下請けに対する無駄な修正指示について

最近、下請けいじめが横行しているように見受けられ、デザイン修正においても2万回程の修正指示を出したりと、信じられないような下請けいじめも目立ってきているようです。

私も、過去にそういう度重なる修正指示を客先から受けた経験もありますので、今回はそれに関する話です。

些細な修正が異様に多い

本当に些細な修正が山盛りでした。

文言の修正もあるのですが、修正の必要があるのかと疑問に感じるような部分が多く、ほとんどが些細な言い回しや、語尾の修正であったりと、文章自体の意味に変化がないような修正ばかり。
そこまで修正するのであれば、原稿の段階から修正しておけよと。

CSSに関する修正もありましたが、配色の修正にて、指示自体は16進数カラーコードなのですが、よく見てみるとRGBの1色の濃度を256段階のうち1段階だけ下げるような修正であったり、font-sizeを16pxから15pxに下げるような修正であったりと、それならHTML・CSSを作る前から共通事項として定めておけよと。

しかも、修正指示が適切な文章であるかというと、そうでもなく、ものすごくわかりにくい、という以前に本当に大人が書いたのかと思うような稚拙な文章もあり、意味がわからないだけでなく、こんなのに余計な仕事を増やされているのかと憤りを感じました。

「トルツメ」が多用されており、これはいわゆる業界用語で、文章のその部分を削除して、左へ詰めるという意味なのですが、デジタル文書なら自動的にツメてくれるし、ここまで文章の一部分を削除するのなら、修正後の文章を丸々くれれうばいいのに。
しかも、こうも業界用語を連発されると、上から目線に感じてしまいます。

いちばん腹が立ったのは、修正箇所と内容を示す吹き出しないが空であった事。
白紙の吹き出しを置く事により、削除を意味するのでしょうけど、言葉すらないのかよと怒りを覚えました。

そのような修正で下請け側はどうなるか

それだけ修正が増えれば、下請け側の作業員にも多くの負担がかかります。

当然、残業も増えますし、特にバカげていると思ったのは、修正が来るかもしれないから20時まで残業して待機してくれと。
残業自体は下請け側自身の指示ではありますが、客先もわざわざ残業をしてまで修正指示を出してくれてるとは、じつにご苦労な事です。

20時まで待機するという事は、もし修正があればその後も対応するという事になります。
そうなると21時、22時と残業する事になるわけですし、客先自身が長時間残業をしろと言っているようなものです。

素人は口出しすな

発注した顧客がいくら度重なる修正をしたところで、最終的にその価値を決めるのは、その商品を手に取るエンドユーザーなのです。

デザイナーやWebサイトを制作する人は、そのエンドユーザーの目線になって考え、その人たちが欲しくなるようなデザインや仕組みを作っているのです。
そこに、発注者である顧客が口出しすると、それらの配慮が台無しになり、顧客基準の技術水準に下がってしまいます。

デザインでも、顧客が口出しをすれば、エンドユーザーを狙った広告が、いつの間にか顧客である発注者を狙ったものとなり、Webサイトにおいては、中途半端に知識のある人が口出しをすれば、一昔前の手法ですらゴリ押しされるのです。

制作会社の人は、顧客の道具ではなく、それなりの専門知識を持った人たちです。
作る物がよほど合わなければ問題かもしれませんが、そうでもなければ、その人たちの戦略も信じて任せるべきではないでしょうか?

要するに・・・ヒマなのか?

ハッキリ言いますと、客先もヒマなのかなと思います。

文章修正であれば、最初から原稿を吟味しておけば、こんなに頻繁な指示もないわけですし、CSSの配色やフォントサイズも、最初から共通事項としてを定めておけば、CSSのカスタムプロパティにでも定めて置き、制作中にも一定の値を指定できるようにし、後で一括での修正も可能に出来るのです。
なんなら、基本フォントサイズと基本色を変えてくださいという指示で済むはずです。
それにしても、わざわざカラーコードまで指定してくるとは、カラーピッカでも使って調べているのでしょうかね。
CSSの値を指定できるぐらいの知識があるのなら、もう自分たちでやればいいのに…

このような、超些細な超特盛の修正指示を出してくるお客さんは、本当にヒマなのかなと思います。
修正指示を出す側としては、どうしても成果を出す必要があるから、とりあえずほんの些細な事であっても、とにかく数出せばいいと思っているのでしょう。

そうやって、今日までにと言って、明らかに残業が発生するような要求をするのは、他社に対して、間接的に残業を強要しているようなものです。
たとえ下請けの業者だろうと、他社の都合も考えられないようでは、企業として失格です。

しかし、こんな事をするぐらいなら、成果物を早いとこ回収して、自分たちで修正した方が早かろうに…

制作会社は発注元のオモチャではない

いくらお金を出している、独占的に契約をしているからと言って、制作会社を、いいなりにしていい理由などないのです。

制作会社の人も人間です。些細な修正ばかりで時間を取られていては、他の仕事も出来ないばかりか、心も体も病んで辞めていく人も出てくるでしょうし、制作会社としても損害を被るわけです。
そうやって人や下請け業者をつぶしていくのが楽しいのでしょうか。

それに、デザインもWebサイトも、エンドユーザーに訴求するためのものであって、発注した顧客の自己満足のために作るものではありません。
その事をわかっているのかも疑問ですし、本気で共にいい物を作ろうという気もないのでしょうか。

もう、最初に提示したデザインや仮組みから外れるような修正が発生したら、その分も必ず追加料金が発生するような法が出来ればいいのに。
制作者側のミスであれば、制作会社の人が協力して、間違いがないかどうかをチェックすればいいわけですし、もしチェック漏れ等で、最初に出した案に満たないのであれば、それだけは無償で修正を行えばいいのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?