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帯状疱疹ワクチンが2種類存在する

2022年、日本で接種可能な帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンはそれぞれ2種類存在します。

今回は前者の帯状疱疹ワクチンについて書いてみます。

詳細は下記の冊子がまとめてくれています。

帯状疱疹ワクチンとは

帯状疱疹ワクチンについてはここからアクセスできます。

原因となるウイルスは水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)です。初感染では水痘、すなわち「水ぼうそう」を発症し、治癒することが多いのですが、このウイルスはその後長期間、神経細胞に潜みます。一般的に50歳以上で再び増殖し、「帯状疱疹」を発症するリスクが上昇します。

そこで、50歳以上を対象に帯状疱疹の発症リスクを低減する目的でワクチン接種が行われています。

このワクチンが現在、2種類存在するわけです。

乾燥弱毒生水痘ワクチン

「水痘ワクチン」として用いられているものです。
2016年3月に「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」の適応がつきました。

乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス筋注用)

新規に開発され、2020年1月に発売されました。適応は「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」のみです。

帯状疱疹ワクチン比較表

さて、ここで必要になるのが両剤の比較表です。
直接比較したデータは存在しないため、承認時の臨床試験を参考に、接種を検討される方の目安になるよう作成しました。

患者さん用

医療従事者用

上記のPDFです。

費用は概ね相場の中央値と思われる金額を載せていますが、医療機関によって異なるので詳細は直接確認願います。

雑感

水痘ワクチンと比較して、シングリックス筋注用は予防効果が高い。
開発後、約10年経過した時点でも効果が持続しており、今後さらに延長する可能性あり。
副反応は強め。一過性だがmRNAコロナワクチン接種後の症状を想像するとわかりやすい。

2回接種で40,000円前後は負担が大きいですね。

一方で帯状疱疹を発症すると、場合によっては入院が必要になり、加えて顔面神経麻痺など後遺症が懸念されます。

個人的には費用と副反応が受け入れ可能ならシングリックス筋注用。
無理または禁忌に該当しなければ水痘ワクチンでも可と考えています。

対象の方はいづれかの接種を検討してもよいと思います。

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