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2017.06.24 あんずジャム(平和)

毎年この時期はおまつりだ。杏まつり。

杏の旬は短い。もはや旬とかそういうレベルではない。生の杏は6月下旬から7月上旬の、2週間ほどの間しか「手に入らない」。だから、人は杏が売っているのを見つけると嬉々として買いあさる。
あなたも杏を見かけたらとりあえず買った方がいい。

しかも杏は日持ちしない。だから家に帰ったらすぐに大量のジャムを煮る。もちろんコンポートにしてもいいし、杏酒や杏シロップを仕込むのでもいい。

このように各家庭の台所に杏があふれる状態を、俗に杏まつりと(私が勝手に)呼ぶのだ。

今年は花の時期の冷害や、梅雨はじめの少雨などの影響で、杏が大不作らしい。今年も杏を買うべく長野出張を画策していたが、不作の話を知って、長野まで行って買えなかったら無駄足になるなーと思って迷っていた(いや仕事しろ)。と、別の用件で有楽町の交通会館マルシェに出向いたところ、あった。そこからは上述の杏まつりなわけだが、マルシェのお店の方の話では、不作は本当に深刻で、例年の2割しか出荷されてないとのこと。いや、生産者のご苦労は想像するに余りある。そしてジャム界隈で杏争奪戦争が勃発しないか心配である。まぁ、私はとりあえず買えたのでよかったです。

なぜそこまで杏に執着するのか。個人的な見解にはなるが、いやこのnoteに個人的な見解以外のものは無いのだが、杏はジャムの材料として象徴的な存在でもあるのだ。

理由:
①たくさん採れるけど収穫時期が短く、日持ちしないという、保存食としてのジャムの目的に適っている。
②ケーキや料理への利用も一般的であり、用途が広がるため、作り甲斐がある。
③鮮やかなオレンジ色は、ジャムの中でも群を抜いて美しい。
④これぞジャムな甘酸っぱさがたまらなく美味しい。
⑤なのに、切って煮るだけなので作りやすい。

というわけで生の杏を見てハァハァ興奮し、自分で作った杏ジャムを眺めてはウットリし、舐めてはニヤニヤしている。かなり気持ち悪いと思うが、人の目のない時にやってるので問題は無い。(個人の見解です)

ここで「平和」とは、杏の一品種である。杏にはけっこうたくさんの品種がある。その中でも平和は、酸味が強く、甘味の弱く、香りの良い、加工向きの品種。ジャムを煮るべく刻んだ際に少し齧ってみたが、納得の加工用である。

そう、平和の恩恵は、自らの手によって勝ち取らなければならない。(=平和は生食できないつまり生では不味い品種なので、自分で煮るなりして加工する必要があります、むしろ加工するととても美味しいです)

上で杏を見つけたらとりあえず買えと言ったが、生食したいのであれば品種には注意した方が良い。生食用で有名なのはハーコット。例年7月入ってから出回るみたいなので、まさに今!大粒で酸味は弱く甘みが強い、らしい(あんまり食べたことない)。

というわけで平和のジャム。

1.平和は洗って半分に割って種を取って計量。皮は剥かない。
2.平和を適当な大きさに刻む。半分に割ったものを、4等分するくらいが作りやすいかと。
3.平和の重量の50%のグラニュー糖をまぶして、できれば一晩おく。
4.平和から水分が出るので、火にかける。
5.沸騰したら灰汁を取りながら15分くらい煮る。
6.瓶詰め、脱気。

じつは、買った量が多くて一度では鍋に入りきらなかったので2回に分けて煮て、これはその2回目のレシピ。

1回目は、まず砂糖が40%にしたのだが、だいぶ酸っぱめの仕上がりだった。まぁこれは好みなので、40でも60でも問題ない。それから、砂糖をまぶしておいたのが1時間くらいで、あまり水分が出てないところから煮はじめた。加熱すれば水分は出るので最終的なとろみとかには関係しないが、もっと時間をおいて水分をしっかり出してから煮た方が灰汁が取りやすかった。実際、灰汁がかなり出るので、美しい透明感のあるオレンジ色を目指して頑張って取りたいところ。

杏はペクチン豊富なので、煮てるとすぐにとろみが出てくる。こうなると焦げやすいので、こまめにかき混ぜる必要がある。実を半分のまま形を残したらかわいいかなーとも思うが、よほど上手いことかき混ぜないと難しそう。

以上、杏まつりでした。ではまた来年〜。

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