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ヤフーフリマで見た風景1

『少数派の理念』


通知が届いたのでアプリを開くと、ヤフマからの『質問が来ました』だった。
早速、確認すると、

「・・・・・・これかぁああああああああああああ」

質問内容は、『500円に値下げしてくれませんか?』と言うものだった。
800円で出品中なのだが、まず、これは違反だ。
質問からの値下げ交渉禁止と、画面に書いてあるはず。
気づかずに違反したとは考えにくい。
そう言えば、800円の80%は640円、なるほど、だからか。
価格の相談からだと、640円までしか希望を出せないのだ。
ちなみに、500円は、実質300円だ。
200円引クーポンの使用が前提だろう。
つまり現在価格800円は、実は600円なのだ。
これは、『600円の商品を300円にして欲しい』と言う交渉だ。

さて、対応をどうするか、一瞬考え、とりあえず出品停止にした。
仮にも違反なので、念のため通報する。
しても無駄なのだが、ワードの見直しに役立つかもしれない程度の意味はあると思われる。
値下げ交渉的な書き込みは、禁止ワード設定により自動的に無効となる仕様なのだが、今回はそれが突破されたと言うことだ。
次に、質問者さんを一応ブロックした。
別段そこまでしなくても良いのだが、『140円のためなら、禁止行為を行うことも厭わない』と言う考え方の会員様とのお取引の機会は、できれば今後も設けたくないものだ。
だがこれも、無駄なことではある。
そもそもサブアカウントで質問された可能性があるし、ヤフマはブロックした場合、相手の全アカウントに反映される仕様ではあるのだが、それも連携されていればの話だ。
とにかく、こうなってしまったのは、自分の値付けが失敗だったと言うことだから、相手を責める気持は自分にない。
非常識とも受け取れる値下げ交渉が来ると言うことは、価格を安く付けすぎなのだと、過去の経験から学んでいた。

「さて、では、いくらにしようか・・・」

ファッションアイテムだが、かなりのビンテージ品で、傷みが激しかった。
だが昔、流行った時代があったらしく、当時は意外に高額だったようだ。
『その頃は未成年で買えなかったけど憧れてた、懐かしい』、などと思われる方もいるかもしれないと、難は目立つが出品したものだ。
最初は美品を4000円で出していた人がいたので、私は1500円で出した。
閲覧、いいね!は常にあり、需要はあるらしい。
けれども半年以上売れず、その間に1200円まで下げた。
そして最近、出品ページを見直した。
難部分の画像を載せて大雑把な説明を書いてはいたが、この説明では難の全体像が把握し辛いかもしれないなぁ・・・と反省し、かなり詳細な説明と画像を追加した。
その際に、800円に値下げしたのだ。
4000円の人は既に売れていたようなので、良いタイミングだろうと考えた。
最初に1500円に設定したのは、先に販売中の方への営業妨害にならないようにであって、私はこの品には思い入れがなく、実はいくらでも良かった。
と言うわけなのだが、仕方ないので1000円に値上げすることにした。
これでまた、売れる日が遠のくこともあり、正直、本当はやりたくない。
何より、再出品が面倒くさいのだ。
かと言って、このまま値上げは避けたい。
他にいいね!されてる方もおられるし、自分のポリシーとして、値上げの際は再出品と決めていた。

「そんなに面倒なら、この際、売るのをやめて捨てては?」

と言われるかもしれないが、あれだけ撮影頑張って、時間かけて調べて説明書いたのに、それでは本末転倒だ。
けれど500円で売るわけにはいかない。
それは信用を失くすことになる。
もしも、

「もう面倒くさいから、いくらでもいいや、ハイハイ500円~」

とやってしまうと、価格は、あってないことになる。
5000円で出品していても、「500円で買います」と言う人が当然現れる。

売「あのっ、こちら5000円ですので、500円にはできません」
買「それはただの希望価格でしょ? 無理だよ。諦めた方がいい。500円が妥当だよ」

こうなってしまうだろう。
価格決定権を維持したければ、面倒でも一度決めた自分のスタンスは曲げないことが重要だ。
だがこんな風に考える私は、少数派かもしれない。


※この日記は基本的に事実を基にしていますが、他者のプライバシーに配慮し、多少の改編、脚色を行っています。

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