詩作[光のラオス]

ハンマーで殴られたから頭が痛くて目が覚める。

午前四時、夜明け前の闇が背中の肌を這いまわる。ネチョつく。男を倒した夢を見た。あと味が悪い。それはラオスで出会ったマラリア患者だ。首都ビエンチャンでラーメン屋を営む日系人。ラオスの男は全身の皮膚が割れていた。血が吹き出している。ラオスには珈琲の農園がある。ラオスの珈琲ってとびきり美味いわけでもないんだ。それでも珈琲豆は主要産品のひとつらしい。ラオス人は陽気な仏教徒。胸の前に手を合わせて挨拶すればもうすっかり友達だ。「サヴァイディ•ボー」
山岳部族もいらっしやる。

あああ、ここでまた眠る。じゃあね。覚醒したらまた動き出すからさ。君のペースには合わせないよ。ごめんね。呪ってもいいよ。それより三歳児のように歌おうじゃないか。それがいい。灰色の自己嫌悪は胸の奥にしまっておこう。ダサダサかっちょえええ。暑さ寒さも悲観するなよ。引っ掻き傷も治れば痒いぜ。振り返ればいつも自爆している。プリコみたいに意識の世界がコンプリートしちゃえば立派なんだけど、そうは言ってもあとは任せて。ボクがなんとかするからさ。世界の終わりがどうしたって。感じる顔だけ残しておこう。肉体なんて簡単に壊れちゃう。混乱しないでイントロなのよ。序破急の序。警告ランプも灯っちゃない。エコーを効かせたパイプオルガン。尖った屋根。火の海だ。父は嘘つき、母は逃げた。そんなことはどうでもいい。土に埋めれば生えてくる。枯れ木もケーキも賑わいが好き。歳を取ったら義歯倭人伝。コツコツと歩かない。いつもひとり。笑わない泣かない怒らない、それは退屈。書いても描いてもラクガキだらけ。バレる嘘を突く。恥ずかしい善行。わからない人たちが群れをなして転がっている。絆創膏ペタペタ。お薬ゴクゴク。おっぱい光線。やましいでしょ、うらやましいでしょ、うとましいでしょ。礼儀を知らないカラスの記憶にゃ驚いた。賢人は無口を装う。炎を囲んで踊ればいいのに。

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