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One Point読書:「鉄客商売」(唐池恒二著)

1 今日のOne Point読書

 「鉄客商売」(唐池恒二著、PHP研究所)。元JR九州代表取締役会長・唐池恒二氏の実際の経験を基に書かれた「仕事本」。本人曰く、笑いと涙と感動こんな❝ビジネス書❞見たこと無い!とのことである。

 名経営者が自身の経験を紹介している、貴重な本だと思います。本の活用次第では唐池氏から一対一でビジネスや生活の場での薫陶を受けているのと同じと言えると思います。

2 この本のOne Pointエピソード

 この本に書かれているエピソードの中で印象に残っていることを一つ紹介します。

 唐池氏が若い頃、「国鉄バス棚倉営業所」に所長として着任した時のエピソード。所長と言っても部下は皆、年上で熟練したクセが多い社員ばかり。国鉄本体から派遣されてくる所長に敵対心を持ち、始めは唐池氏を皆で無視するのです。

 そこで唐池氏は毎日、社員に「おはよう!」と挨拶をした。しかし、だれも返事を返してくれない。それでも、毎日、「おはよう!」と社員に挨拶をし続けた。でも、誰も返事を返してくれない。継続すること二週間目、「おはよう!」と挨拶すると一人の社員が僅かながらかすかに、会釈をしてくれたような気がした。

 さらに挨拶を継続すると、ついにその営業所のボス的存在の社員が唐池氏に「所長はどこの出身なのかね?」と声をかけてきてくれた。その噂は広がり、その日を境に「おはよう!」と声を変えると「おぅぅぅす・・・」、「おはよ・・す」と返事を返してくれた。恐らくおはようと言っているのだと唐池氏。(やったー!)と心の中で唐池氏は叫んだそうです。

 唐池氏曰く、「二メートル以内で語り合うと、人は心が通じ合えるようになる。」


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