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「大学一年生の数学」第4週:偏微分と方向微分

今週は偏微分と方向微分について扱いました。二変数関数f(x,y)に限って基本的な例を中心に、3次元のグラフを図示しながら説明しています。

火曜日はまず偏微分の計算方法を説明しました。二階偏微分までの計算をいくつかの関数について説明しました。一変数関数についての合成関数の微分や積の微分を使いながらの計算で、やや煩雑ですがまずは計算に慣れましょう。


水曜日は偏微分とグラフの関係について説明しました。xについての偏微分係数はyを固定してxを変化させた時の微分係数です。これはxyz空間におけるz=f(x,y)のグラフをy軸と垂直な平面で切った断面に現れる曲線の接線の傾きに相当します。このことをgeogebraを用いて図示しながらお話ししました。


木曜日は偏微分とその拡張として方向微分を説明しました。偏微分はx軸と平行な方向、y軸と平行な方向にそれぞれ(x,y)を変化させた時の関数の値の変化率を測るものです。これを、より一般の軸と平行とは限らない方向に(x,y)を変化させた時の関数の値の変化率を測るものが方向微分です。方向微分の計算例とgeogebraを用いたグラフの様子を紹介しました。


金曜日は方向微分をさらに説明しました。方向微分は点と向きと与えると、関数に対して数を定めます。向きを固定することで、関数から新しく関数が定まります。これは一変数の場合の導関数のようなもので、この操作を線形作用素とみなすことができます。さらに、向きを点によって変えるとどうなるかを考えることでベクトル場の考え方が現れることを見ました。


来週は広義積分を扱います。広義積分は確率統計に現れたり、ガンマ関数などの特殊関数の定義に現れたり、フーリエ変換などの積分変換に現れるものです。これらの基礎となる広義積分の実例や収束判定などを扱います。

サポートいただけましたら、書籍などの購入費用にあてたいと思います。学んだ内容はいろいろな形で還元していきます。よろしくお願いいたします。