

「ありがとう〜とかじゃなくて、おもしろに寄ってるよね。その潔さ、おもしろ一点なのが好評です」

「クスって笑ったの選ぶのは正しいよ〜。彩さんは?」

「普段あんまり見る事ない視点に勤労感謝で持ってきてるのが面白いなって思いました」

「自分、俳句を詠む時句で韻を踏むって発想が無くて、この句は五七五って音の形にすごい合ってるなって思いました。」

「それでは以上。作者は……哲大です。」

「てったああ」

「いやこれ『ふねに』って読んだ時、(哲大に)『ふなに』ねって直されて、じゃあ(哲大)そうじゃんって」

一同「www」

「てか、船荷は『ふなに』じゃない?」

「ちなみに、『ふなに』が正しい…w」

ネ「(時計を見て) じゃ、私そろそろ…w

一同「(爆笑)」

ネロにまだ講評して欲しかった。こいつおもろ過ぎ

4点句「昼火事も野焼けと覚ゆ晴散歩」

「介さんの選と哲大特選入っています。特選最後に言わせて下さい。介さんいかがでしたか?」

「こっちの句はさっきと似て火事の句なんですけど、ちゃんと火事と言ってる句ですね。こっちの句は自分たちが歩いていた時の記憶そのままな句で、それで評価高かったです」

「なるほど、哲大特選させて頂きました。この句、1枚目の紙の一句目だったんですけど衝撃を覚えました。この句、見かけによらずとんでもない事をしでかしてるんですよ」

「ほう、」

「というのも、俳句って身体的/精神的な安全が確保された状態で詠むのが基本なんです。季節を楽しむ心の余裕がある時って事ですね。だからこそ、火事や死や怪我といった人が重く捉えるような身体的安全が確保されていない俳句ってめちゃくちゃ難しいんですよ。

例えば、こんな感じで酒飲みながら『あいつ、この前死んだけどさ〜』なんて話しないですよね?」

一同「www」「しないよねぇ」

「日本人って、他国の人に比べて死生観がとても強いんです。だからこういった言葉って季語以上のインパクトを感じさせるので俳句にはめちゃくちゃ使いづらいんですよ。
それを踏まえて読むと、この句は『火事を野焼きと勘違いして、身体的安全が確保されていると勘違いしている』句なんです。
その状態でこの登場人物は『晴散歩』しているんですよ。いや、余りにもルンルン過ぎやしませんか??でもお陰で重過ぎる『火事』という言葉をヒラリとかわして中和する事に成功してるんじゃないかなって思いました。
僕今回結局『火事』って言葉が重過ぎて、二物で何持ってきても負けるから火事の句作らなかったんですよ。正直大金星だと思います。感動しました

「すごい!」

「これ、逆に吟行に参加しなくても詠めるのかなぁ…?」

「いやー、吟行じゃなくてこれ詠めたら、もう俳人だよ

一同「www」

「それじゃあ以上で、作者は?」

「…はい!」

「彩さんですか…、いや、これ凄くない?」

「物騒な話題を出してんだけど、なるべく呑気にって。あと、登場人物からして明らかに火事が見えてないんですよね」

「そう!この句面白いのがカメラの位置で、視点が、いわゆる全能視点なんですよ。神様視点というか、人狼ならGM視点ですね。普通ならもう少し突き放したように見えるんですけど、そうでもないから面白い」

「なるほどな…さっきの句は火事という事を避けているとも取れる。それくらい火事って言葉を使うのは難しいのか…」

「火事と知らなかった線香の句、火事だとやっぱり知らなかった野焼きの句って感じかな」

「知ってはいけないのか、火事ということを…」

難しいのに気付かず成功する、俳句版なろう系

4点句「潤いし冬苺にも甘衣」

「なんと4人選が入っています。壱さん弍さんネロさん哲大の選が入っています。せっかくなので今回は弍さんから、いかがでしたか?」

「なんかその…真っ直ぐだよね。その真っ直ぐさを評価しました。いちごにね…棒刺して、飴を甘衣って言ってるのよ、中華街の500円くらいのりんご飴みたいなよう分からん飴!で、冬苺のみずみずしい感じに…飴!わあ!」

一同「(大爆笑)」

「いや、冬苺、飴、わあ!でしょww」

「いや分かるなぁw、棒に刺さったいちご飴の映像がありありと浮かんでくる…w」

「そうでしょ!?それがすっごい美味しそうだから詠んだって事でしょ!?」

「ピントがさ、他のものに全く当たってなくて、飴にだけ合ってるのよ、極限まで情報を削いでるのよ!」

「確かに、言われてみればカメラはカメラでもポートレートカメラって感じがするね」

「ピントをね、極限まで、ギュッ!!ってしてますよこれ」

「それでは壱さんどうでした?」

「なんかこう…美味しそうだなって思いました」
一同「www」「いやでも正しいなw」

文字だけで美味そうって思わせられてるって事だもんね」

「そう、一番大事な要点は『美味しそう』で間違いないからね」

「この句、果物だからそりゃ潤ってるように見えて、なんで潤いし、って言ったかって、これが『冬苺』だからだと思うんだよね。いちごって夏の季語だから

「ええ〜」「そうか…そうか…!」

「だから本当は当季雑詠的にはアウトなんだけど、この句に選を入れたのは理由があって。
苺だけど夏の野山の苺じゃなくてハウス栽培なんだよ、そしてそんな苺でもみずみずしいんだよって。そんな苺に何かけるんだいって言ったら『甘衣』ですよ」

「あまあま」「あまあまw」

「こんだけ甘そうな句だから、読んだだけで唾が出てくるんだよね」

一同「www」
「でも、読んでるだけで読み手に唾出させたんなら、それってもう俳句として勝ちだと思うんだよね。普通ならアウトだけど、思わず選んじゃったよね〜w」

「すごい!季節の壁を超えた!

「おれもまだ初心者寄りの人間だから別に良いじゃんって思っちゃう。季節の壁超えてんじゃんってね。ほんとはダメだけどw
でも今回に関しては、俳句初心者しか居ないから、『みんなに選ばれた句が正義』なんだよね。その意味で言えばこの句は正義だよ。
作者は?」

「はい」

「ウェーイw」

「この句ね、込めたい情報が本当に多くて、まず『冬苺』って季語は存在して、苺単体は使えないけど、いやおれは冬だけど苺が詠みたいんだって。そこで5文字使っちゃうけど、いやそんな冬苺でも凄くみずみずしかったんだって言いたくて。でも外はパリッとした飴だったんだって事も言いたくて。
最初は『衣替え』って言いたかったんだけど、これが春か夏の季語で。だから甘い衣とする事でパリッとした飴は浮かばないけど情報は入れ切れるなって、落とし所としてこうなったかなって」

「そういう意味で言うと、この甘衣って読者の理解に委ねるのが成功してる方の句かもなって今思った。甘衣って言葉だと、読者は『べっこう飴タイプ』と思うか、『金平糖とかみたいな砂糖細工タイプ』と思うか分かれると思ってて、だから下五で『飴細工』とでも言えばべっこう飴タイプと特定出来るんだけど、これはこれで成功していそうだよね」

「というのも、あまごろもって読むと、口が甘いもの食べた時みたいな形になるんだよね。だからこっちの方が目で見て声に出して楽しめるようになっているのかなって」

「やった!顔面飴細工!

「顔面飴細工www褒めてるかなあ?」

「じゃあ顔面甘衣!」

「なら褒めてるか〜」

哲「顔面dアニメストアもいるしね」

6点句「小春ゆえ留守を預かる一張羅」

「本日の優秀句です。壱さんネロさん彩さん、そして哲大の特選が入っています。彩さん、いかがだったでしょうか?」

「え…なんだろ、目を惹くのが、『留守を預かる一張羅』って言い回しかな。この言い回しだと何を言ってるのか分かる上に面白いなって思いました」

「壱さんいかがでしたか?」

「留守を預かるって表現が良いなって思ったんですけど…何があったかな…?」

「落ち着いて…貴方なら出来る!」

「あんたが一番落ち着け」

「何というか…情景が思い浮かぶ句が好きで、脱がれて置かれてる一張羅が思い浮かんで良いなって思いました」

「特選入れさせて貰いました。…正直最初この句何言ってるか分かんなかったんですよ。そもそも『小春ゆえ留守を預かる』って言葉として論理が破綻してて、じゃあ下五で意味を分からせてくれるのかなって思ったら下五は『一張羅』なんですよ。やっぱり意味が分からなくて、もう一周読んだらやっと気付いたんですよ、
この一張羅が長袖である』って情報に。
あ、だから留守を預かってるんだ、小春には要らないから。そこが面白いなって。17音なのに伏線回収してきたか、と。オチをつける形式の句なんですけど、一周じゃわからない。起承転結起承転結で初めて分かるなって」

「ワンピース2周目、進撃の巨人2周目ね」

「そういう、17音とは思えない伏線回収の仕方、俳句というより文章の書き方が上手いなって思いました。さっきの特選とは違った毛色で選ばせて貰いました」

「小春ゆえ、も面白いよね。『Because 小春』なんて状況ないから普通は」

「ミスマッチ感がすごいね」

「そう、小春に『ゆえ』はミスマッチだし、小春に『留守を預かる』はミスマッチだし、小春に『一張羅』も関係性がある言葉じゃないのよ」

「日本語だから12音で主語が登場しなくても成り立つのね」

「留守を預かる?一張羅?→小春ゆえ、留守を預かる…あ、一張羅って長袖!?って感じ」

「オキニのやつね」

「そう、オキニだから本当は今日着る予定だったんだよ。でも今日は着れないな〜って諦めたんだよ

「今日はやめとこうってね」

「そう、17音とは思えないくらい噛み砕かされて、結果めっちゃスッキリするんだよね。普通ならこのタイプは改善点が見えてくるんだけど、それが見えてこなかった。上手いね。」

「叙述トリックってか、『Because 小春』って叙述でも何でもない。支離滅裂」

滅裂トリックだぜ!」

「『(証拠)隠滅トリック』とかじゃなくて『(支離)滅裂トリック』ww」

「じゃあこんなもんで、作者は?」

「不肖、私めが…」

「とらずの介…!」

「一張羅今日は来てこなかったのか」

「そう、コートは23℃じゃ要らないなって。この句俳句にする上ですごい障壁が大きくて」

「だと思う」

「まず小春ってどこに入れるかってなって。一張羅は一番最初に下五って決まったんだけど、小春+2文字が思い浮かばなくて」

「最初から小春と一張羅の二物は決め打ちだったんだ」

「一張羅も二重季語を避ける代替の言葉だったんだよね」

「え!コートってもしかして…?」

冬の季語なんです」「あらま〜」

「一張羅だと五文字で綺麗だし、服にお気に入りって情報も乗るし、何か分からない感じもあるから…与えなくて良い情報を選んだ結果だったよね」

「小春って3文字だから、下五なら『小春かな』とかで使えるんだけど、敢えて上五に使うと詠嘆の2文字が存在しないから困るんだよね。だからこれは子季語を使って『冬麗や』とかにも逃げられるんだけど、何としても『小春』を上五で使うという強い意志の下、ちゃんと探し当ててる」

小春って言葉の情報量の多さを活かしたなって思います」

一同「(拍手)」

お見事、17音の滅裂トリック

6点句「立冬や彫刻の影ひえひえと」

「優秀句です。彩さん、弍さん、とらずの介さんの選と壱さんの特選が入っています。それでは弍さんから」

「彫刻面白かったですよね。彫刻ってやっぱり彫刻自体が冷たいですよね。石で。しかも冬なんでキンキン、さらに影だからよりキンキン。彫刻で止めずにその影まで行ったらそりゃキンキンもキンキンだろと、さらにひえひえと、でもう。ズゴーンと」

「トドメのね」「トドメの」

「確かに、この句、17音通して『さっっっっっむ!!!!!!』って言ってるねww」

「彫刻の情緒もあるんですけど、それ以上に寒さが…」

「普通なら『ひえひえと』って凄いリスキーな5文字で、何なら要らないとまで言われるんですけどね」

「だいぶ被るんですけど、『立冬』だから本当はもっと冷え込んだ日なんだよね、そういう寒さが伝わりながら、彫刻の影、ひえひえとって感触として物凄く冷たさが伝わってくるなって。気温としての寒さと冷たさが伝わってくる句だなって思いました。

「なんか、固体としても気体としても寒いよねw」

「全さむ」「全さむw」「全さむw」

「全体として寒さが伝わってくる句だなって思いました」

「自分票を入れてから思ったのが、『良いなと思ったけどなんで良いのか説明出来ないな』って思って、それで見えてきたのが『KとかTの音って凄い尖って見えるな』って思って。刺さる感じがして、その感じが自分の中の寒さとマッチしたなって。『りっ ”と” うやちょう ”こ” くの ”か” げひえひえ ”と”』って感じで。自分がしっくり来たのが音の部分だったのかもなって。実際さっっっむって言ってるだけなのにリアルに寒さを感じたのはそういう理由なのかなって思いました」

「これは…慧眼と言わざるを得ないね。確かにそういった音の響きを指摘される事は実際にもあるんだけど、こんな…初見でそこまで辿り着くかね??今日初めてだよね?」

「才能アリ?」

「才能しかない。今日通して、鑑賞の才能が本当にある」

「えへへ〜ww」

「最後、特選の壱さんです」

「え〜っと…これ見た時に温度差を感じたんですよね。ただでさえ寒い冬に『あ、彫刻だ』って寄って影になった時、うわっ寒っ!ってなるじゃないですか。今まで、多少なりとも日が当たってた所から影に行くとより寒さを感じるというか、それが気持ちよかったです」

「なるほどね…あったかいと寒いの対比じゃなくて、寒いともっと寒いの対比って事か」

「え、すごい!」「絶対値的な差か」

「じゃあこんなもんで、作者は…頂きました。哲大です」

一同「うえーい(パチパチ)」

「実際選ばれて、どういう風に詠んでたんですか?」

「いや、だからもう実際に横断歩道を渡ってから君たちを詠んだ句だね」

「やっぱりか」

「横断歩道越しに見たら、丁度影に入りかけてたんだよ。で、じゃあ自分がもしあの彫刻の影側に居たらどうなるかなって思って。彫刻自体寒いし冬の日差しが無いと寒いし、じゃあこの状況に合う言葉って何だろうって思ったら立冬だったのよ。完全に『詠みたい景に季語を合わせたパターン』の句なんだよね」

「立冬って選んだのは、立冬って『ここから冬だよ』って区切りだから、前日に比べて何らかの温度差を感じられる日のはずなんだよね。

そんな日に使われるべき季語で、日向と日陰って境界が存在して温度差があって。普段触る事ない石の彫刻に触れたら明確な温度差があるだろうし。これらの大き過ぎる温度差を表現できるのは立冬なのかなって。

『立冬や』で立冬を強調して、冬が始まってんだぞって前提を与えた上で温度差を強調出来たらな、とは思ってたんですけど、思いの外成功したかなと」

「なるほど、この句は全体を通して境界線を意識して作られているんだね」

「そうだね、丁度おれと君たちも横断歩道を挟んで境界線があったので…w」

「なるほど!エモい!」

これは名講評。介の慧眼ぶりはもちろん、壱、弍、彩も自分の言葉で表現出来てすごく良かった。

7点句「初冬に鶏排を抱えて笑顔」

「それでは、本日の最優秀句に参ります。壱さんの選、彩さん弍さんの特選が入っております。それではまず壱さんから」

「これ、情景が浮かびやすいのは一つとして。読んだ後、詠んだ本人が笑顔で終わってるので、幸せそうで良いなって思いました」

「ニコニコ感」「溢れんばかりのね」

「続いて特選、彩さんから。」

「とりあえず、初冬にってこれから寒くなる時期なんですけど、中華街で大きい鶏排を買って、頬張ったり抱えている感じがある所が安心感あって。で笑顔で終わってるし、
ここ、17字でこういう区切り方はだいぶ型を崩しているんですけど、最後が3音『笑顔』で終わるからこの言葉に余韻が生まれるんですよね。これがちょっとした事だけどあったかいし美味しい感じ、ちょっとした事なんだけど幸せそうな感じが出てて良いなっていう風に思いました」

「最後に笑顔だけ3音でパッと強調されるね。さて、弍さん」

「いや、もうこれは…好みです。こういう日常の小さな幸せみたいなのが、おれもう好きでしょうがない

一同「(爆笑)」

「そういうその、初冬に鶏排を抱えるって情景が想像しやすくて。鶏排ってどう考えても中華街だし、抱えるって事は外っぽいし、ちょっと寒い中、季節感ある服を着て『あったかいね〜』とか言いながらめっちゃ笑顔でさ〜食ってるってさ〜…」

えっ嬉し!!」一同「www」

「嬉しいよね〜」

「こういう日常の小さな幸せみたいなのが好き過ぎるんだなって…」

「ワクワクするよね」

「そう…こういうのだけ摂取して生きていきたい

一同「(爆笑)」

「てえてえ?」「日常系アニメの感想?」

「いや…日常系…?このほんのりとした感じというか、日常系アニメってこう『ほんのりほのぼのさせに行きます!』って感じがするんだけど、この句は日常に確実にあるから。嬉しいよね。」

「確かに中華街に鶏排食いにいったらまず最初に『デケ〜』って笑顔になるもんね」

抱えてって良いわ

「そう!抱えて!」「デカいんだって」

「小さかったら抱えないもんね」

「そう、デカくて抱えている感じで笑顔って…」

「すごいほっこりした感じ」

「どうですか介さん」

「まあそうね、初冬にって言って鶏排って来ると、自分鶏排持った時ってあったかかったなって思い出して。最後が笑顔で終わるからそういえば鶏排大きくてあったかかったな美味しかったなってね」

「思い出がね」「ほっこりするよね」
「幸せになれるしね」ほっこりスだね」

「じゃあ、こんなもんで。作者は…ありがとうございます、哲大です」

「うん、知ってた」

弍「哲大決定、だってほら、キモい!

彩、壱、弍「「「鶏排を抱えて笑顔」」」

「そんな訳ないないない!『抱えて/』て」

「(爆笑)」

まずこんな詠み方が出来る時点で誰か分かってんだよ!!

「ハハハハハwww」

弍「哲大決定」彩「誰か分かってんのさ」

「ちょっと、今日こっそり自分でやってたテーマで、『破調の句詠みたいな』って思って、これ最初パッと『鶏排を持ってニコニコしている画』が思い浮かんだのよ。本当は鶏排食いながら酒飲んでるだけなんだけどねw」

「でもこれ普通なら鶏排持ってニコニコするなって。最初は笑顔を上五に持ってきてたんだけど、これじゃ噛み合わなくて。それで『鶏排を持って笑顔』になったんだけど、

これ実は正解で、持って笑顔にした後、『いや、鶏排はデカいから抱えるな』って思って。鶏排を抱えて笑顔の方がより笑顔だなって思ってww」

「すげえ…」「ワクワクするわって」

「デカい方が嬉しいからね!」

「ここまで考えて季語何だろうって思った時に、初冬にした最大の理由は『冬の始まりってまだ冬に苦しめられてない』のよ。さみぃなキチぃなってなる前なのよ。まだギリギリ冬を楽しめるフェーズの時期だから、まだ冬にワクワク感がある時期なんだよ。じゃあワクワク感にはワクワク感かなって」

「初冬に『こんなデカい鶏排食べられるかな〜♪』ってニッコニコしながら食べるって寒くなって来たから楽しめる食べ方だなって。それを表現するなら初冬だよねってなった」

「後はみんな言ってくれた通り、笑顔を持って来ると最後に余韻が残って強調されるんだよね。うわっ!笑顔で終われた〜!って思って。今日破調の句を割と詠んだけどその中でも会心の出来だったかな。こういうのが評価されると気持ち良いよね。ありがとうございました!」

クリーンヒット。幸せって一番だよね。

句会終了、最後に。

今日一番聞きたかった言葉

Mer「…おれ、何も考えずに生きてたんだなって思いました

哲大「え?!なんでそんな悲観してるの!?」

Mer「いや、悲観とかではなくて、日常って目を向ければこんなに気付くことがあったんだって思って、そう考えたら、おれってそういう事に目を向けずに生きてたんだなって」

哲大「…!確かにそうかもね、俳句詠む日って、おれもいつも以上に感覚が研ぎ澄まされている気がするんだよね。五感で感じる、気付く事が多くなるっていうか。でもそんな日が一日あるだけで、何でもない日常が面白く見えてくるんだよね。それ大事だ!録音させて!」

何でもない一日に『気付ける』って素敵

哲大「今日どうだった?」

やき2「いや、面白かったです。ほぼみんな初心者だったのに」

やき1「これは、おもしろいねえ〜!」

哲大「凄いよね、うちら今日って11時から夜11時まで、散歩して俳句詠んでたんだよ?w」

ゆつべに「いやさ、最初いくらkitchenの誘いとはいえ、大丈夫かな?って思ってたんだよ。誰もやった事ないし、散歩と俳句で一日か…って」

哲大「でも面白かったでしょ?」

ゆつべに「面白かった」

よし、第二回も開催決定だな

この記事を通して

最後に、ここまで長文でしたがありがとうございました。少しでも俳句の世界をご紹介出来たのなら、頑張って書いた甲斐がありました。

今回の参加者も言ってくれていますが、俳句って「何でもないはずの事に気付ける」んです。その気付きって大事で、何も思わないはずの日々に少しだけアクセントが生まれるのです。

「もう一枚着てくれば良かった」「あそこのラーメン激アツだったな」「日差しが気持ち良い」
そんな事ですら日々の気付きとして思い出に残れば、まさしく毎日がたった一日しかない特別な日にだって出来ます。

僕は俳句を初めてからそんな意識を持つようになって、何でもない日々が楽しくなった人間です。これからもそういった楽しさを皆さんと共有出来たらな、と思っております。

今回、この記事を読んで、少しでも俳句に興味が湧いたそこのあなた。一緒に17音で日々の気付きを綴ってみませんか?
何より自分の句が褒められるのって、結構嬉しいのです。体験してみて下さい。

参加希望等はいつでも、ご連絡等お待ちしております。次回の句会は春頃、新入生からOBOGまで幅広く歓迎しております。
それでは、俳句の世界でお待ちしております。


永遠の初心者俳人、哲大がお送り致しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?