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相性がいい語り手が見つかると、うれしいね

「読んだ本の感想をnoteに書いてみませんか?」

おっ、タイムリー。
ちょうどそうしようと思っていたのよ。
というわけで、今回は読書記録であります。


肉乃小路ニクヨさん。
金融業界の会社員を経ながら、二足の草鞋でドラァグクィーンとして活躍し、今では「ニューレディ」という新たな肩書きを携えつつ、「経済愛好家」としての発信もおこなっている。

今回読んだ一冊は、そんな経済愛好家ニクヨさんの著書。


過去のnoteでも少し書いたが、私は経済や金融の話が苦手だ。
人間社会で生きる上で、お金は大切なのできちんと学びたいのだが、そういう話題になると「右から左へ受け流す〜」状態になりやすい。

40代も折り返しが近くなった数年前、このままではいけないという危機感で、読書のレパートリーに経済本も取り入れようと思っても、やはり頭に入りづらく、途中で読むのをやめてしまったりしていた。

こういう苦手な分野を、とっつきやすくするきっかけはないものか…と、少し悩んでいたタイミングで、私はニクヨさんの存在を知った。

きっかけはある日のYouTubeのザッピングで、ミッツ・マングローブさんとダイアナ・エクストラバガンザさんとの3人で発信している『女装産業ビューロー』というチャンネルがまずヒットし、それから私はニクヨさんの個人チャンネルへ流れ、ニクヨさんと女性誌のコラボ番組も視るようになる。


ニクヨさんは女装家ならではの少し毒のあるユーモアも差し込みつつも、柔らかな物腰と分かりやすい言葉で、お金のテーマを解説することに長けている。

幾多の経済評論家が解説していた投資についての解説は頭に残らなかったのに、ニクヨさんの解説だと「理解出来た!」感とともに、「もっと解りたい」欲が刺激されていくのを感じたのだ。


そして、これまた良いタイミングで昨年の秋に、この本が出版された。

文字になっても、柔らかい語り口はそのままに、お金の作法ともいえる「貯める・使う・稼ぐ・増やす」という4つのポイントについて解説している。

そう、投資でお金を増やすにしてもまずはそれに参加するための「資金」が不可欠。
投資の前に、基本的なお金との付き合い方。
つまり、大部分は「マネーリテラシー」について多くを割いている。

こういう本が、若い頃にほしかった。
そういう本との出会いが今になってとても多いのだが、これもその一冊。

私にとってこの一冊は、「苦手な分野の話ほど、語り手との相性は重要」というのを改めて思い知った本である。
お金本にとっつきづらさを感じたり、食わず嫌いで避けてきた方にオススメだ。

しかし、柔らかな物腰の雰囲気をなるべく残すような文体なので、「真面目な話はお堅い文体でないとイヤ」だと思う方には、逆に相性が悪いのかもしれない。

ニクヨさんによると、お金を遣うときに一番大切に考えてほしいのは「どうしたら自分が幸せになれるか」という点なのだけど、自分の幸せが分からないという声もよく聞かれ、そのような人には、「自分のことがあまり好きではない人」が多い印象なのだという。

これがさっそく本書の序盤に出てくるのだけど、私の過去を振り返ってみると、見事に「うちあたい(沖縄の方言で、心に痛みを伴うような心当たりを感じること)」からの納得…。

その上、お金を稼ぐことも増やすことも、私にはまだまだ不勉強だったり実行が不十分なのを改めて知らされて、耳が痛かった(本なので目が痛いと言うべき?)。

とはいえ、そんなことを今、悔やんでもしかたない。
今日が一番若い日、ピンチはチェンジ(のチャンス)ということを忘れずにいようと思うのだった。

一方でお金を使うことに関しては、身近な自己投資として読書、健康維持のために野菜など身体に良い食材には無理のない限りお金をかけたりといったことは以前から意識して行っていたので、私の選択が間違いではなかった、という小さな自信にも(単純)。


「人生は経営」


ちなみに、最近本書のオーディオブックも発売されたらしいですよ。
しかも、ニクヨさんご本人がナレーションをされてるそう。
著者ご本人のナレーションでのオーディオブックはなかなかないので、結構貴重。
「耳で読む」のもかなり良さそうですね!


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