40. 韓国で(その4:本場の焼肉を初体験Part III)
翌日からの仕事の合間にそんな初日の顛末を韓国の同僚に話したところ、牛肉は比較的高級店、豚肉の方が一般的だそうなのでした。
最近は(っても20年位前のお話ですが)肉の質の良さを感じてもらうために、肉自体には下味をつけずに、塩+ごま油を供するところが主流になってきたとのこと。
後はチェシャやゴマの葉に包む時にコチュジャンやニンニクスライスなどを乗っけて、各自が好みの味に調整する由。
“I will take you guys to good Korean barbeque restaurant on the way to the bus terminal.”
(じゃあ、バスターミナルに行く途中にある美味しいお店に連れて行ってあげるよ)
という事で、最終日のランチにお勧めのお店へ連れて行ってもらえるという事になりました。
その時オフィスからホテルの方向に向かっているなぁ、とは思っていたのですが…。
あれれれ??
昼間なので最初は良くわからなかったのですが、どうもなんだか見たことがあると思ったら、なんとそこは我々が初日、最初に行ったお店だったのでした。
“Here. One of the best in this area.”
(ここはこの辺で一番美味しいところだよ。)
韓国の同僚は駐車スペースから我々を店内に誘いつつ、にこやかにそうおっしゃいます。
それに従いつつ、日本人3人で顔を見合わせてしまいましたが、まさかここは初日に来たところだとは言えず。
“I will choose the best dishes here.”
(ここでのお勧めを選ぶね)
という事なので、全てをお任せすると、キムチに続いてまずロースが出て来ました。
いわゆる西洋のローストビーフとはまた違ってて美味しいんだよ、と言われ、初日にこれを焼いてしまった我々は若干うつむき加減になるのは致し方ないところ。
昼食なので、ビールは飲めない代わりにご飯とスープをオーダーしてくれたのですが、中でもテグタンスープがとても美味しくて。
お姉さんに焼いてもらったカルビをゴマの葉っぱにくるみながら、
「やっぱり、これなんですよね。本場の焼肉ってのは。」
「そうそう、ごま油とね、コチュジャンですよ。誰ですか、モランボンとか言ってたのは?」
まあ、お互いにどの口が言うたんでしょうかねと言いたくなりつつも、2度目となると何となくその美味しさが分かってきたような気がします。
何せ我々もともと主体性と言うものがあまりないのでねぇ。
その後、数回のソウル渡航で焼肉に関して分かってきたことはどの店にも「タレはない」という事なのでした。
システムも含めて、日本の焼肉とは色々と違うのですね。
どうしてもタレ系となるとプルコギ、という事になるのでしょうか。
一度、カルビに続いてプルコギをオーダーしたことが有るのですが、お店の人が鍋を取り替えながらちょっと怪訝な顔をしていました。
後から韓国の同僚に聞くと、「焼肉の時は焼肉」「プルコギの時はプルコギ」という事。
別の機会に一度「冷麺の美味しいところに行こう」と言われて、ビールを飲みつつ、さてキムチとお肉はまだかいな、と思っていたら、いきなり冷麺が出てきたこともありました。
冷麺は(焼き肉のシメではなく)冷麺だけ食べるのが普通みたいなのでした。
これは日本食のことを考えれば、日本ではそばもうどんも天ぷらも寿司もカレーも専門店があるのに、海外の日本食のお店には大体なんでもある(ま、ある意味オールマイティー)という事と同じなのかなと思った次第。
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