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ドラフトを迎える東京六大学野球戦士たち2021〜投手編〜

こんにちは、シュバルベです✌︎('ω'✌︎ )

今回は東京六大学野球連盟に所属している選手で、10月11日開催のプロ野球ドラフト会議への志望届を提出している選手たちについて書いていきたいと思います!

今回のプロ志望届提出者はこちらです。

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5校16名が期日までに提出を行いました。高校時代から優れた才能を発揮した選手も多く、一度は名前を聞いたことのある選手もいるのではないでしょうか。人数が多いので、今回を投手編、次回を野手編の2部に分けてご紹介します。

まずはピッチャーから。各選手の10月1日時点での通算成績は次のようになります。

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この数値も参考にしつつ、以下個別の選手に触れていきます。

■森田晃介(慶應義塾大学)

慶大の右のエースで、1年生の秋季リーグから先発登板を果たしています。

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通算防御率1.91は100イニング以上投げている提出者の中で最もいい数字で、それを可能にしているのは4.9BB%という制球力と、27試合でわずか3被弾というホームランの少なさでしょう。

特に四死球の少なさは圧巻で、昨年ドラフト1位の早川投手ですら通算は6.0BB%ありました。イニングに近い数のヒットを打たれているものの、無駄なランナーを出さず長打も許さないことで大量失点をしないゲームメイカーで、強力打線の援護もあり4年間で貯金を7個作っています。

4年生となった今年は安定して140km/h中盤を計測し、それが6回・7回でも変わらず投げられるようなスタミナが増したという印象を受けます。大きなカーブ、手元で動かすカットボールなど現代NPBのトレンドに近い球種を武器としている点も良いでしょう。

176cm/76kgと目立った体格ではありませんが、多様な球種で安定してゲームを作れる姿は現ロッテの美馬投手に近いのではないでしょうか。

3年秋は投手ベストナイン、4年春は防御率1.57で最優秀防御率を獲得。特にこの春はリーグ優勝と日本選手権優勝を果たしました。十分すぎる実績を手にNPBの扉に手をかけています。

■徳山壮磨(早稲田大学)

大阪桐蔭時代は選抜優勝を果たすなど世代を牽引する右腕だった徳山投手。

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入学後まもない1年春から6試合に登板するなど投手としての完成度が高かった一方、肘・肩の怪我との闘いも続けてきました。万全であれば150km/hに迫る伸びのあるストレートに、140km/h台前後のツーシーム、スライダー・カーブの落ちるボールで三振を取れるコマンドの高い選手です。変則日程となった2020年春季リーグでは2試合16イニングを失点0に抑え最、優秀防御率を獲得しました。

今年の春は法政戦で完封勝ちを収めたものの全体としては思うような投球が出来ず、早慶戦では先発を外されてしまいました。球速も140km/h台前半に留まりましたが、先日行われた秋の開幕カードでは148km/hを計測。立教打線につかまり7回で5失点を喫したものの久しぶりに本来の投球の片鱗を見せられたかなと思います。

2年春に見せたようなリリーフの短いイニングで伸びのあるストレートを活かせれば、中日の藤嶋投手のように球速は出ずとも打者との駆け引き含めて1年目から勝負ができるのではないかと思います。

夏のオープン戦でも結果を出していたそうなので、世代を引っ張る右腕のプロからの評価が気になりますね!

■西垣雅矢(早稲田大学)

徳山投手と同級生で1年生からやはり登板を重ねるなどTHEライバル関係にある右腕です。

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早稲田と言えば徳山投手のイメージが私も強いのですが、実は西垣投手の方が登板数・先発数・イニング数すべて多く投げています。

ストレートは140km/h台前半がアベレージですが、魔球と言っていいぐらいの大きな変化量のスライダーとチェンジアップは年次を経るごとにパワーアップしており、6.6BB%と制球も安定した技巧派の右腕です。

この春の早慶戦では初戦の先発を任され、強打の慶應打線を7回3失点に抑えゲームを作りました。過去の早慶戦ではいずれもリリーフ登板でしたがすべての試合で失点を喫してきただけに、最後の春に先発としていい投球が出来たことは自信につながったのではないでしょうか。

今NPBにはあまりいないタイプの変化球ピッチャーなので、球団によっては投手の差別化が図れるかもしれません。

■竹田祐(明治大学)

森下・入江と二年続けてドラフト1位を輩出した明治大学の現エースは竹田投手です。

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提出者の中で最多となる21試合に先発、通算でも貯金を4つ作っています。2年春には満塁弾を放っているように明治大学のエースらしく投打に優れた選手です。

持ち球は慶應の森田投手に似ていて、特に大きな縦割れのカーブは下級生の時から一級品でしたが、今年になってストレートの球速・質が上がったという印象を受けています。ツーシームやカットなど小さく動くボールのコマンドも上がり、投手としての完成度が高くなったという印象です。試合終盤でも140km/h台中盤をコンスタントに計測し、春は先発した5試合のうち4試合で7イニング以上投げいずれも3失点以下に抑えました。

明治大学出身はプロ野球に入っても活躍する選手が多く、その原動力はチーム内での苛烈すぎるほどの競争による全体のレベルの高さだと感じています。その激しい競争の中で竹田投手は4年間毎シーズン欠かすことなく神宮のマウンドを踏んでいます。1年春を除いてすべてのシーズンで先発マウンドを経験しており、彼の怪我への耐性とコンディション調整能力なども含めて評価がされるのではないでしょうか。

森下投手に似た系統のかわいい顔をしていますが実は184cm/90kgとがっしりした投手らしい体型で、個人的に今年の最推しの1人です!

■三浦銀二(法政大学)

提出者の中で最も多い167イニングを投じていながら、最もスタッツも良いのが三浦投手です。

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100イニング以上投げている投手で22.7K%はやはり最も高く、WHIP0.98は過去のドラフト1位選手の通算成績と比べても際立っています(昨年のドラフト1位ならば早川投手1.02、入江投手1.09、木澤投手1.18、鈴木投手1.42)。

三浦投手と言えば1年生から大活躍をした一方で、1年秋~2年春にかけて2季で17試合90イニングに登板しており、その酷使の影響でパフォーマンスを下げたという印象をお持ちの方も多いと思います。実際、2年秋~3年秋までにかけて先発は2登板に留まり、リリーフでの登板が主となりました。

ドラフトイヤーとなる今年どうなのかという所ですが、春は初登板となる慶應大学戦でノーヒット1ランを達成。5試合の先発登板でその内3試合を完投するなど復活をアピールしました。重心の低いフォームから繰り出されるストレートの球速は140km/h中盤で、カーブ・スライダー・チェンジアップなど多様な変化球でも自在にストライクを取れる進化した姿を見せてくれています。スワローズの小川投手にどことなく似ている投手だと私は見ています。

ぜひ1年生の時と比べていただきたいのですが、身体が滅茶苦茶大きくなりました。特に下半身の太さは見違えるほどで、この苦しんだ4年間が無駄でなかったことを示しています。

法政大学はクラスター発生の影響で初戦が後ろ倒しとなり、ドラフト前最後のアピールの機会はわずか1試合ですが、春の登板で充分アピールは出来ている選手のうちの一人ではないかと思っています。

スワローズファンとしては神宮のマウンドへのフィットが最も早い選手の一人だとみているので、ぜひ縁があることを願っています。

■山下輝(法政大学)

188cm95kgの大型左腕で、今年からリーグ戦でも先発起用で法政大学の2戦目を任されている山下投手。

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リーグ戦初出場は3年春で、1年間リリーフとして8試合11イニングに登板し自責点はわずかに1点。今年の春は先発投手として5試合32イニングを全うしました。

当初はランナーを出してからのクイックや制球に難を抱えていましたが、1年で修正した点は彼の器用さを表しています。150km/h前後のストレートの球速に目が行きますが、カウント球にも決め球にもなるスライダーを中心とした変化球の制球がより実戦的です。

NPBでもこれだけの体格の左腕かつきちんと制球の出来る投手は希少で、1年目から一軍リリーフの一角に食い込みそうな予感を漂わせています。個人的に、神宮のマウンドは彼にとってやや都合が悪いように見えるので、傾斜のある固いマウンドだとどれだけのパフォーマンスが発揮できるのかはとても楽しみです。

日本人で似たような投手が正直見当たらなくて、山下投手の比較対象はそれこそ広島のフランスア投手のような外国人投手になるのではないかと思います。アングルも球種構成も比較的近しい印象です。

■古屋敷匠眞(法政大学)

今回の六大学の候補の中で最速となる154km/hのストレートを武器とする豪速右腕が古屋敷投手です。

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初登板は昨春で2020年までは2試合のみの登板でしたが、その時に投じた剛速球は今でも痛烈な印象を残しています。

30.0K%と提出者の中で圧倒的な奪三振率を誇る一方で、16.0BB%と課題も明白。ランナーを出してからは球速が落ち、制球も今一つ定まらないなど荒削りな部分もありますが、いつ登板しても150km/h台を計測できるその出力は魅力的です。

良いコーチ・トレーナーとNPBでマッチングできれば将来のクローザー候補になり得るだけの投手ですので、このドラフト会議でどう評価されるか楽しみです。

■川端健斗(立教大学)

高校時代はU18代表にも選ばれ、立教大学入学後は1年春から先発登板の機会を与えられて1年生ながら13試合48イニングに登板しました。特に春は7試合23イニングで防御率1.93と抜群の成績を残しましたが、それ以降の登板は2年秋の2試合に留まり、3年生~4年生にかけて登板がありません。

制球を付けるためのフォーム変更で逆にトンネルに迷い込んでしまった、という記事が2019年にありますが、現状のピッチングがどうなのか見られていないので分かりません。この秋もベンチ入りもしておらず、完全なベールに包まれていますがかつては世代No.1左腕だったので復活を期待したいですね。

■さいごに

投手編、いかがでしたでしょうか?今年は昨年ほどには百花繚乱ではないですが、こうして網羅的に見ていくと魅力溢れるラインナップとなっているのではないでしょうか?

プロに指名されるかどうかは時の運もあります。指名された選手も、指名されず違う道を歩む選手も、みな神宮球場で六大学を戦った仲間だと思います。指名いかんに関わらず、最後の秋頑張って欲しいですね!

追伸:野手編書き終わりました!!


■出典


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