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うねりノート

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うねりの物語。 ー私は毎日他人になる。
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記事一覧

うねりノート#8 私はあたため続ける

私は助産師だった。 手に抱いている赤ん坊はあたたかい。 が、心臓の振動が感じられない。私は…

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うねりノート#7 私は写真のフィルムだった

めがさめると、さわやかな初夏の日差しを感じた。 私の体は透け、光が体を貫通している。 私…

うねりノート#6 今日は目が見えなかった

今日は目が見えなかった。 外で隣人が鉄製のアパートの階段をガシン、ガシンとはたいている音がす…

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うねりノート#5 私はうさぎになった。

私はまだ子供のままだった。星空を眺めながら寝て、 雪に埋もれて、うさぎの夢を見た。 うさぎ…

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うねりノート#4 星は瞬いていた

子供は空を見ていた。夜空だった。 私は子供になってみた。 子供はひとつの星を見ていた。星は…

うねりノート#3 私は子供を育てることにした

私は目でみて「なろう」と思ったものになることができる。 「明るく社交的」「皆さんと仲良く…

うねりノート#2 私は毎日、他人になる

僕はあいつが嫌い。 きらいというか嫌悪というやつだ。 うすら背が高く、人の機嫌を100%とれることがわかっている笑顔をする。 私だけはあいつがそれをわかってやっていることを知っている、だから99%だ。 やたらめたらに愛想のいい人を僕は信用しない。 「愛想」だけでどれだけの金を、優しさを、人から奪ってきたか。 あいつは僕の嫌いな自己愛に満ちたやつだ。 他の上辺だけのやつらの中に紛れ、生意気なことを平気でいえるやつだ。 僕とお前の関係はそこまでにいたっていないので、平気な顔

うねりノート#1 私は少年だった。

自分のたのしみのために物語を書く→わかる それをアップロード、出版する→わからない。なぜ…

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