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「大学一年生の数学」第8週:関数列の収束とεδ論法

極限や収束、連続性といった概念を論理式を用いて記述することによって、収束という概念にも実は様々な違いがあることが明確になります。このことを例示するため、今週は一様収束という概念を紹介しました。またεδ論法がこの点において有効であることを詳しく説明しました。εδ論法には量化子が複数出てきます。このような命題の証明の仕方についても丁寧に説明しました。

まず火曜日は関数列の収束として各点収束という素朴な収束概念を導入しまし、連続関数の列がこの意味で収束するときに収束先が必ずしも連続関数にならないという例を紹介しました。また、収束について議論するための土台として、数列の収束についてεN論法による定義を紹介しました。


水曜日は上のような素朴な各点収束よりも強い概念として一様収束という概念を導入しました。また、一様収束しない関数列の例を紹介しました。


木曜日は、εδ論法を用いた関数の連続性の定義を紹介しました。また、εδ論法に現れる量化子の扱いに注意しながら、連続な関数の例と連続でない関数の例を紹介しました。


金曜日はここまで準備してきたことを使って連続関数の一様収束先が連続関数になることを証明しました。εδ論法を用いる命題の証明には量化子がたくさん出てくるので慣れないうちは複雑に感じるものですが、こういった命題の証明をする際に量化子の扱いをどう考えていくかについても説明を加えています。


来週は空間ベクトルとその線形変換を扱う予定です。


サポートいただけましたら、書籍などの購入費用にあてたいと思います。学んだ内容はいろいろな形で還元していきます。よろしくお願いいたします。