鏡の中の私は

バイト終わり夕方。
ショッピングモールの。
ガチャポンのコーナー。

ドラゴンボールのガチャを。
やりにきたら。

中学生のグループが。
カプセルの投げ合いをして。
遊んでいた。

大人として。
注意できたらいいのだが。
怖い・・・。

スマホ片手に眺めていたら。
動画を撮られていると思ったのか。

何やらコソコソ言いながら。
帰っていった。

ウエストランドの。
井口さんみたいな子と目が合った。

いじめられていた私も。
ビビられるようになったかー。
と思いトイレで鏡を見てみると。

そこには。
威圧感のある男ではなく。

もう。すっかりの。
おじさんが立っていた。

母が買ってきてくれた。
蛭子能収さんのようなチノパンが。
より一層その印象を際立たせていた。

昔は彼女に言われて。
スキニージーンズに。
ピチピチのTシャツを。
着ていたけど。

今はダルダルの服で。
仕事終わりでシワクチャだ。

ガチャポンのコーナを。
うろついてるし。
やばいムードを。
醸し出し始めていて。

何されるかわからない。
おじさんとして。
ビビられているかも。

ヤンキーに絡まれないなら。
別にいいけど。

もうちっと。
ビシィィーッと。
かっこよくいきたいよね。


少年たち。
ここで騒いでたら迷惑だよ。
ホラ。おじさんが。
ガチャを引くところを。
見せてあげよう。

え。お小遣い?
私は君たちのおじさんじゃあ。
ないんだよ。

ホラ。おじさんが。
ガチャを引くところを。
見せてあげよう。

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