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「大学一年生の数学」第3週:ベクトル空間と線形写像

今週は線形代数の入門として、ベクトル空間と線形写像について例を中心にして考え方の基本をお話ししました。

線形代数が重要な理由は様々ですが、そのうちの一つに微分や積分が線形性をもつということがあります。このことを紹介するため、関数や数列をベクトルと見ることやそれらに対する線形写像の例をお話ししました。これから微積分の話が進むにつれて、さらに色々な線形写像が現れますのでお楽しみに。

火曜日はベクトルの例を紹介しました。平面ベクトルや空間ベクトルに加え、数列や関数もベクトルと見ることができるということをお話ししました。そのためには足し算と定数倍の定義をする必要がありますが、数列の足し算の定義を説明しました。


水曜日は火曜に引き続きベクトルの例を紹介しました。特に関数をベクトルと見るということについて中心に説明しました。関数の足し算が平面ベクトルや空間ベクトルの足し算、数列の足し算と同じように見ることができることを説明しました。また、内積の考え方について軽く触れ、極限との関係を説明しました。


木曜日は線形写像の例として、まずは平面ベクトルや空間ベクトルに対する幾何的な線形写像を紹介し、最後に数列の項をずらすという線形写像を紹介しました。これは漸化式を扱うときにも現れるものです。


金曜日も線形写像の例を紹介しました。数列に対するものとし木曜のずらす線形写像とともに一部の項を取り出す、極限をとるという線形写像を紹介しました。また関数についても微分や平行移動などの線形写像を紹介しました。また極限操作との関係などに触れ、部分空間という概念を導入する必要性について考えました。


来週は偏微分について扱う予定です。


それ以降は広義積分、平面ベクトルの線形変換、近似とテイラー展開、という順で一週間ずつテーマを決めてやっていこうと思います。

サポートいただけましたら、書籍などの購入費用にあてたいと思います。学んだ内容はいろいろな形で還元していきます。よろしくお願いいたします。