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免疫(30)-樹状細胞2-

樹状細胞について前よりももっと詳しく調べてみよう。

なんかいっぱいあるみたいだしね!

樹状細胞は生体に広く分布し、抗原特異的にT細胞を活性化、免疫応答を誘導する抗原提示細胞である。

骨髄幹細胞から、異なる分化経路を経て、それぞれの組織、器官に分布するが、これらの細胞には表現型だけでなく、機能においても違いが認められる。

生体内では、未熟な樹状細胞が、組織に侵入した細菌やウイルスなどの異物を認識して取り込み、成熟の過程で、リンパ組織に移動し、異物を消化しそのペプチドを表面に提示するという抗原のprocessingを経て、抗原特異的なT細胞を活性化し免疫応答を誘導する。

樹状細胞は生体内において、基本的に脳以外の全組織にごく低い分布細胞密度で存在している。

表皮内のランゲルハンス細胞は、その細胞質内に特徴的なBirbeck顆粒を持つことで知られる樹状細胞である。

真皮内の樹状細胞は、dermal dendritic cellといわれる。

内皮組織中には間質樹状細胞(interstitial dendritic cell)が認められる

これらは比較的未熟な樹状細胞の代表であり、胸腺、肺、消化管、心臓、肝臓、腎臓などにも樹状細胞の存在が認められている。

成熟樹状細胞として、リンパ組織のT領域に相互嵌入細胞(interdigitating cell)が存在する。

未熟な樹状細胞は抗原を捕食して、リンパ組織T領域に到着すると、相互嵌入細胞として、免疫応答の始動を促すと考えられている。

さて

リンパ組織における二次濾胞の胚中心に存在する胚中心樹状細胞(germinal center dendritic cell)である。

胚中心には内皮系と考えられる濾胞樹状細胞(follicular dendritic cell)が認められていたが、胚中心樹状細胞は濾胞樹状細胞とは異なり、強力なT細胞刺激活性化能を有している。

さらに、CD40刺激とIL-2存在下で、B細胞を活性化および形質細胞への分化を促進することも示されている。

また、plasmacytoid樹状細胞はその形態が形質細胞様でありながら、CD4陽性である。この細胞は、IL-3依存性の成熟過程を示し、IL-3とCD40ligand刺激により、強いT細胞刺激活性および樹状形態を呈することが明らかになっている。

T領域内のT細胞の発現するCD40ligandによる刺激を受け、成熟するものと考えられている。

この細胞は表面形質においてCD11b、CD11c、CD13、CD33といったミエロイド関連抗原の発現が認められず、捕食能も全く持たず、GM-CSFに非依存性の成熟過程を示すことにより、ヒトにおけるリンパ球系樹状細胞の候補と考えられている。

参考:伊藤量基ほか 樹状細胞:その起源、分化、機能、および生体内分布 日本リンパ網内系学会会誌 1999;39(3):163-173


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