焼却炉から離れる手段は徒歩の私でプラタナス

何でもない事を書こう。


小学6 年生の秋、図工の時間。

写生コンクールの絵を描く為に。
画板を持って校舎の外へ飛び出した。

みんなそれぞれ、描くものを決めて。
その場に腰を下ろし、描き始めた。

私は何を描いたらいいのか。
わからなかった。

ぞろぞろと。
残ったみんなで歩いていたら。
Hが。「俺いいの見つけた」
「焼却炉、描こ〜っと」と言った。

確かに。焼却炉いいかも。
レンガの感じ、描きたいかも。
と私も思った。

他のみんなも。
焼却炉の所に腰を下ろしたら。

Hは「何だよみんな真似して」
「俺が焼却炉って言ったら」
「みんな来ちゃったじゃん」
と面白くなさそうだったので。

私は立ち上がり、焼却炉を後にした。

ああ。レンガを描きたかったな〜。
その気持ちを振り切るように。

ズンズンズンズン歩いた。
1人で歩いた。

あの時、私は1人だった。
体育館の横を抜けて。
校庭の真ん中を突っ切る。


今、この記事を書きながら。
実感が蘇ってきている。

もしかしたら。あの時。
今の私が空からみてたんじゃないか。
という気分になってきた。

そのまま1人で。
どこへでも行ってしまえばいいのに。

私は結局、何人かが集まっていた。
プラタナスの木のメンバーに。
入れてもらって。

特にその時、何の予感もしない。
プラタナスの木を描いた。


どうでもいい記憶だ。

思い出して書いてみたところで。
特に何も起きなかったし。

面白く仕上げる事もできなかった。

でもあの時私は。
ズンズン歩いていた。

プラタナスの木にいたT君は。
ユニー君が1人で。
真っ直ぐ歩いてきたのが。
面白かった。と言った。

言った・・と思う。本当に?
今、想像で言わせてない?


私の頭の中にある。
こういった別にどうでもいい。
オチも何もない映像は。
小説になりうるのだろうか?

もうひと工夫必要かも。

タイトルも。
しばらく悩んだけど、何だこれ。

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