第1話「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」
いつもと変わらない日々。しかしそいつは突然、現れた。
「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」
なんなんだこいつは。某有名ゲームのマリオシリーズに出てくるドンキーコングに酷似しているが、全体的に黄ばんでいるし、目も不気味にパッチリと開いている。
「なんなんだお前は?いきなり現れてウンチーコングがどうだの.. 「 ウ ン チ ー コ ン グ だ二度と間違えるなクソが 」
オイオイ細かいなこいつは。ウンチーコングとウ ン チ ー コ ン グ 一体なにが違うんだ
「まあいい、お前は ウ ン チ ー コ ン グを知っているか?」 「知らねえよ とっとと失せろ」
そう言うとソイツはこちらも振り返らずに彼方に消えていった。なんだったんだアイツは。
それからしばらく経って、学校に行った俺はあの得体の知れない生物のことで頭がいっぱいだった。 「なんなんだよ ウ ン チ ー コ ン グ って」 考えても答えは出ない。しかし気になって頭から離れない。ずっと分からないままなのは精神衛生上良くない。考えても仕方がない 俺は行動に出た。
「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」
クラス中の人達に聞いて回った。 返った返事は 「知wらwなwいwよw」「いきなりどうした?頭おかしくなったのか?」「ウンチとかサイテーもう二度と話しかけないでね」 など散々であった。 ちなみに何度 ウンチーコング をウ ン チ ー コ ン グ と訂正したことか...
こうしてクラス中聞いて回ったが、結局自分がクラスに居づらくなるだけに終わった。 しかし、俺は諦めない。ウ ン チ ー コ ン グ とは何かを突き止めるまで学校中、いや町中、いやいや日本中、はたまた世界中の人間に聞いてやる。
「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」
ってな
第1話「 ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?」-完-