祖父が歩いた支那事変 〜大陸へ〜
熊本駅から列車で小倉まで来た後は、出征兵士は船に乗って移動し釜山に到着、民宿で一泊することになりました。
祖父は早朝に起床し、軍馬に餌付けをしたその帰りに、浴衣姿のT時大佐が一人の兵隊を殴り付けているところを目撃しました。
喧嘩だろうかと駆け寄り、近くの人に事情を聴くと、殴られている兵隊は昨夜民宿を抜け出し女郎屋に行き、その帰りをT時大佐に見つかったという事でした。
「今、我々は戦地に赴かんとしてこの地に立ち寄っているのだ。特に軍規、風紀は厳しくせねばならぬ事は理解でき