逆上がりと分数の足し算のこと

子供のころ、鉄棒が苦手でした。
逆上がりは一度もできなかったほど。

大人になって、何十年ぶりかに鉄棒に触れました。
逆上がりできないんだよな、と思いながら、誰も見ていないのを確認してやってみたら… できた。

なんで??
中学以降、一度も練習したことない。どころか鉄棒に触るのも10年ぶり?もっと?全く上達する要素は無いのに、なぜかできた。

他でも似たようなことがありました。
大学生のころ塾講師のバイトをしていた時のこと。中二の数学クラスでずばぬけてできない子がいて、授業で持て余していました。あまりにひどいので、居残りさせてどのあたりから分からなくなっているのか確かめてみたら、分数の足し算ができない。通分が分からないんですね。それじゃ中学生の数学なんか分かるわけない。

話の流れで、分数の足し算を簡単に説明してみたら、できちゃった。
この子も分数の足し算など小学生以来だったでしょう。その時は全然分からなかったことが中学になったらあっさりできた。

思うに、こういうのは学校での授業の弊害なのでしょう。
私の逆上がりもできない子の分数計算も、習ったその年には準備できていなかっただけ。少し遅くチャレンジしていれば出来たのでしょう。そのチャンスが無いからできないままになってしまった。

逆の弊害もよく耳にします。
学校の授業ができすぎてしまって、でも真面目に参加していないと叱られるので退屈を持て余す。なんとか周りに合わせて出来ないふりをする。これじゃ面白くもないし、興味も失うでしょう。

それならいっそ、小学生から主要な科目は単位制にして、得意な科目はどんどん先に進んで、できないことは後からやれば良いと思うのです。

スポーツの世界では、世界で活躍する若いアスリートがどんどん出てきています。得意なことを見つけて、どんどん先に進んでいったら世界レベルに達していたのでしょう。

勉強の世界では、他国でも飛び級制度はありますが、これは全部優秀でないと先に進ませてもらえない。これではできないこと、苦手なことに意識を取られすぎます。出来る科目だけ先に進み、苦手なことは少し遅らせてやってみる、そんな公教育が実現できれば、得意なことを見つけた子が世界で活躍できるようになるのでは、と夢見ています。

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