🏛️エレンコス〜問答　2024年度上半期

📌2024 1/6  知る事と行動する事のもどかしい狭間

何せ年初も年初、元旦に北陸で地震が発生してしまったものだから、書き出す物の質を考えてしまったり、予定を変更したりである。現在、未だ被害の全状況が伝わっていない様に感じる。

ふと立ち止まって考えると、これも奇妙な話である。

何が不思議かと言って、この高速情報流通時代。被害状況の情報、視覚面においても文書においても洪水的な氾濫になってもおかしくないのだが、その様を呈してはいない。情報が舗装、統括されているのか？と問えばそうではない。感覚的にだが、どこか鈍さ、の様な物を感じる。

現時点での政府の対応は、冷ややかに受け取られている。綿密に書くのは避ける。まだ余りはっきりしていないのだから。ただ、筆者の感覚に触ったある種の"鈍さ"には連なっている。この"鈍さ"。非常に嫌な予感がしてならないので、この点を少し掘る。

AIというものは情報伝達の高速化の為のツールだ。その他にも用途はあろうが、ここではこの点に留意。情報の伝達が速ければ、何が起こるといって行動が、的確な判断と行動が為し得る、という事が本義だろう。AIの機能の技術向上が年々いや増して行く事が明らかであるのに、人間の採る行動の速度、それも的確性、正確性の外れない行動、この点は？何となくの予感なのだが、反比例していないか？

人的ミス、ケアレスミス、こうした物は相当に予測し難い。AIを使用して近未来予測を入力し、凡ゆる不安材料を検査したと仮定する。AIは無限に近い予測事項を弾き出すは出すだろう。ただそれを選ぶのは人間の知能、アナログな訳で。

今件の何となく感じた"鈍さ"、情報に関しても行動に関しても、もしかしたら当局にしろ民間にしろ、届けられる情報は早いは早いが選び取れない、躊躇われる、そんな事象が滞りの原因かも知れない。

正しい、価値ある情報が届いているのに、行動に移せない、決断が出来ない。歴史学を愛する方々に今稿を読んで頂けたらニヤリとさせてしまうかも知れない。そんな話にならない事件が山程あるからだ。

デスクの上に、貴重な情報ペーパーがある。今の時代でいえばそれぞれ手に持っているパネルにその情報は映っている。しかし、人間という者は価値ある物が手元にあるだけで満足し切ってなおざりにしてしまう。怠惰というか怠け者というか。そして少し時が経つと、他の関心事に気が移って、それがデスクの上にあった事、パネルに映っていた事すら忘れてしまう。AI及び現代のテクノロジー・技術が更に進み、そのある種の人間の動物的な怠惰になる傾きを補強、矯正してくれる未来は多分永遠に来ない。

📌2024 1/15  　赤い冬

去年中頃まで暖かったのだ。それすら忘れる。しかし寒くなって良かった、と思う。このまま冬が来ないんじゃないか…と不安を感じていた。それはつまり異常気象の加速化の真っ只中で、いよいよ冬の来ない地球になるのか？それは一体どの様に人類に作用するのか？大体、人類やってられるのか？そんな事を思っていた。
冬が赤い。羽田が燃え、北九州が燃え、目白が燃え。第一政党の泥袋が破かれ、お笑い芸人の頂点の闇が暴かれ。炎上、とはソーシャルメディア上のアカウント破壊現象を表す流通ワードと化したが、古くからもスキャンダルには燃える事を表す言葉が当て嵌められ、流行る。

燃え方が甚しい。権威的な筋の炎上は今年の物ではなく、去年から始まっている。飛び火や可燃がより激しくなっている。振り返れば、元首相が銃殺もされている。その件の何やかやがかなり曖昧なまま。

まだテレビの話をしているのか？すまんな、テレビな世代な者で。テレビはもっとつまらなくなるだろう。個人的に松本人志にそれほど思い入れのある者ではなく。良くも悪くも別格に面白い人だったのだから、その不在の穴は誰にも埋められないだろう。

ジャニーズ事務所の崩壊劇と合わせれば、テレビの画面の90%方の消滅と見出せる。この事務所のタレントがまだまだ活躍はしているが、その堅固な支持者達が創業者による性被害者を精神的に追い詰め死に至らしめている。それだけ強い団体な訳であるが、裁判という物は、進む。法は冷然と長きに渡った犯罪の善悪を腑分けして裁定して行く。かつて法を捩じ伏せられた創業者はもういない。その冷酷な前進に、人気商売という質の物は耐えられない。

目白の御殿の焼失に昭和の終わりの光景を見る。寒々と。能登の人々が寒さに震えている。コントラスト、を超えてシンクロしてしまっている。主のいない御殿が燃えた。その主はかつて、北陸の繁栄に身を賭けた人だった。"この雪深い所に…"その感謝が昭和の名宰相を支えた。彼への感謝の結晶が燃えた。北風と共に消え去った。時が流れたのだ。もう彼の事を覚えている人はいない。

羽田が燃えた。赤く燃えた。飛行機と飛行機の衝突で。空港で絶対にあってはいけない事が起こった。羽田、それはこれから先の世界に向けて日本を導く先鋭であった。成田を超えて、更にその先に。羽田の躍進と日本の未来は合わせて一つだった。だった。つまり過去形にする。あってはならない過失があった場所に繁栄とは芽吹かず。トータルバランスを崩して行って、朽ちる。歴史では普く国家の盛衰、そうなっているから多分そうなる。

あってはならない事故が、羽田にも永田町にも、この島国の彼方此方に。

あってはならない、と人が勘違いしている大地震が起こった。それも元旦に。大地震は起こるものなのだ。ならば？我々は迅速な事後処理能力を高めなければならなかった。今の能登の人民が苦しんでいる因の多くは、まだ現状は詳しく判らない、と放すのではなく、我々全国民的な怠惰と見るべきだろう。

冬が赤い。昭和が燃えた。破裂せんばかり、パチパチと燃え木が弾けている。テレビという家屋が焼けた。真っ黒になって残った柱、そこにはもう誰も宿らない。
そうして我々は、我々の全く思いも寄らない所で我々の知り得ない何かが盛んになっている事を、何かの拍子に知る。"昭和"は炎にとって可燃材、そしてCO2である様だ。今年は、"昭和"であれば"昭和"である程、着火し易く火災となる年となる、いや…もうなっているか。

📌2024 1/22 　"ツァー"は三度微笑む

イスラエルの戦火拡大が激しい。特にこことロシアを結び付ける意図はない。どうせ血眼になって追って情報掴んでもすぐにすり抜ける。素人に掴める様な甘い痕は絶対残さない。イスラエルの戦意向上が日を追って上昇しているのだから、日本は立場を求められざるを得なくなるだろうが、適当にしらばっくれるんだろう。そして決断する気力もないだろう。つまり我々国民は無意識の内に過度な保守思考の過程に日々を送っている。平和である、とは保守的な生活経営を乱さない流れで、物事の急展開に対応出来ない。

イスラエル、ロシアとこれだけ激しく戦争起こしていれば、当然事項、武器の業界が潤っている事だろう。作れば作る程、売れる。それはバブルを起こしその商売に乗った方の財政を潤す。そこがまた強くなって発言権を増す。中間地点に立っている事は、その集団の弱体化を示唆する。強くなれ、とは言わない。ただ世界のパワーバランスが激しく上下して、その内エコノミックな問題で頭を打つ。それは目に見えている。

しかしロシアの戦争長期化の作戦は時が経てば経つ程功を奏している。例えば、ウクライナへの感情が日本に置いてほぼ持ち上がらなくなっている。ニュースに流れない、とは一般大衆が関心を持っていない事実を物語っている。まあ、一般大衆に関心を持ち続けよ、とは無理な話。それは追及しない。ただそろそろロシア文化を求める気が民の中に頭を擡げ始めている事は特筆すべきで。戦争前よりロシア文化に愛着のある人、そして何らかで元からロシア関係で仕事をしていた人、仕事をしようとしていた人、それはいた訳で。そして今もいる訳で。ウクライナ侵攻の長期化で誰がどっちが悪かった、など風化し始めて、下手したらウクライナの文化だろうがロシアの文化だろうが関係なく楽しみ始める…始めてる？もうその気配がある。

その点で戦争長期化の策は強大なのだ。

音楽？チャイコフスキーがいる。この戦争に反対ならばそれはNGなチョイスな筈だが、もう高々と演奏され始めている。例えば、スケートは？この国の氷上の舞踏の訴求力は素人目に見ても段違いである。ファンならば、もうロシアのそれを渇望している事だろう。我々文学の者にとってはロシア文学は特別であるが、ドストエフスキーに関しての考察文を個人的に控えているのだが、躊躇われる。ロシアの文化を讃えれば、それはウクライナの民への冒涜へと繋がる事を我々は改めて自覚せねばならない。

例えばこんな話を聞いた。ロシアで映画作品を公開すべく準備している、と。戦争はしていますけれどね…と。彼の言葉から、ではウクライナ侵攻への善悪は？等の話は出て来なかった。"戦争はしていますけれどね…"そこから先の言葉が出ない。つまりは商いが優先であり、この戦争、どっちがどう悪いなんて俺には判んないよ、と。人間とはこうである。ロシアへの海外旅行のツアー参加など、そろそろ考えるか？ほら、プーチンがまたニヤッと笑った。

📌2024 1/31 　魔法のグローブ

大谷翔平から、子供達へのプレゼント。
夢があってとても良いなぁ、と思っていた。スターは夢作りも上手いなぁ、と感嘆していた。
それが日本全国に届けられる過程で、幾多残念な件が起きている、とニュースで見聞きして、またガックリと。何でかなぁ？と。
その残念な件に関して詳しくは書かない。書いてもあまり意味がない。だがここはエレンコス、考える議場だ。では、どう論点を当ててみるか？
このグローブは試金石となった
つまり。普通の大人なら、子供達に届けられた贈り物は、子供がその箱を開ける所から見たい、見ていたい、と。そして子供達だけがそれに触れて、大きな野球選手の"手"を感じ、何だか嘘みたいな体験を出来る、と。それは学校にいる全ての児童が、大谷選手の"手"と触れられる、特別な体験をさせてあげたい、と自然に思うもの。

そこに、あちこちから、そして影から、何某かが大谷選手から子供達への"魔法のグローブ"に手を伸ばした。

これは何か？何がそうさせるのか？
このグローブは"魔法のグローブ"
心の穏やかな者と邪な者を別ける。
それが現象となって現れた。
邪な意図があってこの"魔法のグローブ"に何かした者は、この『夢』を守りたかった者からそれを非難された。
大谷選手の思いをそのまま子供に伝えたい故。
ただ、これは明るみになった件のみで。裏でこの"魔法のグローブ"に何かしたであろう連中の事が容易に推測出来る、それを思うと、実に、残念でならない。

結論、というか、まあ結びとして。
大谷選手としては、子供達が野球や遊びでこのグローブを沢山使って、破けたり傷んだり、そんな事は全く問わない、寧ろ嬉しく思うだろう？だが、雲の上の存在である"大谷翔平先生"から届いた大切な頂き物であるこのグローブは、何か囲いの中に安置して決して悪戯に持ち出さない様に守る。そして、それを"子供達だけでなく一般の皆様にも見える形にして"と謳い、子供達の手の届かない所で厳重に持って管理する。

要して、そうした少なくない人々は、"夢"を作る、作ってあげる能力がない。"夢"を持つのは確かに困難だ。"夢"を叶える事は不可能に近いぐらい難しい、いやほぼ不可能である。そうして人生踏んで来た人々なものだから。そんな自分達だから。

"野球やろうぜ！"

この言葉の真意は、子供にしか届かないだろう。
試金石、"魔法のグローブ"はかくしてそれぞれの施設のどこか子供の近寄らない様な所に保存されて行くのだろう。

大人達は自分の心を試される事が、耐えられない。

📌2024 2/8 　 因果律、それは古い懐中時計

火の手が上がる、日を追う事に状況が悪化する。平和とは何か、そんなもの存在するのか？と忘却に近い意識の希薄さを報道を聞いて思った。中東出身のある方の意見。

「元々、平和なんてものは前からずっとなかったのかも知れないね」

この方はごく一般の民である。故に、大きく収拾不能の状況に右往左往させられ続けて生きて来た人である。現在では日本に住んでいるから少なくとも自分の周りだけは平和なのでは？と疑問が浮かぶが、そうではないらしい。ここが日本人と外国の人の意識の違いである事に留意。
日本に住んでいても、本国の諸事情で日本に移っている人にとって本国の状況が悪化しているだけで、この日本という国でも平和を感じられないのだ。

イスラエル-ガザ
イラン
ウクライナ

どうも邦人、つまり日本人の犠牲者の報道を余り多く聞かない。邦人犠牲者が恰もいない様な雰囲気なものだから、世界は、中東は大変だな、ぐらいの他人事感丸出しではある。

アメリカはイランには躊躇なく反撃というか、もうどっちが先に撃ったか歴史的に、と判定つかない兵器撃ち合いにのめり込んでいる。ロシアの暴挙に実に冷静に戦略打って来たバイデン大統領、らしからぬ。実に残念ではあるが、自国の民、軍が傷付けられれば即断即決で銃火器による攻撃は加えるよ、という正にアメリカ、余りにアメリカ的な、この国はやはり未だ戦争をし続けているのだな、と痛感。

我々には他人事である
だが異国の人々にとってはまるで他人事ではなく
何故こうも安穏としていられるの？
不思議で堪らないだろう。

だが我々も何故にこうまで安穏としていられているのか、まるで判っていないのだ。

本来ここで、知る事から始めよう！なノリにして文章締める方向がお利口さんなのだが、知り得る限り知って民衆に向かってこれはこうだからこうなっていて我々も何某か行動を取って行かなければ！と大上段から吠えても、無駄だろう。それは、余りにも無駄だろう。

我々の国は亡命者や難民に対して厳しい。手続き段階で弾いてる。他国の動乱の中、落ち延びて来た人々をほぼ門前払いするものだから民にも親近感や同情心、そんなものが湧かない様にシステムで、ある意味自国を守っている。

知らない、知ろうとしない。知ったらばその時名状し得ない恐怖に嵌るから。つまりの結論で、我々日本という国は国家としても民としても、かくまで弱い、弱い人間集団である。弱いから、必死に何かから身を守っているし、強大な国家の足元に齧り付いている。

「平和なんてそんなもの、ずっと前からなかったのかもね」

我々はまあ、今の所、安全地帯にはいる様な気もするが、それはいつでもひっくり返る、というかそもそものこの安全地帯という暗黙の了解自体が、酷く他国の人を不安がらせ不審に思わせている。因果律、この国が大変な動乱に陥った時、どこの諸国からも同情されないだろう。この古い懐中時計は未だ、そして何故か、動き続けてはいる。

📌2024 2/17 　一滴の純水

自民党の金の問題であるが。

①派閥の解消
これは何をやっているのか、何というのか、脱力。もう本当は名前挙げたくないし名前を書きたくないが、岸田文雄氏である。自分が頭目張る派閥を、何故故に解散したのか？派閥を解散すれば自らのイメージをクリーンに出来ると踏んだ、と。書き記すのも幼稚な目論見だ。麻生太郎が派閥の解消などしない、と突っぱねてる方が遥かに頭目らしい。大体、首相として、そして今後も政界でやって行くのだから、自分の支持者は必要だろう？次期首相の争いを張って行った場合、会号を開いて集まった議員の一団を何と呼ぶのか？"旧岸田派"だろう。派閥解消という行動を突き詰めれば、それは民主主義の否定（非多数決＝独裁）な訳で、純民主主義を指針として活動続ける、議員を続けるならばそもそもの自民党を離脱して無党派個人議員として活動するかせいぜい名称の違うグループを作ってお茶を濁すかで、100%後者しかなかろう？

②金をカネと書く
金、政治活動の資金繰りの困難さは周知の通りだ。故に、元手のない、いや少ない政治活動者に於いては資金の捻出に逞しく勤しまねばならない。これに困らない議員というのは、これも書きたくもない、元から政治の家系、資産家、有名値の高い者等々。自民の派閥の資金運用の流れがこんなに汚いんだ！と暴く角度を変えないか？何故に政界で働く者はここまで、所謂"カネ"を求めるのか？と。元は国を運営する執政官として働きたい、とその道に入ったのだろう？まあ、もっと分解すれば国会とは法を立てたり消したりする場で行政府とは別セクターである。"カネ"が目的で国会に入る事は、これも本来性が違う。では何故こうした御人が現れては後断たないかと言えば、それだけ大きな"カネ"が動いて、それを受け取れるからであり。金をカネと書くのは、その金の内のカネが出所が極めて怪しく、尚且つ全く使途不明に堆積された貨幣だからだろう。簡単に考えればカネの所在と存在意義を概念整理すれば良い。カネを金に戻してやれば、それは健全なのだから。

③キックバック制分解
要するにカネの流れの簡略化。現代の流行りである。パーティの券の売買で上げた利益を派閥運営の事務部で管理はする。ただ議員には選挙がある。故に選挙の際は派から援助金が出る。選挙の度にこの交換が行われる労を、所謂"効率化"の為省いたのだろう。だからあそこまで嫌疑を掛けられた者が挙げられた。それは派閥内、というか自民党議員の全て構築されて普遍化されていたシステムに疑いを向ける者などいなかっただろう。そういうものだった、それが当然だった、そこでシステムの甘い部分に付け込んで暴利を得ていた者はあいつはそういう奴なんだな、と片目瞑って他人事。どこの会社でもありそうな日常風景だ。

④ならば
自民党の擁護する訳ではないが、他党はどうなんだ？と。厳密に捜査してみたら面白いと思う。やらないだろう。国会が機能しなくなる。それだけ大小問わずの民主主義国家内の政党の資金作りにはからくり仕掛けが数多ある。安倍派が大火事になったのは、このシステムの詳細をかなり踏み込んで理解していた者（複数か？）のリークに拠るもの、加えて捜査する側への含み金を途切らせた（減少させた）事の二点か。安倍派は頭目も失って、そして恐らく事務方の大目付も何らかの件で失ったか、離れたのだろう、大きな組織が弱る傾向の典型の様に見える。

⑤Mr.Smith goes to …
初めから邪な者達ではなかっただろう？
最初はもう少しピュアな志望を持ってその道に入っただろう？
ちっぽけなテーマでもそれを実現させる事の困難さは此方も心得ている。
邪なものがいつどこから心に入って胚胎するのか？
それは政局にいる者に限らず。
これを書く自らも疑って。

かつて大久保利通は暗殺された後、莫大な借財があった事が露見した。大久保こそは深く濁った幕末期の宮中に潜り込み、御一新期に第一執政官となった男だ。やはりカネの甘味に嵌ったのか？だが一方、大久保に近かった者の証言を。

"大久保卿は、学校の建設費用で公費では足らなかった分に私財を投じておりました"

政敵を追いやる事、兎角冷酷無比なこの伝説的宰相も心の奥底に綺麗なものを残していた。

これだけは綺麗に作りたかった
また一方

ミスター・スミスは最後まで政界に呑まれずに、自ら"正しい"と信じる心を守り通した。

『Mr.Smith goes to Washington』

とても古い、ピュアな映画である。

📌2024 2/26 　 反逆者・零

ロシアでアレクセイ・ナバリヌィが殺された。振り返れば、コロナ発生、ロシアのウクライナ侵攻と今日日まで本当に要人暗殺の件が増件している。我が国も安倍元総理が殺害され、大事には至らなかったが岸田総理もテロに遭っている。戦争という事象が世界規模化しつつある最近、死という、いや殺される、という件が身近に起こり易くなっている、のか？死が日常茶飯事である戦争状況の各所の影響が中々不可解な形に内容を変えて現れて来ているのかも知れない。しかしイランに対する報復でアメリカがイラン軍の幹部を四人も殺害した件、流石は軍事国家、こんな上層幹部を一息に殺されては暫くはまともな軍事行動出来まい、やる事が阿漕、を通り越して、やはり再考してこのアメリカという国は常に軍事的であるのだな、と思考停止的に馬鹿みたいに唖然とする自分の像を表記しておく。

ナバリヌィの死は、やはり“暗殺”事件の本道、所謂“暗殺”事件なのかどうか確かな点はあやふやに報道が伝えられた。現在“獄死”と付されて遺体は家族にも隠されて、全く事案の詳細不明な闇事件の壺の底に投棄されそうだ。

民主主義、という概念は一体何なのか？

プーチン及び当局は一応世間体（というよりも世界に対する面目）上、我が国は民主制を掲げた国家であると宣する。民主制であるならば一応は政情安定、平和を希求する国家である、と言明している…という事が普遍的に了解概念にはなっている。

ロシアが戦争を起こしたならば、その戦争は体裁的にも民意に沿った施策で行わなければならない。まあ周知同然、そんな過程は踏んではいない。大体、議会上の手続き踏んで戦争仕掛ける間抜けな将などいない。やる時は一気にやるし始まるものだ。

ナバリヌィが蝿の様に小うるさい人物であっても、民主制を標榜するならば、それは一個人一意見として受容して、飽くまで論議で意見交換して帳尻合う点を皆で希求せねばならない。だがそんな事は夢物語である、とはこれもある意味世界人民普遍的了解事項。

単純に考えれば、次期選挙で極めて不都合、手強い相手となる事だろうから“消した”とも取れるが、そんなに単純か？そんなに単純であるかも知れない。だが推考の進む航路を複雑な方に選ぼう。

ナバリヌィがプーチンにとってそこまでの脅威なるとは、経歴をザッと見ても、思えない。大体獄に繋いでいるから選挙には出れないし、地下活動的に情報網駆使して選挙でプーチンを引っくり返す謀略打ってみた所で通じない。欧米諸国にコネクションがある、とは言ってもナショナル・ポリティック上、彼にそこまでのアンフリュアンセー、影響力有る人物だったとは思えない。マガジン表紙向けの政治パフォーマーとしてのアイコン的価値、ぐらいしか感ぜられない。まあ敢えて失礼を踏まえて、代表的な者を挙げれば、アウンサン・スー・チー、ダライ・ラマ、周庭等と同系統か。かなり意地悪く言ってしまったが。

筆者が“ツァー”だったら泳がしておく。実の所の本性が国家主義者の信念を持つナバリヌィの何らかの活動を許容しておけば、勝手にロシアの体面的民主制の良好を宣伝してくれる事になるのだから。それをプーチンが殺すか？疑わしい。故に、どういう系統からのナバリヌィ氏の殺害指令かは見当付かないが今件、ロシアという一国家としては大変不利益、マイナス以外の何物もなく。これまた良くない言葉を記すが、本当に馬鹿な事をしたものだ、と。ロシア民主主義・零、と触れ回られても仕方なく。

📌2024 3/6 　 少子化云々始末

これは筆者の個人的な考えて続けている命題なのだが、現代では少子化の原因が先行きのどうもネガティブな展望しか見出せないから民は子供を作らない、と普く一般論として通っているが、では何故1945年の後にベビーブームが起こったのか？と。先行きが見えない、の程度だったら当時の方が真っ暗だっただろう？後世の我々から見たら、その後の復興の鰻登りありきで歴史を見るものだから当然的成り行きに感じるだけであって。

故に、先行き、社会の将来展望がネガティブだから民が子供を作らない、のではないだろう。

少子化省、というのか、あれは？奇妙で不自然な公的なセクターがあり、そのテーゼ、解決に向けて活動している様に見えるが、ほぼあべこべで空回りしている感が否めない。

それは本質的な少子化なる事象の研究をシリアスに行っていないからだろう。

“哲人政治家”なる幻想的な概念があり、プラグマティックに機能する可能性がほぼない概念ではある。ただこの要素は、公務に服す何某かの精神の根底にこの一粒、あり得るべきであるな、と消極的に鎮静的に薄らと思うあたり、筆者も甘ちゃんではあるな。

事象を解決するには、物事の本質を理解し切り対策を立案し実行する行動力が不可欠である。

この“少子化”事象の根源は何か？これは哲学的なテーゼ。故に哲学を心得ていなければならないだろう。この学問には相当量の時間と労力と忍耐がいる。知識は常にリストレイションしていなければならないし、年月経て伝わる謂わば因習、不合理な慣わし等にも見逃せない価値を押さえられる知的鋭敏性を持ち合わせていなければならない。

今、筆者の導き出せる結論は。
少子化対策、と銘打つならばその反対概念に行きたいのだろう？ならば、多子化社会にしたい？いや、そこまででもなく人口を所謂世界的平均値にしたい？ならば反対題目、というか政策がどの方向に民を運んで行きたいのか明示すれば良い。年金がどうの、国家として税収が減ずる、等の負の懸念、それはそちらさん、つまり政府であるが、そちらさんが困るから民に人口を増やせ、子供を作りましょう、と。指針も明示しないでモヤモヤの不安の解消のみで動いているものだから、我々民に不信感しか想起させないのだ。

人が普通に結婚して、普通に子供が出来て、家庭数が豊かになって行く方向が望ましいのならば、障害となるネガティブな因子を漸次切断して行けばいい。金を盛る盛らない、ではなく金の掛かる原因、それこそほぼ因習化してしまっている児童育成の通過過程にあるキャリア作りをマクロの指示位置から削除すれば良い。つまり1945年後の壊滅的国民状態時には、現代よりも児童の成長過程に現代程の障害がなかった、と結論付く。

📌2024 3/11  　“ReSF”の光線

SFの小説や映画が随分と作られなくなった。作られてはいるのだろうがあまり見聞きしない。

面白いSFは過去形
不思議な違和感を楽しむ物
思い浮かぶSFは相当の過去。もう既に現代はその世界を追い越している。
そして、数多の作家が物した作品とは違った形となって科学や技術が進行している。

手塚治虫の言葉で、“遥か先の未来を予測するのは簡単。少し先に来る未来を予測するのは難しい”、と。今面白いSFを作ると仮定すると、そして手塚の言葉や思いに忠実に作るとすると、それは困難ではあろうが面白い物が作れるかも知れない。
大体、昔はロボットにロマンを馳せるのがSFの主流だったが、もうそれは懐古趣味の方。

メトロポリス：F・ラング
スペース・オデュッセイア：S・キューブリック
スター・ウォーズ：G・ルーカス

と、もう古道具屋のレアな玩具感が付いている。
我々の生きる現代はロボットよりもパネル。これは昔の作家がこうなるとは誰も予測していなかっただろう。既に人間は赤ん坊の時分から、パネルに指這わせて育っている。

これから先の未来は？

このハンディ・パネルに擬似的な“命”（そんなものは存在しないのだが）を持たせよう、と躍起になってはいる。

このパネルの検索機能は“ロボット”だとは言われている。だが誰もそれをロボットとして認識はしていない。

パーソナル・コンピューターの目覚ましい躍進の最中にいるのが現代。パーソナル・コンピューターの完成形は“アトム”でも“ドラえもん”でも、“HAL”でもなかった。逆に人型ロボットというのは実用化されていかない気がする。

現代は普く、“スマートフォン”という形でパーソナル・コンピューターのハンディ化が促進した。アフリカの内戦でも人々はそれを翳して状況を記録して、世界が閲覧出来る様に配信した。

ここからの近未来は？

我々は見方によっては既にパネルに支配されている。故にパネルを支配している何某かが人々を支配する。我々はもうこのハンディ・パネルを手放せないだろう。
このパネル・ツールを悪用して人々を洗脳して、特異な集団が生まれ、しかも分類不能なまでに増殖して、旧体制に抗い、それぞれ集団同士でいがみ合い、国家の在り方や構成が洗剤の粒の様に溶けやすくスベスベで、それでいて良く混ざらない。
パネルは活用するが倫理は追究されない。されないが、パネルから発した“リンリ”には容易に従う。

かつて“ファミコン”の愛称で呼ばれたゲーム機があった。初期のソフトには原型であるが故の分かりやすい陥穽があった。それは、そのゲーム過程において全て障害を達成すると、また再び“1”からゲームが始まるのだ。それは色や操作機の速度を若干変えて“1ダッシュ”の様な形に変じて無限に繰り返される。

無限に引き込むのだ
そして人間の生命の有限性を消費する
それに呆れてゲーム機を手放すか、そのまま無限に嵌まり込むか

ゲーム機のクリエイト能力は更なる躍進を続け、その無限過程への懐疑を娯楽性豊かにして判り難くさせている。

無限は何処まで行っても無限だから

我々は一人一人が“バンクシー”である

それが出来るツールは我々の手にひたりと張り付いている。

遥か宇宙の果ての冥王星から、パネルを片手に持った飛行士から地球に映像が配信される。そしたらば、その飛行士は冥王星を橋頭堡としてまた更なる未知の星を目指すだろう。

そして見つけた星から、また映像を地球に配信するのだろう？

その内、墓石にもパネルが嵌め込まれる。その墓石には生前動いていた故人が映り、近親者に過去の思い出を偲ばせる。

一方、我々はパネルを置き、本当の一人の時間を欲する。情報伝達・交換の強迫観念から逃れる為に。

SFの結末はブラックな方が良い。我々は心のどこかで、こんなパネル社会、いや全般的に科学の進歩に、嫌悪している。

SFでも書こうか？
この気持ち悪い“♾️”に抗う為に。

📌2024 3/20 　 “あなたは選挙に行く？”

プーチンの再選である。出来レースではあった。事前のタイミングでナバルヌイが獄中で殺されている。

これのどこが民主主義であるのか？
選挙とは？
多数決とは？
所謂“民主主義”を標榜する各国は何を見ているのか？
思う所は無いのか？
そして何故声を上げないのか？

上記、民主主義なるシステムを固く信ずる者ならば思って感じて真っ当自然だとは思うが、随分と声が小さい。これの方が、筆者は“何故”と思うのだが。本当の所、皆所謂“民主主義”など信じていないのでは？

ベクトル変換。

『国家を国家主義にするのは簡単な事だ。自分達に異を唱える者達を“非国民”と弾劾すれば、すぐ靡く』

これは確かゲッペルスが言った。ここに善悪の判定は一時置き、この行為を“簡単”と認識していた点に朱塗りしよう。

上のゲッペルスの言をパネル化して現在のロシアの政体に這わせればピタリ、嵌る。誰も怖くてこの“ツァー”には逆らえない。

故に、“民主主義”体制に則って“帝政”が継続する見通しだ。

ロシアだけか？
米国はトランプ前大統領。国会を小規模の支援勢力で議決を覆そうとした。それが再選を目指しているが、何故彼が未だに権力を目指すのか？ルール違反を犯した、正確に言うと過激支援勢力の事実上責任者であった故、民主制内に於いて立候補出来る資格が剥奪されていて当然（裁判は継続中）であるが、既に大統領選はトランプ勢力の滑走でスタートしている。

トランプが共和党トップに鎮座している理由に、上掲のゲッペルスの言内の“恐怖”、謂わば“テロリズム”の観念が嵌るだろう。

米国は各個人レベルで武装出来る。厳密に言えば、我々とて個人レベルで武装は出来るのだが、日本以外の国では個人ー武装の間隔が非常に近い。というよりも人の手と武具の差はない。トランプ支持の界隈で反対候補を擁立するならば、各トランプ支持の個人的武装グループと武器を持って戦う気概がなければ、恐らく殺される。

『民主決議で通らなければ、武力を持って通すまでよ』

民主化とは何なのか？
やっと所謂“民主化”の成功したかに見えた国が、あっという間に軍事勢力に政体を覆されている。

日本こそは堅固な民主主義国家であるのか？

候補者の地盤の固い地で立候補すると、その土地で生きていけない程追い詰められる、という話は幾らでもある。

故に結論として。

あなたがもしも国の今後に憂いを持ち、立候補して、所謂“民主制”のルールに則って為政を執りたいならば…
まず自分の支援者達に軍事的な訓練をさせるべきだ。この訓練されたあなたの支援グループはあなたの対立候補とその支援者をほぼ軍事的に攻撃するだろう。その“恐怖”は、その対立派にそれ以上の支援者を増やす事を妨げ、勢力を駆逐する。
そして褒賞を、自分の支援者達の満足する褒賞を自分の出来得る限り与え

そう、“与え”て

最後にあなたが勝つ瞬間に立ち合わせる事を確約する。
あなたの勝利が、最もあなたの支援者達を喜ばせる。そこに何故か支援者達各個人は私益をさて置き、あなたの勝利に無上の達成感を得る。各人の人生が、あなたの勝利によって満たされるのだ。
歴史上の名だたる民主的英雄達もそうして来た。
あなたも、その道を選ぶべきだ…
以上、悪魔擬きの囁き。

だが、今稿の冒頭に視線を戻せば、現実もそうなっている。人類に精神的に独立した個人などいない。多数決ならば多数を形成するテクニックを覚える事が、民主主義という物語の実情だろう。

📌2024 3/28  　神々の転落

この社会時評、毎年末に年度で最も目覚しかった人、残念だった人、とエントリーする事を勝手に行っているのだが、去年末から年始にかけて、の時点でもう既に残念だった人は決まっていた。決まっていたというよりはどちらかと言えば筆者が決める、というのではなくニュースから情報を受けて“残念だったなぁ”との印象大な人を客観的に判定して記録として書く物である。まあここまで読んで頂いた方は、“ああ、今年の残念な人はあの人にしようとしてたな”と容易に想像付く事ではあろう。

しかし、“あの人かなぁ”が日を経る度に覆る。

煙幕焚いて誤魔化すのをやめよう。
一月の時点で既に松本人志かなぁ、と思っていたがここ数日でまさかの水原一平だろう？そして水原個人から出発し最終的に残念さが行き着く先の人物と言えば、申し訳ないが、大谷翔平、と。まだ三月である。まさかまさかの大返しが連発しているこの状況では…松本、大谷と件の判定は現時点でついていない。故に、松本シロの可能性もあるし、大谷も同じく。

筆者として考えたい“問答”としては、例えば松本人志の件で言えばその件の個人の性に関わるあれやこれやを書き散らすのではなく、半世紀近く連綿と続いた“お笑い”バブルの愈々の終焉かな？との推測から出発して視聴者の立場から“お笑い”なる一大カテゴリーのザッとした歴や社会的批評に展開したかった、年末に！と。十二月丸々費してみても構成する価値がありそうだな、と。やるかも知れない。ただ世間が引っくり返り耳目を疑う様なニュースが連発している訳で。余り書く、と明言出来ない。

この“日本”、最早国家大で機能不全寸前の状況なのか？
挙げたら切りのない大企業から大派閥までの惨状。不貞楽。

一方もう既に、去年中頃からの旧ジャニーズ事務所の終焉劇の影響が視覚的に感知出来る。

芸能人は急にはいなくならない。いつの間にか見なくなる。

我々の視覚の間隙を埋める誰かももう既に出て来ているのだが、はっきり誰とは明示し得ない。旧ジャニーズ事務所の創業者がそれだけカリスマ作りが上手かった？いやいや、人口が過剰だったのだ。人口過多の上に、その上に更に乗ろうとする個人にそれなりのエネルギーが必要とされたのだ。そんな時代が去年終わった。

車にしろ薬品にしろ。揺るぎようがない大企業だっただろう？それを今、腐敗に朽ちて行く様を目の当たりにしている。

それに代わる、代替する様な人物なり企業なりの登場はまだない。ほんの少し前の大谷翔平にはそれに成り得る勢いがあったが。今後は収束して行かざるを得ないだろう。

次は果たして誰か現れるのか？
そんな“誰か”なんているのか？

『ラグナロク、神々の黄昏』
北欧神話の最終章だ。神々がまともにぶつかり合い最後には何も無くなる。
神話的に活躍した人がいた。
神話的に頂点に上り詰めた。
誰もが羨む高みに鎮座した。
今は昔、か…
警句として。

“契約”。
何と？誰と？どの様な条件で？
自分と？自分の“将来”と？達成する事の確実性を条件として？
北欧神話の主神オーディンはその目と引き換えに膨大な情報（知識）を“知恵”にした。来るべくラグナロクに備える為だったが、結果は滅亡だった。目を失っていたオーディンには、従神達の落ち、倒れ、叫ぶ声を耳で聞くより他無かっただろう。転落して行く音のみ。だがオーディンは“黄昏”を感じ取る事は出来ただろう。

我々は？
次々に巨大な権力が転落して行く様を目で見ているが、その“黄昏”の色は見えていない。

📌2024 4/6 　 綺麗なガラスの箱

下火にはなっているが、それは捜査が進んでいないだけの事でどちらかと言えば“膠着”状態。まあ、大谷翔平の件である。あまり介入しない方が良いとは思うが、この件での云々を見て考えたい点があり、稿にする。

大谷翔平はいち企業家かな
長嶋茂雄はいち従業員かな
2人をふと比較した。

大谷はもう高校生の時分で単身アメリカで挑戦したいという明確な意向があった人だ。10代後半で独立志向でキャリア形成を考えていた。故に、日本の野球球団が大谷を“雇”わなければ、彼は初めからメジャーでキャリアを形成していた。日本の球団が熱烈なアプローチを掛けて、説得して、抱えた。

面白い視点として、日本の球団はこの大谷翔平を従業員として雇うのではなく、“企業家育成”的に、1人の企業家を育てる、そんなニュアンスで彼を口説いた。当初から大谷の独立（アメリカ渡米）込みで雇った。まあ、大谷の側の視点を慮れば、何を余計な！と。始めから自分は独立して生きているのだから関与して欲しくなかったが、球団がしつこいからしょうがなく頼みを聞いてやって入ってやった…そんな意地の悪いねじけた男ではなかろうが、そう思っていてもそんなに悪い事じゃない。だって男なんだから。

今回の件で何故長嶋茂雄を思ったかと言えば、まだまだ不明瞭な件ではあるが、長嶋茂雄がもし今回の様な件で槍玉に挙げられたと仮定すれば、これは会社が全力で守っただろうな、と。そもそも長嶋の場合であったなら、問題が明るみになる前に問題が揉み消されている。その万全の体制が、読売のスター選手を守るために構築されていた。

個人口座が云々…いかに大谷翔平というスター選手のバリューを大谷個人で統括していたか。不審な人間であろうとも創業者、つまり大谷であるが個人と特別な結びつきがあれば、その個人資産を操作し得る役職的な位置にいれた。絶対的信頼、これを作る為に血眼で取り入る人間程、甘く穏やかで優しかった事だろう。その野心や悪意を見抜く事の方が不可能的に困難だ。

長嶋茂雄だったならば、長嶋自身の個人的感情など入れる余地無く、怜悧に会社が判断している。簡単に言えば、長嶋と関わる人間は会社が選定判断して、長嶋にそれを厳守させる。相当に不自由で偏狭で歪な人的空間ではあるが、そうして長嶋を守っただろう。長嶋もそれに忠実に従っただろう。プロの野球の歴史もかなり年数を経ていると思うが、その点で日本の野球史上最も優等生だったのは、もしかして“長嶋茂雄”だったのでは？“読売”という大企業とそれに誠実に忠勤する従業員“長嶋茂雄”。そのガラスの箱の中の野球する姿は、今でも燦然と第一級の“箱物”として輝き続けている。

大谷翔平の今後は？今は不明瞭な件でけっ躓いてはいるが、長嶋の“読売”に比して大谷は“ドジャース”である。規模が違う。そして結婚。件が起こる前は大谷翔平結婚フィーバーで持ち切りであった。最重要ブレーンとして世間に通っていた者から、その役割が夫人に移る、か？

大谷が高校卒業後、真っ直ぐアメリカでキャリアを積んでいたら、こんな件起きなかっただろう。語学を含め、相当にシビアな個人主義（個人管理）を下積みながら身に付けていた筈だ。

今後ドジャースはどこまで大谷を守護的管理出来るか？大谷自身はどこまで球団の“おせっかい”を聞き入れる事が出来るのか？心の拗けた筆者の見立てで、ドジャースは傷物になりかけている大谷翔平に商売的ニーズをまだ期待持ち続けているのか疑問だ。また大谷翔平は元から独立志向の強い人物であるが故、これから更に厳しくなって行くであろう球団からの制限管理（つまり圧力）と世間からの猜疑に対して信頼回復に努めて行く事に耐えられるだろうか？と。恐らく大谷のずば抜けた特色の通じない、不得手な分野での苦戦を強いられるだろう。

箱の中の姿に傷は一点もあってはならない。誠に残念な事に、箱の中の“大谷翔平”に傷が付いてしまった。最後に反感買うと思うが敢えて言う。

未だ野球への夢を発し続ける、箱の中の“長嶋茂雄”クラスの“箱物”に、彼はなれない様だ。

📌2024 4/13 　 昭和から令和への渡し守

また残念な人が一人。高評価したい人が目に止まらないのに、この手の話は実に喧しく、すぐ登場する。何と残念な年か。今回で挙げる残念な人は川勝平太氏になる。しかし、毎月残念な人がトピックとなる。毎月“今月の残念な人”を挙げて小論書こうか？実にネガティブな事だ、止めよう。

まず最初に田中角栄の言葉を引用。但しオフレコで言ったとされる無防備な物だから、本来田中の言葉として引用するのはNGかも知れない。

“現場で一生懸命働いてる土工さん、お百姓さんの悪口を言ってみろ、わしがぶち殺してやる！”

…大変センシティブな引用文で、申し訳ない。ただ、川勝氏の話が聞こえて来た時、すぐに田中のこの言葉を思い出した。これは庶民の慨嘆。要するに、何でこんな事言うのかな？高い公の役職者が。ああ、田中角栄さんが生きてたらな…こう言うんじゃないかな…と。無論、田中が上記の言葉を言うかどうかは判らない。だが庶民な者故、こんな事を期待してしまうのである。

川勝氏の問題発言、これは非常に響きが冷たい。
一方、田中の言ったとされる言葉は暴力的ではあるが、温かい。
この差は？

恐らく川勝氏は、育ちが非常に良いのだろう。だから肉体労働に勤しむ人々とはあまり接点無く歳を経て、現在の要職に就いた。いや、苟も一公共機関の首長、そんな解答は許さない！との向きもあるだろう。それが炎上して現職の辞職まで詰められた訳だが。もしかしたら、この人物はもうこの職自体嫌だったのかも知れない。早く辞めたいな、と。いつまでこれをやればいいのか？…などと心のどこかで思っていた？無防備な、もっと言えば無意識に出た言葉にこそその人物の真意がある、とはフロイトか言った。

昭和の末期に生を受けた我々、どうも昭和から令和への“橋渡し”の役目がある様だ。最近、長嶋茂雄だの田中角栄だの、やけに脳裏にその言葉や勇姿が過ぎる。そしてその生き様に、何か我々の、そして次世代の学ぶ所はないか、吟味してしまう。

今、最現在、上記の田中の発言（しつこいがオフレコ）、これはパワハラにもなり得るしモラハラにもなり得る。これが漏れれば、オフレコでも天下の角栄とはいえ一発で辞職を国民から迫られる。何と言っても、情報ツールの超加速化時代だ。故に、NGである、公の者として。だが、川勝氏及びそれに類似した人物が田中のテリトリーにいたとして、次のリーダーにせんが為人前に出て恥ずかしくない様育てる、一人前にする、俗に言って“シメる”、“クンロク”かます、そんな人がいて欲しいな、と童心めいた願いがホッと湧く。

川勝氏の発言、これは“昭和”の感覚ではなく、個人的な感興である。昭和の権化、田中が聞いても怒るだろう。

最後にロジックとして。
“差別”という言葉に本来悪い意味はない。寧ろこれは論理用語だ。例えば、“事象Ａ、Ｂとあり、これを差別化して考える”、と。何が本当はいけないのか？

“蔑視”である。

📌2024 4/20  　“再開発”の意義の解体

目黒区美術館が無くなる可能性が大。まだ現時点では決定ではない？申し訳ないが、くっきりとは書けない。物申す、とは大々的に言いたくはない。大体の話は本来、この事業推進者と受け入れ拒否・環境保守の双方の主張を聞き取って、入念に合理的、計測的判定しなければならないのだ。情緒的な物を一度傍らに置いて、何が問題なのか？を検証してみるに

“再開発”

この言葉だ。これ。この言葉。
よくよく考えてみて欲しい。
“開発”とは開拓する方にとって未開の地を、自分達の都合の良い様に環境整備を行う事だろう。ここに“再”の語を附る事が、結構な誤りだ。言葉として成立しない。既に“開発”された地を“再”開発？既にあった“開発済み”の地の否定、そう読み取れば今回の目黒区“再開発”にはピタリ当て嵌まる。しかしこれでは“再開発”というよりか“革命”だ。元あった物をサラにして新しい物を作るのだから。

言い過ぎかも知れないが、こういう概念というか所謂“開発者”側の観念は…

“廃仏毀釈”や“文化大革命”と類似概念である、な

要するに既存のものが気に食わない、都合にそぐわないからサラ、“ゼロ”にする、消去して、そして現況に相応しい環境に作り“変える”と。資本主義、民主主義を標榜しているらしい国家“日本”であるが、“革命思想”が胚胎しているのか？この“再開発”という言葉、実に“革命思想”下で生まれそうな奇妙な造語ではある。

現況、地球規模で第一義とされているのは、“レコンストラクション”である。日本的に柔らかく解して、“改修”。現状ある物で良い物悪い物を正しく判定して残す物は残す、老朽化著しい物、また明らかに存在意義のない寧ろ生活に支障を来す物の撤去・排除。そして全球的自然環境悪化を食い止めるべく凡ゆる配慮、学術専門的にも日常生活的にも、全てが全ての“環境”に行き通った“レコンストラクション”こそが、これからの社会として必須である。

所謂“再開発”に賛成・反対があり、これまで多くの議論が為されていた筈ではあるが、“レコンストラクション”の趣きある方角へ行かなかったのは何故か？反対者の意見を“再”開発者が聞き入れなかったからだろう？こういう部分に帳尻を合わせるのが、所謂“民主主義”だ。選挙が明日だのなんだの、選ばれた候補者によってあっち行くだのこっち行くだの…まるきり違う。

“レコンストラクション”の提示を拒否する一団は、はっきり言えば上にも述べた“革命派”であり独裁制志向の風さえある。議論の余地を排している。読者に問いたい。これは危険な事ではないか？

結論として以上の様に、素人にさえその考え方を危ぶまれる事に何か思う所があるのなら、“再開発”事業者は今からでも遅くない、自分達が進める事業が果たして何であるのか自問して広く区民に問うがいい。“再開発”という定義を吟味するがいい。

反芻すればするほど出鱈目な言葉だ。

📌2024 4/27 　 “シン・人口論”

前稿で大分政治的な分野に入ってしまったが、そこから派生というか延長というか、引っ掛かったポイントを少し掘る。

児童を育てるには平たいスペースが必要では？

まあ隆起が頻繁にあるスペースが駄目、という訳ではなく。一般的、普遍概念で、子供は広場で遊ぶもの、の様な。しつこいが広場でのみ、という訳でも毛頭なく。そりゃあ子供は狭い所を潜り込むのが好きだし、狭く細い裏道をウロチョロするのも同様。隆起が多い勾配を駆け上ったり走り降りたり。問題はない。では何を提示したいか？

子供に限らず、人は平らな空き地に集まる

見通し良く、間隔を広く取れる、何かそういう場所に安心感を感じ、皆んな集まる。これを動物学の方面の見地で答えさせれば容易に回答が出そうだし、深く考えなくとも何かうっすら分かるし、読者の方、ヒマならば検索してみてはいかが？と気楽なジョークにもなる。逸れた。

ここで前回切り刻んでみた“再開発”というワードを当てる、と。“再開発”では緑が多く伐採されるという。高層マンションが建つという。“再開発”後、まあ上記を加味したスペースも作られるは作られるだろう。ただ、現在のスペースをサラにして現状より多く巨大な建築物を建てるのは必至ではある。

また一本、提起材料として。
巨大な住宅設備を建てる、というのはそれだけ多く人口を抱える余白を作るという事だろう。まあ、話の流れが目黒区、故に例として目黒区で考えるが、東京にこれ以上の人口を増やす意味はあるのか？地方からの移住者を増やす、それしかないのだが、将又、このインターナショナル過剰の時代、世界各国からも居住者を呼び込む目論見もあるのだろうか？あるはあるだろう。

昭和中期じゃあるまいし…
人の集中過大が起きる訳ないだろう
それを引き鉄に公私社会の過剰フレキシブルを狙う？
そんな馬鹿な
人間動物としての活力が過大に減少しているのに

すぐ逸れる。次。
“再開発”、人口呼び込み、地区の価値（ブランド）上げ見込み、それに、これも筆者個人の嫌味的邪推で、必要価値が甚だ疑わしい“少子化対策担当大臣”なる“内閣特命担当”の命題を結える、と。

分かり易い反比例のグラフが出来上がるだろう

子供を養う住居は無理して、そして金をかけて、そしてそしてブランド感を付与して、巨大で高い共同居住建築を作るのだが、現状在る“子供を養い育むスペース”を潰して行く、と。もっと言うと、家族を養い運営して行く成人にとっても必要な“平らで間隔の多いスペース”を潰して行く、と。住まう家族の財活動に必要な商業施設は更には増やすだろう。それはそれは便利だろう。遊ぶスペースもそれはそれは増やすだろう。それはそれは楽しいだろう。だがそれらは全て出来合いで費用の掛かるスペースである。

その“再開発”が“人口呼び込み”ではなく“人口育み”が命題であったなら、破壊再建的な施策は採らないだろう。人口を呼び込んで増やして、後は勝手にそれぞれ皆様で家庭を運営なさるだろう…そう考えて、いやそう何となく感じて、何か響きの良い“再開発”という題目を上げて、建設事業を立ち上げた、か？命題を追い詰める思考的追求心が悲しいぐらい、無い。

目黒区はそれでもやはり“目黒区”であるので、キラリと光るブランド感と新築、それでそこに日常を営みたいと思う人々もそれは生じるには生じるだろう。だがほぼ中の上以上の人々の為の住宅、ざっくばらんに、再開発は“中の上以上”の人々の為の都市計画か。どうりで投票率が20%と…本当の区民にはあまり関係のない“再開発”なのか。ただ目黒区から掛け替えのないものが減るな。奇妙な人口増し目論見の為の犠牲として。

高さも費用も高い施設が増えると、児童人口が減少する

マルサス宜しく、こうテーゼ打ってこの『シン・人口論』小稿を〆よう。

📌2024 5/5  　“グレーブ・ア・ラ・モード”

アメリカで反戦デモが火を吹いている。運動の主体は学生で、バイデン大統領以下の頭を悩ませる事項となっている。まあ少し突っ込んで考えて、いやこの手の運動の主流といえば左派が取り仕切るので、これは米国内左派の好機とばかりの火の手の上がり方であると見て。しかしこの現代、もう左派も右派もあるか？ユーロ圏ではこの2派、熾烈に対峙しているとは聞くが、右派左派というよりかはユーロ圏各国個別でナショナリズムの熱が上昇して、特段所謂“左派”が歯を剥き出している気配は？ないと見る。“左派”？マルキシスムはもうとうに時代の彼方、アンティークな思想的調度品、まあ労働者が権利を主張したい場合に奥から引っ張り出す年代物の工具機械、か？言い過ぎか？欧州統一派が新しい左派とも聞くが。中国・キューバの国民だって頭からマルクス信奉している人など最早いない、いてもごくごくの一部だろう。

一旦、左右は置く。
思想角度の云々よりかは、もうほぼ日本の伝統というか習わしというか、アメリカで流行った物は日本でも流行になる、させる動きが発生する。1945の戦後以来、いや？それこそ幕末期以来ずっと。

ただこれもある意味で“昭和”でひと区切りになっているかも知れない。

時代の情報機器の過剰発展に伴って、アメリカ発！な流行発生に翳りが見えつつある。

90'まではまだ“アメリカ発！”だった。流行る物の根っこを探れば大体アメリカの所謂“最先端”のモードの再制作で、日本人は格好からそれを纏い、言葉や感情の傾向を真似していた。

いつの頃からか、流行文化の発生元がアメリカ一統ではなくなった。

向こうの感覚からすればどんなものか？

現代は日本が主流なのか？

日本のマスコミはそう言う。自国の民に向かってそう言う。

アニメ、ゲーム、マンガ…

これらはほぼ日本発で日本一統なのか？そんな気もする。諸外国の児童、若者、成人まで皆、日本のこれらに夢中になっている人も多くはいる、らしい？どこか断言し難い。ただ“eスポーツ”、テレビ・ビデオゲーム、これも古い言い方か？今はポータブルな機器がハードとなって遊ばれているが、まあ便宜として“テレビ・ゲーム”、これを“スポーツ”として概念的に捉える動きにまで過剰発展して。これはまたこれで本稿とは異なる問題点を見出すので、傍らに置く。

思想運動としての全体行動。これは流行るだろうか？編集柳井の予想では、流行るな、これは。数ヶ月遅れて、日本でも若い学生とアンティークな思想活動家が、教育及び公共機関に何某か威嚇的行為を振うだろう。投票率が40%に届かない最近、民主制に関しての無関心、意見の反映されない靄めいた憤懣が、こちらの思想行動に“参加型イベント”として流れる。

情報機器の過先鋭化は、半ば“タイムマシン”ともなり、ゲーム・アニメの過成長とは時間が逆行して、“昭和”のテイストがブームであるという。この“デモ”というアンティークは時代を経て甦り、選択志向されるだろうか？この推測の“鍵”は素材の明記に“メイド・イン・アメリカ”が刻印されている事にある。あと少し先に“反戦デモ”が日本で起こったなら、未だ日本人は、情報機器の過剰発展、娯楽遊具のクオリティ過多の進行方向に実は体が伴っておらず、意識下に染み込んだ“アメリカニスム”が根強く民衆的に残っている事の証左になる。

反戦感情の真実の核、中東及び東欧の戦争泥沼に対する国家の施策への糾弾、憤り、これらが日本に住む我々、ほぼ他人事の無関心で惹起していないのはニュースを見ずとも世間の風から感知出来るので、デモが起こってもそれは“グレーブ・ア・ラ・モード”。それはクレープの様な“グレーブ”で生地の薄い、なんだかアメリカンテイスト宜しくタップリと甘い物を仰山包めた、参加者各人の思い出作りの味の、そう、まさに“映え”の欲しい、“映え”作りのイベントとなり国内マスコミやインターネットを騒がせる事にだろう。それは問題の核心を突く、本来の意味の“グレーブ”とはほど遠く。

📌2024 5/16 　 “生成”する能力

我々の知らぬ間に躍進目覚ましい、AI。今現在では更に“生成AI”と名義も更新して、更に更にの上の更に向上を期待されてはいる、のか？

どこか我々の知らない所で、どんどん発達して、いつの間にか我々の日常に入り込んで、同化している。

本当に人々は、この“検索機”を必要としているのか？
誰がこの“検索機”を必要としているのか？
そして更なる躍進を遂げたAI、つまり最近の“生成AI”であるが、それが今後何を作り出して行く？

例えばであるが、身近な例で、というよりもこのポイントからも掘り下げてもみたいのだが、“ものまね芸”の娯楽分野がある。とても面白い芸であると思う。
これが“生成AI”の段階まで技術躍進した現在から、その特色が変わって行かざるを得ない。

もう既に“生成AI”の技術は電話等で精巧極まりない技で人の声をアレンジして察知、感知する事の困難なまでの段階にまで水位が高まっている。まあこっちは危険性の孕んだ話になるが。

我々は現在、TV領域からの大衆的離脱、流出の道へ流れるままになっている。まあ一転、TVへの回帰も自由意志で取っている人々もいるはいるであろう。

TVやハンディパネルに映る人間は本当に“人間”？
ひょっとして…

技術の向上の、現在見える勢いで、それがそうなって行くのは目に見える。

“ものまね芸”は、観てるこちらは“似てるんだけど何か…”感が醍醐味であって、可笑しくて笑う。

完璧なフィギュアが画面に映り、凡ゆる人間の面白味を集積して“オリジナル”を“生産”して行く。ここで強調したいのだが、編集柳井個人としては“生成AI”の物した何物かに、“学習”、“オリジナル（独創）”、“創作”、“製作”等の言葉を使いたくない。

人の面白いと思う、感じる事に、厳しく硬い壁はない。なので、“生成AI”が作った完璧な“ものまね芸”が面白ければそれで良いのだし、“やっぱり人が人のマネをするから面白い”とあればそれで良い。

ただ、芸人は負けじと努力するだろう？
精巧で高度な模写の技術に対抗意識を燃やして行くだろう？

そこに単なる娯楽、肩肘張らず楽しむこの芸能分野に居心地の悪い、というか窮屈な何かが生じて行く事になるだろう。

そもそもが調べる、という根気のいる作業が時代の歩が進めば進む程、楽になって行っているものだから、当然の帰結として今後の人間の本能、“調べる”力が減退して行かざるを得ない。AIで、“いや！調べる力は減退するのではなく知り得る領域が拡大し深化して行くのだ”との向きもあろう。だが調べている段階で、“けっ躓く”、“滞る”という事は極少している訳で、その辛い状態に留まって耐える、考え続ける忍耐、というのは養われない。

外国に旅行して、現在のハンディ翻訳機能が更に躍進して、異国の人に言いたい事を喋ったと同時にその翻訳機から出る声が自分のそのもの、若しくは話し手の選んだ好きな声色で、となればもう語学を学習しなくとも良くなる。そうなって行くだろう。

アニメの制作質的向上も目覚ましいが、その内、いやもうそうなっているのか…物語に登場するキャラクターの声は人間が吹き込むのではなく、そのキャラクターに合った声を制作者が“生成”して的確な声を動画に当てて行く、と。

学校で授業時に児童が分からない事があって、手を上げる、こういう光景も無くなって行く。“手元の携帯で検索しなさい”と先生がもう言っているかも知れない。時代が進めば、AIで“生成”されたパネル上の“先生”が的確に聞こえの良い声と整った文言で疑問点に答えてくれる。

結論として、“人から学ぶ”事が無くなる。人に聞く事が無くなる。人を見て感得する事が無くなる。学校の授業でも仕事でも人から学ぶ際に“生じる”誤差や時間的浪費を厭う様になる。全般的な教育機関が減って行く。“教育者”の社会的需要が減る。AIの躍進が進む毎に、“縦”の人間個のコミュニケーション能力が減退して行く。

“生じ”た障害を乗り越えたり解決する能力が、“成”という漢字の意味かと、本来は。

そして今後は、無駄に過剰に“生成”された偽物達との戦いに忙殺される事になるな。“ものまね芸”宜しく『オレオレ！』と引っ掛けるアナログな詐欺があったよね、と懐かしくなる未来はもう間もなく来る。

📌2024 5/21  　 “生成”作品、批評

まず私事で、当誌『レヴェイユ』のシリーズ物の発表に掛ける力を抜かなければならないので、割りかしサクッとした物を書こう、と。
前稿で少しAIの今後に関して突っ込んで考えてみた。これが書いた後に自分の中で後引き、このテーマでもっと多岐に渡って掘り下げて考えられるな、と。一つSF作品まで思い付いてしまった。このSF、実は先日夢で見て、“これを起こして肉付けすれば面白い！”となってしまい、最近ではnoteで創作大賞の公募も始まっているものだから、締め切りは7月だろう？真剣に取り組めば間に合うかも…なんぞ。まあこれは私事の私事で。

AI、殊に最近は“生成AI”となるまでになって、この技術やカテゴリーに造詣深い方は沢山おられるであろう。こちらはズブの素人なので、素人の思った、感じたままを筆記しておこうかな、軽く、と。

まず、いやもう大分過去か？美空ひばりの新曲と銘打って、売り出されて話題を取っていた。そして少し最近に降って、松任谷由美が自分の若い頃の声とデュエットした新曲も出た。ファンは随分と喜んだ？熱心なファンは複雑な面持ち…そんな様な反応ではあった様に感じた。

最初の一聴は、どちらも本当に舌を巻く技術だと感じた。ここまで出来るのか、現代は…と。まるで生きているかの様に…そう…

まるで生きているかの様に…

これらの最初の一聴からしばらく後。どこかでこれらの新曲が耳に入った時…

声や歌、というかはインストゥルメンタルの音楽だな、と感じた。

だからこれはこれで音楽、というか。歌に乗せる感情が器楽的に“演奏”されている…ので何か詩の部分、歌に乗せた感情というのは、はっきり言って、そして残念ながら、入らないものなのだなぁ、AI技術には、と。

美空ひばりや松任谷由美の声を入力して、感情表現法を相当深度まで解析して出力した電子鍵盤、つまりはシンセサイザーの最新形態か？言い過ぎか？

まるで生きているかの様に…という受け取り感情を超える、つまり“生きている声”には、未来永劫ならないんだろう。

また一方。
手塚治虫の最新作が作られた。手塚の作家性情報を全て集積して、“生成”した作品。これも制作した方々には悪いが…非常に無機質な物にしか感じられなかった。手塚の打ち出して来るあのギミック感というかイタズラというか、あれが一切なく。良く言われる、コマとコマの間、我々書き物系では行間、あれがない。パネルとパネル、手塚語の配列羅列で繋いでいるな…ぐらいにしか。“コマ割りの美学”とは石森章太郎が言った。コマとコマを繋ぐ見えない間隙に、作家性が込められているんだなぁ、とそちら、手塚治虫AI新作から何故か温故知新、“石森章太郎のマンガ教室”を読む事を勧めたく、逆に。

ザッと今回上記まで。今後も更に生成AIを駆使して“新作”が登場して来る事になる。それにいちいち反応をしたくはないが、新作は新作だけに広報も盛んになるだろう。そして更なる偽物商売、不法・違法の偽物どもの跋扈も容易に推察出来る、というか既に出回っている事だろう。

“何だこれ？スゲェな”
“ああ、生成AIだよ、これ”
“なぁーんだ！”

簡単な現代のスケッチ画。
金を掛けるだけ掛けてこのオチになるって悲しくないか？俺は血と肉で小説創作するけど。

📌2024 6/2 　 “生成・社会契約論”

結論を言うと、“生成AI”は資本主義を尚加速させる。現在最先端を行く資本主義の形そのものであるとも。逆に資本主義がAIを加速させている、とも。

一言、当方共産主義者ではない。

客観的に見て、AIは何か“核”の様な中心点に人々の意識を集中させている。我々は例えば分からない事があった時にスマートフォンを使って検索して調べる。一見これは我々から発してインターネットの情報箱から意味を取っている。だが“核”の方から見れば、人々の意識が“核”側に引き寄せられている訳で。より多くの人々がこれを使用すれば、その“引き寄せられ方”が成果と解析される。AIはそこから人間のある種の傾向を弾き出して、類似の情報を繰り出す。更に歩を進めて、類似物ではない“オリジナル”？を“生成”して再出する。

資本主義者は一極化を目指す

ポータブル・ツールに関しても一極化が尚加速化される。アップル社と日本政府の提携？というのかあれは？マイナンバーまでスマートフォンに内蔵させようとしている。スマホ一極化も歯止めが掛からない状態だ。

極限まで社会のシステムを一極化させた先には、何が待つ？

岸田首相が題目として掲げていた“新資本主義”とは、この現在進行する道の完成形態を示唆していた言葉だったのか？だとすれば、岸田首相の言っていた言葉、というかその題目は題目通り現在も計画通り進行中である、と取れる。だが意地悪く言って、“新資本主義”というよりかは“シン・資本主義”と言った方がしっくりくるが。どこかエンタメ意識しているかの様な響きの題目で、これ。

資本主義という言葉は、富のほぼ一元化・一極集中を表した揶揄・比喩の言葉でもある。

極限まで綺麗に効率良く整えられた吸い上げ導線が高速で資本家及び周辺の元に集まる。

一転、こうした過度な効率化を嫌がる向きを選ぶとすると自然、都市から離れた世界へと向かう。これも進行方向的に見て面白いと思う。資本＝“核”から離散する向きが生まれる。

資本主義に取っての便利なツールこそがスマホであり内部機能のAIであろう。その内、この過度な技術に“資本主義”者の方が取って喰われるかも知れない。

マイナンバーとはコンパクト化され個人の情報が過密集積された公機関、社会とのデジタル“契約書”である。この“契約書”がスマートフォンの集積回路に保存・活用されて行く事への生物的及び倫理的な検討は置いて行かれたまま、進んで行く。簡単に、電力や機器の不全が何時か生じた時に、若しくはこの機器を投擲した時、我々は社会及び公機関と“デジタル”に手が切れる。つまりこの機器を持たない期間、我々は“市民”とはデジタル上認識されないので、“社会”との“契約者”ではなくなってしまう。

スマホのない生活を求める者
AIのおせっかいが届かない範疇を希求する者
それらの人々は見方で社会契約を反故する者…

の如く“生成”的に受け取られなければ良いのだが
しつこく再宣して、当方共産主義者ではない。
またトマ・ピケティ程若々しく富の分配を叫ぶ者でもない。

結びとして、編集柳井は“社会契約”の過デジタル化の為せる過効率化、総称して“シン・資本主義”が人の生の営みの集積体である社会にとって、真の意味で適当であるのかないのかを考えたいだけの、茶ばんで痛んだ古書『一人徘徊する者の夢想』一冊を小脇に挟んだ単なる“生成ルソー”である。

効率化、と言っても程度があるだろう？
“ちょうどいい”程度ってものが。

📌2024 6/7　  黄色い血液の体温計

“生成”という言葉を頻繁に使用してこの社会時評シリーズを回しているが、メディアの方では使用率は疎ら。まだ“生成”というワード、または“生成AI”という新素材が余り膾炙していない様だ。“フェイク”製造という犯罪方面ではもう多様されている様だが。

立ち止まって再考するに、これは本来クリエイターの為の道具だよな、と。まあクリエイターも千差万別。ヒット商品作る為の使用から自らの創作性掛けて“生成AI”にトライする人まで。

どこか物理っぽいこの言葉、故か？人間、割とこういう学術っ気ある物に抵抗覚えて近寄らない。

“AI使って何かを作るの？”
“いや、AIが勝手に自分で作るんだ”

出来上がった物は誰が作ったか？それがAIによって作られた？AI駆使して出来上がった物に更に手を入れてオリジナル？ややこしいが、出来上がった物のインパクトと愛嬌次第で愛されるか否か。結局、メイキング、制作過程にまで侵入してくる危篤な人はそんなにいないから。手品の種明かしで、

“これはAIだよ”
“えーっ‼︎”
ぐらいで。いや？その“えーっ‼︎”狙いか？

何となく最近、ポピュラー・ミュージックの変遷などに思いを馳せる。

60'でギターの電化ブームが爆発した。ジャズも使用楽器が電化した。
70'、オールジャンルで電化した音の可能性が追求された。
80'、シンセサイザーの大幅導入と弛まない電気技術躍進。そして視覚方面への訴求力。テレビで音楽とショーを見る事が普及。高技術家電の大衆への浸透、の様な流れで所謂“経済史学的”に批評・考察すると面白いかも知れない。
90'、音楽のメインストリームがビートルズ以来のバンド形式からヒップホップのクラブパフォーマンス形態に変化。リズムは最早、オートマチック。リズムの電化が極まった。
00'、この辺りでステージに立つフィギュアが増殖した。音のどうのこうのの進展は、印象薄い。フィギュアの増殖と均質化、この点にデジタルな物を感じ。
10'、YouTubeやTwitter全盛か。60'～80'に普及したテレビの需要性が一気に減退した。発信者が増殖した。よりコンパクトな電化音楽商品。手元のパネルに収まり易い楽曲と演出映像。
20'、ピコ太郎かな？最たる者は。テクノ・ミュージックの最簡略化と子供にまで伝わる様に戯画化されたソウル・ミュージックの視覚演出。言葉を使い始めた子供まで覚えられる、楽しい言葉遊びと踊り、というか身振り手振り。直近ではヨアソビか。楽曲自体がアトラクション、というか。歌う難易度がゲーム的で、歌いこなして完走して楽しい、と。その曲にドラマ性も付与されていて歌物語自体に共感出来る、ステージではパフォーマーがドラマの延長を想起させるショー、そんなかな。
ザッとではある。

70'ではフュージョン、80'でエレクトロニクス、90'でミクスチャー、サンプリング、年が近寄るに従ってボカロ等々。去年辺りからは聞いたのはマッシュアップ？何か先端ミュージックの質を表現する言葉も時代を追って変遷して。ここに“生成”という言葉を上手く調理した味付けの言葉は来る？来るんだろう。

結びとして。電気技術の進行がずっと続いているのだ。それが音楽／ミュージックという戯れの方に流れてどれだけ最先端のエンターテイメントが構成されるかに相当の投資が為されている。エンターテイメントで1番を取りたいのはどの人間も須く望む者だから。

例えばマイケル・ジャクソンのダンスと歌唱をAIに集積させて生成させて、それを可能な限り伏せる様にして装飾させて、それでいてマイケルだと感知出来る程合いにして、またアニメーション技術やCGグラフィックとも混ぜ合わせて、新たな新曲を…ともう制作している事だろう。電気でどれだけの事が出来るか？である。それを我々は観る。

一石を投げたいのは、90'に言われたのは、メイン楽曲が過去の楽曲からの持ち出しなのでオリジナルが生まれていない、と。既にある良い素材を調理してそこにライムのキマッたラップを乗せる、まあ自動リズムにノッて朗々と流れる様に歌い語られるラップの部分がこの時代の音楽の最大の聴きどこではある。

音楽ではないが、もっと遡ると“コラージュ”、ピカソまで至れば“キュビズム”、古典電子視覚化芸術はドイツ表現主義か…

何せ今後、原発が今ある量の2倍3倍どころではない倍数が世界各国で予定されている。膨大な電力と供給の先鋭化がいや増す。人間はこの電力で何をしたいのか？電力の方が人間の脳や血液を上回って。東日本の震災当時の新宿を思い出す。夜では無いぐらいに電光で明るかった震災前の駅周辺が、ほぼ巨大な墓地と化していた。電気という血液が不全起こした時の、人間社会の真の姿であった。それを巧みに現した音楽やドラマが、残念ながら日本人クリエイターの手からは生まれていない。
最先端流行音楽の“形”で、我々人類の電力がどれだけ発展しているかの具象である事を認知出来る。これからこの黄色い血液はどんな音楽を“生成”するのだろう？個人的に90'の重く歪んだオートマチック・リズムが体に合わなかった。その理由は、自動打ち込み拍が体内の心臓の鼓動や脈拍とどうにも合わなくて気分がよろしくなかった。

📌2024 6/23  　“我々は首都を見る”

ニュースでは都知事選で喧しい。当方は都民ではないので、外野の野次、な意見になってしまう。説得力、訴求力等に関して弱いのだが、また敢えて踏み込み。
初めに結論、もう東京都知事は青島幸男以降ずっと芸能人知事なので、ここいらでもうその流れを止めた方が良かろう、と都民に提言したい。

全ての知事職達成者が芸能キャリアを持ち、そして国家からの落ち武者で。厳密に言えば、そうでもない都知事もいたではあろうが、大体はテレビで名前を売ってヒットしていた者達で。

それが都民のニーズである、のか？

芸能人的キャリアを積んで、それでいて公職上の手腕があれば特段問題はないのだが、ここ三十年の都政を見直して、もうこうした方々には期待出来ない、と字面、資料、記録的に明らかであろうに。

これはもしかしてオフレコ発言かも知れないが敢えての引用で、石原発言。

インタビュアー：都知事としては普段どの様な…？
石原：それが何にもやる事がねえんだ！座ってるだけで！

…まあ、こう大っぴらに言えてしまう所が大衆的な人気を得ていたのか。親近感とか、そんな点で。

石原都政をここで洗い直して批評繰り広げる気はサラサラないのだが、何かこの約三十年の都知事の典型というか鋳型の様に思えて。

民衆の心を捕えるフレーズや新政策の打ち出し、こういうのは上手い。青島から、皆んなそうだった。聞こえが兎に角心地良く、痛快な。それが在職して大体一年のリミットで綻びと頓挫を引き起こす。それがほぼ毎回なのも、逆に、というか冷笑的に面白くもある。

石原などは本当に一期二期と期待通り進んでいたかに見えて、退任後幾年で築地-豊洲の闇を小池に暴かれて天上的な輝かしいキャリアが真っ逆様、自ら築いた石原ブランドがギリシャ神話のイカロス宜しく地に叩き付けられて崩壊してしまった。当時は石原のオセロの盤面は白い丸で埋まっていた。完璧なキャリア上の勝利が晩年期に真っ黒にひっくり返って。ひっくり返った結果というのは、三十年間のどの都知事とも変わらない、凡腕の凡為政家だったのだな…という脱力感を都民に残して。

存在が派手だから、過去の石原慎太郎都政批判めいた流れになってしまったか。新宿歌舞伎町を一般の人でも歩けるまでに治安向上させた仕事は今でも都民に感謝されている、とおべっか言っておいて、石原都政には。

東京は、ただ座っているだけでもアガリが莫大な自治体。ただ座っているだけでも良いと言えば良い。しかしちょっと、本当に、多くは望まなく、飛び抜けた才能・手腕はそんなに入り用ではなく、ちょっと冴えていてちょっと経営手腕があって、カネに対して謙虚な人であれば、相当に、この都市は今以上に動き活性化する。
外野の再提言。国家落ち、メディア出身の候補者はもうその歴のある時点で度外視し、ちょっと冴えていてちょっと手腕があって物欲に謙虚な、30代～40代ぐらいの若い実業家タイプが次の東京都、次の数年の日本の首都の首長には相応しいか、と。令和の時代はこれからもっと時間的・技術的に発展が超加速するのだから。お節介ながら、これにて〆。

追記：都知事選関連でハッシュタグ付けしようとしたら、人々の関心が…北極並みに冷えて、関心持たれてないわ…

📌2024 6/29 　 “生成・『明るい家族計画』2024年度版”

少子化少子化、と…このワードが字でも音声でも流れる事に不快である。なので反撃的にSF調で戯画化する。

202X年　某月

政府が若い夫婦に対して、“夜の営み”に励め励めと、オフィシャルに広報を始めた。

若い夫婦の“夜の営み”の最中の模様を政府及び公共機関が最新機器で監視する様になった。

そしてその“営み方法”について、公共機関（現在の少子化対策部署）が観察・分析を加えた。

政府の判断として、若い夫婦の“営み方法”が悪いと帰結して、“健全”で“効率の良い”、“夜の営み方法”の公的なマニュアルが作成された。

無論、これは政府関係の人間達及び最新鋭人工知能（AI）によって作られた“最良”と思しき質の物で全国の既婚者達に無料配布された。

若い夫婦達は、子供を一人、二人とこさえる事で国から奨励金を与えられた。

かくして、国は少子化問題を“解決”し、年を経る毎に人口が増して行って、“豊かな明るい”未来像を享受できる様になった。

〈FIN〉

現在、東京都都知事選の期間であり、多くある争論点テーマとしてこの“少子化”問題も１つのパートとはなっている。

上記の簡単な戯画、カリカチュアに含めた“毒”が、何かAI技術の異常促進も含めて、見えない所から開始される？それはそれで作家擬きのハシの奇人の誇大妄想？笑える？笑えない？文の書き方？発想が貧困？ただ上記っぽい事を真顔で言っていた候補者もテレビで見た。

少子化問題の解決策を、メカニカルに。
その出だしが間違っている事に気づかないか？
AIなり数値なり動物学的に判定しようとする事が間違っている事に気づかないか？

補助金云々、と。補助金出す、出して負担の軽減、というのはそうした補強材をお上が出さないと…とまでに家族形成に疲弊しているのか、国民は？と。

そこを解決しなければ！
とは誰も言わない。

自然にこの国に生まれて自然に成人して自然に社会人となって自然に社会形成する一員となって、どうして“自然”に子供を産んで育てる事に倦みを感じているのか？その倦みの原因を取ってやらねばこの問題の本質的な解決は無理だ。

例えば1945の戦後、一気に多子化する。この時代時期の人々は子供を育てて大学までやる、なんて感覚のある人は少なかっただろう。子供は産んで育てて、身体がそれなりに成長しきったらなら働き手、と。大人にも子供にもその意識が自然に備わっていた、と。

我々、自覚しない内に固定化されている“学歴”という樋。原因だろう、これが。少なくとも大きなファクターであろう。奇妙なヒエラルキー観念と捉えず固定観念になっていて疑いもしないものだから、それを解体しようとする意識が生まれない。
中卒でも働いて成人すれば、“腕”としての仕事技術の修練は大学通った者よりもイッパシだ。昭和っぽく言えば、“歴”という。“歴が違うんだ！歴が！お前とは！”と使う。

高校、大学と絶対に通らなければならない様な奇妙な固定観念を消してしまえば良い。早い子では、小学生後年から中学の間で自分のやりたい事を見つけていて自ら専心する、出来る様になる。

それを“アイデンティティー／自己主体性”という。

確かに青少年の段階ではその入った職業環境、大人達から“良い”も習えば“悪さ”も習う。だがAIや但し書きや何だか素性のよく分からない勉強だけ・体動かす事だけ得意だった大人にモノを習うよりも、対人間、人と人として、人から人へ、という形で“世の中”を習う事の方が真っ当自然であろう？

子供の出生率の少ない多い、それを的にするからおかしくなるのだ。自然に“アイデンティティー”備わって成人した人々が自然に家族形成すれば、少ない多いもなく、曰く“平均値”の人口になる。喧しい補助金や家庭支援施策、これは単に焼け石に水掛けてるだけに過ぎない。撒いたカネが蒸気となって霧消するだけだ。

＜エレンコス〜問答　2024年　上半期　了＞