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ガチホ戦略は絶対的正義なのか〜狼狽売りの真実〜

2月中旬から始まった調整局面、ハイグロの焼かれっぷりはなかなかえげつないですね。この時によく聞こえてくるコメントが「狼狽売りしないで」「ガチホが正解」というような声。

でも「ガチホが正解」ということは、将来、今の株価水準まで戻ってくる事を想定しているわけで、「なら、暴落しているまさに今売って、安値で買い戻した方が最終的にはお得では!??」といつも釈然としないものを感じていました。

というわけで、買い戻し戦略を取った場合と、ガチホ戦略を取った場合とを比較し、どの時点での売りが狼狽売りと言えるのか、シミュレーション(という名の皮算用)してみました。

①ガチホ戦略

想定したのは次のような銘柄です。1株1万円(100ドル)の銘柄を100株購入(100万円の入金)。20%利益が乗ったところで調整局面に突入。一時は8000円まで値を下げたものの、その後回復し、もとの水準(1万2000円)まで回復したところで利確。

買い戻し.001

この時、売却益は20万円。源泉徴収の20%が引かれ、最終的に16万円の利益となります。

② 利確+買い戻し

次は、早めの撤退戦略です。

買い戻し.002

今回の調整は大きくなりそうと考え、利益のあるうち(1万1000円)に利確します。売却益は10万円で、税引き後8万円。その後、思惑通りさらに下がったところで9000円で買い戻し(120株)。その後さらに下がるものの、そこは耐え抜き、1万2000円まで回復したところで利確。すると、最終的に36万8000円の利益となります。ガチホに比べて+20万8000円。

③ トントン+買い戻し

次は、トントンで抜けて、安値で買い戻したパターンです。

買い戻し.003

含み益がどんどん溶けていくのに耐えきれず、買値に戻ってきたところで売ってしまいました。手元の100万円を握りしめ、下がりきったのを確認し、上昇局面の9000円で買い戻し(111株)。その後、1万2000円まで回復したところで利確しました。すると、最終的に26万5600円の利益となります。ガチホに比べて+10万5600円。

④損切り+安値買い戻し

次は、損切りするも、強い意志を持ち、安値で買い戻したパターンです。

買い戻し.004

ガチホ戦略を取る心づもりだったものの、含み損が増えていくことに耐えれず、結局9000円で売却してしまいました。手元に残った90万円。さらに下がる株価を見て、8000円で買い戻しました(112株)。その後、株価は上昇。1万2000円まで回復したところで利確しました。すると、最終的に25万5200円の利益となります。ガチホに比べて+9万5200円。これでもまだ売った方が得なんですね。

⑤ 底値損切り+高値買い戻し

次は、逃げ遅れてしまった上に、慌てて高値で買い戻してしまったパターンです。

買い戻し.005

含み損が増えていくことに耐えれず、結局8000円で売却してしまいました。振り返ってみるとここが底値でした😥…。手元に残ったのは80万円。さらになんと、相場の雰囲気は一転、株価はするすると上昇するではありませんか。慌てて9000円で買い戻しました(89株)。その後、1万2000円まで回復するものの、最終的な利益は1万4400円となりました。ガチホに比べて-14万5600円。

⑥ 半分利確+安値買い戻し

最後は、②を踏襲しつつ、石橋を渡る派。利益があるうちに半分のみ利確し、下がったところで買い戻す戦略です。

買い戻し.006

利益のあるうち(1万1000円)に半分利確します。売却益は5万円で、税引き後4万円。その後、9000円で買い戻し(60株)、1万2000円まで回復したところで利確。すると、最終的に28万4800円の利益となります。ガチホに比べて+12万4800円。②と比べると、石橋を渡る代金として、-8万3200円。

考察 〜暴落はバーゲンセール〜

正直意外な結果でした。結構遅めの損切りで売ってしまったとしても、そこでくじけることなく、さらに安値で買い戻すことができれば、最終的な成績はガチホよりも良くなる事に驚かされました。「暴落はバーゲンセール」と言われる所以ですね。

もちろん未来は見えないので、どこまで暴落が続くのか、そしてその後、どこまで値を戻すかは分かりません。しかし、米国株に挑戦するのは「長期的に見れば右肩上がり」を信じているからのはず。

企業の財務自体に問題はなく、市場全体の暴落での連れ安だと判断した場合は、損切りしてでも買い戻した方が、最終的には見返りが大きくなります。その際、なによりも重要となるのが株数。暴落局面で元の株数よりも多く仕込めるのであれば、上昇局面での回復が早くなり、ガチホ勢をアウトパフォームすることができます。もう、狼狽売りだなんて言わせない。

考察 〜最悪なのは暴落で心が折れること〜

最も悪いムーブは、持っていた銘柄を損切りで手放した上に、日々の暴落で心が折れてしまい、何も買わずにただ市場が回復するのを待ってしまうこと。これだと、損失を確定させた上にバーゲンセールも活かせないことになってしまいます。この時の損切りは「狼狽売り」と言われても仕方ないでしょう。

最後に

現実の相場はシミュレーションほど綺麗な波ではないですし、上がったと思えば叩き落とされることもしばしばです。なのでそんなに上手くはいかない事は重々承知の上で、例えば今回の場合……

全面安に入った段階(2/19頃)から、狼狽売りという言葉には耳を傾けずポジションを徐々に解消し、大底は分からないものの、1週間ほど様子を見て、下げの勢いも収まりそうな2/26頃から段階的に買い戻していく戦法(上で言うケース⑥のようなムーブ)が良いのかなー、などと考えました。まだまだ下がってってるけど…😥😥

何か考えるきっかけとなれば幸いです。計算間違いや疑問点などございましたら、ご連絡くださいませ。

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