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夏の引き潮とおぼろげな記憶

幼い頃の記憶で、夏休みだっただろうか。
父に連れられ父の実家へ遊びに行ったときのこと。

叔父がデカいカーペットを担いで、コレを海で洗いに行くぞ!あんたちも一緒に行くね?ってことで、一緒に遊んでいたイトコたちと共に叔父についていった。

海はちょうど良い感じの引き潮で、浅い水面でゆらめくカーペットをみんなではしゃぎながらバシャバシャと踏みつけるように洗った…ような気がする。

引き潮の海を見ると、今でもその記憶の断片が思い出されることがあるのだか、疑問なのは、なぜ海でカーペットを洗ったのだろうという点だ。

海は確かに水量もあるし波もくるので、確かに大物の布製品を洗うには良い場所なのかもしれないが、海の水は塩水なので、乾いたら塩が残ってしまって良くないのでは?

カーペット洗いのことを思い出すたびに、あれは本当に海で洗ったんだろうか、それとも全くの記憶違いか…と、1人小首をかしげるのだが、かしげるだけしかできずで未だ謎が謎のままである。

ところが最近、あの日のアレはコレだったのかもしれない!と思えるような動画を見ることができた。

この動画の後半で紹介されている、「米須潮井泉(クミシスーガー)」。

(動画では「米須潮川」とあるが、糸満市発行の『旧摩文仁村集落ガイドブック https://www.city.itoman.lg.jp/uploaded/attachment/2470.pdf』には「米須潮井泉」と表記されている)

米須潮井泉は、古くからの湧き水スポットなのだが、満ち潮になると海の中に隠れてしまうような場所に存在する、波打ち際の泉なのだ。

動画をご覧になると分かりやすいが、水量も多いので、ここならばおそらくカーペットも洗えるかも。

偶然見つけた動画で、長年の疑問が大きく正解に近づいたような気がして何だか嬉しい。

一番手っ取り早いのは、カーペットを洗いに行った叔父に訊くことなのだが、残念ながらだいぶ前に叔父が鬼籍に入ってしまっているため事実を確認することができない。

ただ、断片的な記憶の中に残る、浅黒い肌と白い歯が光った優しくて明るい叔父の笑顔は、今でもちゃんと覚えているのだ。

すみません、ヘッダーの写真は米須の海ではなく池間島の海です


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