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06_ジャパンブルーと呼ばれた藍、インディゴ、化学藍、藍48色。

※この記事は「宝島染工と染染週間 -染とは植物や大地から色を借りる行為-」うなぎの寝床旧寺崎邸開催 2023年7/14(金)~7/24(月)に付随した特集記事で、メールマガジンでリリースした内容をアーカイブしています。メールマガジンの新規登録はこちら


日本を代表する色「ジャパンブルー」

明治初めに来日したイギリス人化学者、ロバート・ウィリアム・アトキンソンが、町のあちことに見られる藍色を「ジャパン・ブルー」と呼んで称賛した。これがジャパンブルーと言い始めたきっかけだと言われている。今も海外の人がジャパンブルーと呼んでるのかは怪しいとは思うけれど(笑)。日本人にとって藍というのは、日の丸の赤と合わせて国民色なのではないかと思う。実際、僕らは衣類を取り扱い販売させてもらっているが、紺・藍・青に対する日本人の信頼感は絶大で、販売していて安定感ある売上と人気を見せる。

日本の藍の原料
タデアイ(左)からできるすくも(右)

世界中で藍色を出す植物はある
藍染の種類やあれこれ

藍染めは、藍を染料として用いた染物だ。日本においては蓼藍(タデアイ)と呼ばれる植物から色素がとられ、今は徳島県と北海道でほぼ生産されている。沖縄においては琉球藍が用いられて、藍の種類が違うが、同じ藍色の色素がとれる。この藍色の色素がインディゴである。インディゴは本来インドで栽培されている藍植物からとれるインド藍のことを指し「インドからきたもの」というのが本来の意味であるが、その中に含まれる物質名にもなっている。世界でインディゴ色素を生み出す植物はたくさんあるのだが、大きくは4つだ。

1_日本で用いられているタデ科のタデアイ(蓼藍)
2_沖縄や東南アジアで用いられているキツネノマゴ科のリュウキュウアイ(琉球藍)
3_インドや中米などで栽培されるマメ科コマツナギ属のキアイやナンバンコマツナギ
4_欧州で使われてきたアブラナ科のウォード

この4つに藍の色の色素であるインディゴが含有されている。久留米絣の工房は北海道や徳島のすくも(藍を発酵させて凝縮した物質)を仕入れて、藍染を行うことが多い。一部半建といって、天然藍と、化学藍を混ぜているところもある。宝島染工さんはインド藍を基本使っている。その上でOEM(ブランドから受託して仕事を受ける)の場合は、コストなどを鑑みながら、化学藍と半建で行う場合もある。うなぎの寝床のコラボMONPEは、インド藍のみだと高価になってしまうため、半建を採用している。化学藍とは何か?次に少し説明していこうと思う。

ジーンズには化学藍が使われていることが多い

天然藍染がなくなっていった理由。
合成染料インディゴピュア、化学藍の発明

ジーンズ(デニム)などに使用されているインディゴは化学藍が使われている。化学藍はドイツ人のバイヤー(Von Bayer) が、1880年にインディゴを合成することに成功し、1883年その化学構造を確定した。これが、発端となり1887年ドイツにおいて初めて工業的生産に成功し、1897年にはBASF(バディッシュシュアリニンソーダ工業会社)によって量産化がはじった。

合成インディゴは、天然インディゴと全く同じ物質であり、純度の高く一定のものが安価に生産できたことから、天然のものを衰退させてしまった。

ジーンズ(デニム)には上記示したように化学藍が使われていることが多い。ジーンズは、1829年ドイツ生まれで、1847年にアメリカに渡ったリーバイ・シュトラウス(Levi Strauss)が、1853年に、フランスのニームで作られた生地を使って初めて作り、さらに1870年代に、鋲(びょう)打ちの製品を出したことで広まった。その後この労働者の作業着がインディゴで染められたことで、労働者階級のことがブルーカラーと呼ばれるもととなった。広島の福山や岡山の倉敷はデニムの産地であり、その産地ともコラボMONPEをつくっている。デニムもんぺもぜひお試しあれ。

日本には48色の藍色がある
細やかな色味の違いを楽しむ感性に驚き

藍色は48色もあるのだ
藍染は染める回数によって濃淡が生まれる。

藍は、そのまま生葉の状態では濃く染まらない。なので、乾燥した藍葉を室の中で数ヶ月かけて醗酵させてすくも(蒅)を造る。このすくもを久留米絣の工房は仕入れて、水甕で醗酵させてから染色を行う。何度も何度も糸や布を染めては空気に触れさせてというのを繰り返すことで、色が少しずつ濃くなっていく。藍染はこうやって色を重ねていくために、藍の濃淡だけで48色の名前がつく色見本が存在したと言われている。

宝島染工と染染週間
-染とは植物や大地から色を借りる行為-
うなぎの寝床 福岡八女 旧寺崎邸
期間 2023年 7/14(金)~7/24(月) 
お休み:火曜・水曜
営業時間:11:00-17:00
住所:〒834-0031 福岡県八女市本町327
電話:0943-24-8021

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