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移住に立ちはだかる壁・不動産編

八ヶ岳エリアの日用品公害(香害)について綴っています。ご購読、フォロー、応援、ご感想、本当にありがとうございます。
色々反響をいただいた中で、実際に移住を検討している方もおられましたので
今回は移住の前に必ず知っておいてほしいことの「不動産編」を書いていこうと思います。

持続可能社会ではなかった古い別荘地

できるだけ早く移住したい、あるいは本格的に移住する前にお試しで住んでみたいという場合、既存の物件を買う・または借りるという選択肢が出てきます。
数は少ないながら別荘の賃貸物件もあります。私も実際見に行ったことがあります。
色々見せてもらった中で「ほー!」と思ったのは、次のことです。

寒冷地仕様で作られている家が(ほぼ)ない

別荘地は高度成長期~バブルくらいまでの時代につくられてきたという背景もあるのでしょう。あくまで「その土地の一番いい季節だけ滞在する」ことを目的に造られています。
つまり「寒冷地なのに、寒冷地仕様で建てられていない」のです。
これは「通年で暮らすことができない(難しい)」ことを意味します。

蓼科でしたら、高原のログハウスに代表されるような、涼やかな山小屋風の建物が多くあります。
もちろん、多くの物件には薪ストーブがついています。
一見すると「冬でも暖かく過ごせそう」と思いがちですが
断熱材が入っていないので、すきま風で相当寒いとのこと。
また、薪ストーブも「うまく焚かないと暖まらない」上に
「光熱費は電気代と同じかそれよりも高い」のです。

エアコンがついていても、とてもそれだけでは暖まりません。

蓼科の冬はマイナス20℃くらいまで下がり、冬期は半年続きます。
北海道の人が「寒い」と言うレベルです。

通年暮らすのであれば「薪ストーブまたはペレットストーブ」+「床暖房」+「エアコン」+「断熱材の入った建屋」が必要になります。
ロイヤルストレートフラッシュ…(汗)これが揃った物件を中古で見つけることは、まず困難です。

また、意外と見落とされるのが冬の道路事情や駐車場の状態等です。
茅野市は除雪が手厚く、雪が降れば夜通し除雪車が走って下さいます。
なのでスタッドレス+チェーンの準備があればあまり困らないのですが、2WDでは厳しいです。
なぜなら(当たり前なんですが)山だからですね(汗)
急勾配でカーブも多い山道、登り切れるかどうか手に汗握りますし
下りは本当に怖いです!

ちなみに「除雪された道路」は、都会の人が想像するそれと全然違いますので(笑)
大きな轍ができるだけで路面に雪は残っていますし、その下の凍結も解決されていませんので
慣れるまではなかなか怖いです(ゆっくり動かし、急ブレーキ・急ハンドルしなければだいたい大丈夫ですが)

そして駐車場も…
物件自体が山の中=傾斜地であることも多いので、積雪した駐車場に車が入れない!というアクシデントも想定しなければなりません。
別荘地といっても管理会社が除雪してくれることはあまりなく、少なくとも敷地内については自分で雪かきをします。
蓼科では一晩で30cmとか余裕で積もりますので、ミニ除雪機が必要になるかもしれません。

軽井沢で見た物件は駐車場自体が急な坂状態で、なんと私の車は上がれませんでした(爆)夏なのに!
雪が降ったら完全アウトということで、中を見るまでもなくお断りさせていただきました。

じゃあ建てちゃうか、リフォームする?

という選択肢は、それなりにお金のかかるものになります。
それでも!という場合は気に入った土地を買う、または建物ごと買ってリフォームすることになりますが、都市部に暮らしているとなかなか知りえない条件が結構たくさんありました。

  • 地目が「原野」「山林」だとローンが通りにくい(ほぼ通らない)

  • 借地権つきの土地には住宅ローンが適用されない(自己資金が必要)

  • 傾斜地も多いため基礎工事が大変

  • 都市部より深く基礎(根入り)を打つ必要がある

  • 冬が長いので工事のできる期間が限られる

  • 断熱工事や冬期の凍結防止等で、都市部に家を建てるより費用がかかる(さらっと聞いた話では1.5倍くらい?とのこと)

  • 既存の建物に断熱工事をする場合も非常に大がかりになる

どうしても移住しなければならない場合は、スウェーデンハウスのように気密性が高く、できるだけ暖かく過ごせる建物を建てる、あるいは探すことになるかと思いますが
その場合は「相当まとまったお金」が必要になります。
多分8桁とか…(滝汗)

今のご自宅が持ち家なら、移住するより1桁少ない負担で
これ を設置するほうが現実的なんじゃないか!とすら思います(汗)
消臭・調湿のために漆喰を塗ることはよくありますが、外から侵入する臭いをバリアできるわけではないので
もし室外からの化学物質流入を防ぐことができれば、無理に住まいを変えなくてもいいのかもしれません。

気候変動に対応していない中古物件

別荘地の中古物件は、冬の寒さだけでなく夏の暑さにも対応しきれていません。蓼科が避暑地として栄えた昭和~平成初期と令和では、あまりにも暑さのレベルが違いすぎるのです。

蓼科だけでなく原村や清里、姫木平などの中古物件も見ましたが、建屋にエアコンがついているのを見たことがありません。
エアコンがついていないなら、つければいいと思いますよね?
が、エアコンがない=躯体にエアコンをつけるための設備がそもそもない、という意味ですので…
つまりエアコンをつけようと思ったら、躯体に穴をあけなくてはいけません。
これは賃貸物件やリゾートマンションの場合、絶対にできないことです。この時点でその物件は「詰み」になります。
安曇野の物件にはエアコンはありましたが、「これだけでは暖まらないので石油ストーブを」と言われました。
(化学物質過敏症で灯油が扱えないので、無理筋なのですね)
夏涼しく冬暖かい、なら一も二もなく飛びつきますが、
夏暖かく冬涼しい家だったら、正直いらないですよね(汗)

一口に蓼科といっても標高差が大きく、標高の低い場所は日中35℃を超えることもあります。
私がいる標高1800mのピラタスの丘であっても、晴れた日中は非常に暑いです。
外気温30℃くらいになったとき、エアコンがないとそれなりに厳しいです。
もちろん、窓を開ければなんとかしのげることもあります。

「窓が開けられれば」ですけどね。

近隣の香害で窓が開けられない暑い日、
私は犬たちを抱えて車に乗り、日陰のある駐車場まで車を走らせます。
片道30分の場所は、除草剤か殺虫剤の臭いがひどい日があったので
最近は片道50分のスーパー駐車場まで行っています。

香害だけじゃない、田舎ぐらしならではの懸念

蓼科は観光地ということもあるのでしょう。
なんでここで?!という場所で、殺虫剤や除草剤の臭いを嗅ぐことがあります。
最近では尖石縄文遺跡の駐車場や、たてしな自由農園の駐車場。(これらの施設は畑が近いので、やむを得ないかもしれません)
さすがにちょっと待ってと思ったのは、御射鹿池の駐車場で同じ臭いを嗅いだ時でした。
夏休み直前でしたので、観光客が蜂に刺されたりしないようにという配慮でしょうか。
合成洗剤や柔軟剤、ファブリーズなどを使うから、蜂に刺されやすいんですけどね~。(観光客はそういうことを何も考えていない、激臭な人が多いです)

長野県は日本一農薬の使用量が多いと、引っ越してから知りました。
長野県の子どもの尿から、農薬が検出された割合は100%です。

農業が盛んで田畑が多いので、曝露する機会は多くなります。
住宅地にも田畑がありますし、虫も多いので当たり前に殺虫剤や蚊取り線香などが使われます。
野焼きも、市の環境課は一応「ダメ」と言っていますが、皆さん平気でやっています。
車で一瞬通り過ぎただけで車内がものすごい臭いになるので、ご近所に住んでしまったら苦痛はいかばかりか…と思います。

また、冬を暖かく過ごすために薪ストーブをつけているおうちもあります。
薪ストーブが売りのペンションもあります。
良いストーブで良い薪を焚けば煙害はないと言いますが、薪もストーブもピンキリ。
ご自身で薪割りをして燃やす方も多いので、かなり臭いの強い煙を放出します。
寒いので冬場はあまり窓を開けることもないですが、すきま風が入るような建屋では煙の臭いが入って来ることがあります。

化学物質過敏症で移住を考える場合、これら「住宅地や田畑周辺で発生しうるリスク」をあらかじめ考えるからこそ、定住者が少なく、建屋同士の距離も取れる別荘地を選びがちです。
実際、別荘地であれば蜂の駆除くらいで、農薬等を使われるリスクは低いでしょう。
(参考までに、茅野市はスズメバチの駆除を自力でやってね、とのことですwww 
文京区は、スズメバチ駆除は無償でやってくれます。アシナガバチは自腹ですwww)

しかし、別荘地に集まる人たちのマインドが問題です。

  • 「自分で買った土地・家なのだから何をしても自由(=家庭菜園で農薬バリバリ撒く)」

  • 「金を出して遊びに来ているのだから、何を言われる筋合いもない(=他人の家の前に布団を干していく)」

  • 「自然の中にいると癒されるから来ているが、都会での生活スタイルは変えない(=洗剤等に気を付けない)」

こんな感じの人がデフォルトだな~と感じています。

運よく「近隣に家がなく、農薬や香害のリスクもなさそう」な別荘地の戸建てに住めたとしても、ある日突然すぐそばに家が建ち始めることも結構あります。
原村で中古物件を見た時、最初のオーナーさんは「とにかく人が来ない場所がいい!」と、本当に静かな場所にぽつんと家を建てたのですが
私が内覧に行った時は、すぐそばに家を建てている途中でした。
洗濯物が干されれば、絶対に臭いが中に入って来る距離。
しかも建築工事は始まったばかりで、これから絶賛化学物質放出がわかり切っているので、そこはお断りをしました。

不動産だけで随分語ってしまいました!
次回は香害のお話中心になりますが、スーパーやコンビニなど、日常生活に必要な施設の様子をお伝えしたいと思います!
長い文章をここまで読んで下さり、ありがとうございました☆彡


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