🟣冒険ロマン『紫卵』第三章 アメジストを追え④

28、アメジストを追え④

「行く先?」

光ちゃん、サングラスと煙草

「おうよ」

何か音楽聴きてぇなぁ

「光ちゃん、何か音楽聴きてえんだが」

聞いてみる事に越した事はない

「音楽?んー」

サングラスの上の眉が寄った
何だよ、音楽はお嫌いですかね?
ご主人様

「今は静かにしといて」

景色を見る光ちゃん
クールだねー
音楽は嫌いじゃなさそうだ

「静かにしてたいとこ悪いんだが
行き先を…」

「だからうるさいって!黙っててよ!」

「だってよう!
ただ車走らせてるだけじゃあよう!
こっちはこっちで
早くやらなきゃなんねぇ事が
あんだよう!」

そうなんだ
いつの間にか
光ちゃんのオママゴトに
乗っかっちまって
まあ
蛍光紫のランボルギーニのオママゴト
ってぇのも随分だが
ちょっと急ぐ
いや!大分急ぐ!
しまった!
何で俺
こんな女と車転がしてんだ?

「やらなきゃいけない事?」

まあた…必殺
サングラスを少し下にずらして
窺う様に男を見る…
イチコロだね
こうやってよう
何人男を落として来たの
光ちゃん?
おっととと、危ねえ!
運転してるんだった!

「お、おうよ
先ずはシェンと連絡を取らにゃあ」

そう、そう、そう!
シェン!密貿易商のダチ公
シェン!
大体、奴はまだ生きているのか?
殺されている可能性大
奴の生存は神のみぞ知る
良い奴だったなぁ

「シェン?」

光ちゃん、興味津々
目が好奇心で光ちゃん

「おう、シェンだ
俺がアメジスト流した奴よ」

「いいじゃん
じゃあ彼氏探しに行きましょ」

ノリノリだねー、おい
こういう女、悪かねえ
おっとっと!

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