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01_花火がもっと楽しくなる、花火の雑学あれこれ

※この記事は「お盆と夏の涼週間」2023年7/25(火)-7/31(月) に付随した特集記事で、メールマガジンでリリースした内容をアーカイブしています。
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夏の風物詩、線香花火
儚くも美しく燃える姿に魅せられる

そもそも、花火とは?
花火のはじまりと、その歴史

夏の夜空を彩る打ち上げ花火。子どもも大人も時を忘れてはしゃぎながら楽しめる手持ち花火。花火の大小様々あれど、いずれも夏の夜のひとときに非日常を与えてくれる、特別なもの。
この花火、実は長い長い歴史があり、花火やそのもととなる火薬のはじまりには様々なストーリーがあるようだ。

花火のもととなる「火薬」が誕生したのは、6世紀頃の中国。当時、不老不死の薬をつくる「錬丹術」での失敗・爆発から、偶然にも火薬が発明された。「花火」のはじまりとして有力な説は、中国・秦の始皇帝が北方からの侵略を阻むため、万里の長城で「狼煙(のろし)」として硝石(硝酸カリウム)を使用したことと言われている。硝石、煤(すす)、硫黄を混ぜた火薬を燃焼させると、ガスを発生させることから、次第に戦の「武器」として利用されるようになったのだ。

日本においては、1543年種子島へ鉄砲の伝来とともに火薬の技術が伝わり、戦国時代は火縄銃に活用。その後、徳川幕府によって平安の世が訪れると、徳川政権が武器・弾薬の製造を厳しく取り締まったため、戦中「火薬職人」として活躍していた人々は職を失うことになった。武器としての火薬技術が下火となり、そこから花火製造技術の誕生へと、時代は変化していったのかもしれない。

日本で最初の花火大会は隅田川花火大会だと言われているが、これは1732年の享保の大飢饉で亡くなった人々の鎮魂と疫病退散を願い、打ち上げられた花火だった。

線香花火の原型「西の線香花火」
上に向けて息をフーっと吹きかける

線香花火の「線香」って?

日本で手持ち花火をする際に、昔も今もかかせないのは、線香花火。ジッと手を動かさずにどこまで花火の火を長持ちさせて、静かに揺らぐ線香花火を見ていられるか。花火の中では火花が地味だけれど、じっくり味わえる醍醐味を感じるのが線香花火なのでは、と。

この線香花火、なぜ「線香」花火と呼ぶのか?これは1700年代頃の江戸時代に「スボ手」と言われる藁(わら)の先に火薬を付けた花火を、線香を立てる香炉に挿して鑑賞していたことに由来する。

「スボ手」の線香花火は300年以上形が変わっていない線香花火の原型で、花火の先端を斜め上に傾けて手で持つのが基本。下に向けた線香花火を眺める、というイメージは実は後からできた文化なのだ。

米づくりが盛んな西日本だから「ワラ」
紙づくりが盛んな東日本だから「紙」

日本の西・東で線香花火は違っている!

線香花火には先に述べた「スボ手」と「長手」の2種類ある。西日本で一般的に広まっていったのが、「スボ手」といわれるもの。膠(にかわ)で練った黒色火薬をワラスボ(稲藁)の上端につけたものだ。昔から稲作が盛んだった西日本だからこその作り方であり、線香花火の起源と言われている。

西から東へと、この線香花火が伝わる際、関東地方では米作りが少なく紙漉きが盛んだったため、紙で火薬を包むという代案ができたそう。そのため、「長手」はカラフルな和紙の下端に黒色火薬を包んだスタイルとなり、関東地方を中心に親しまれ、その後スタンダードな線香花火として全国に広まった。

選ぶ楽しみを大切に
花火の「バラ売り」

駄菓子屋さんでおかしを選ぶように
「花火を選ぶ」楽しみを!

線香花火の原型ともいわれる「スボ手牡丹」。その国内唯一の製造所である「筒井時正玩具花火製造所」では、花火を「選ぶ楽しみ」をつないでいこうと、駄菓子のように花火をずらりと並べて販売する手法をとっている。昔は、駄菓子屋さんで、駄菓子と一緒に一本ずつ好きな花火も選んで購入できたのだが、現在はパッケージになった商品ばかりが並ぶ。ずらりとバラで並べられたカラフルな花火の中から、ワクワクしながら自分が好きなものをひとつ選んで購入し、花火をする。 そういった昔ながらの花火文化を後世に残していきたいという思いから 「玩具花火のバラ売り」というアイデアが生まれた。

お客さまの手元に花火を届けるときにもひと工夫。
どのような見え方をしているのか? どんな場面で花火を使うのか?といったところから考え直し、デザイナーとともに新しい花火の開発だけにとどまらず、パッケージデザインや販売時のディスプレイなど、今まであまり気にかけてこられなかった点に注力し、花火の新しいあり方も提唱している。

線香花火の持ち手が「花」に
防湿に適した桐箱のパッケージ

例えば、紙の包装。お客さまの手元へと届くまでに壊れてしまっていたこともあり、商品を守れるよう箱型のパッケージへ変更してみた。そのほかにも、自分で購入して気軽に楽しめる花火、「人へ贈る」こともできるギフト用のセット花火など、幅広い価格帯と商品を準備。特別な日といつもの日常、花火を「使う場面」で考えた、様々なオリジナル花火を作り出している。

中でも、手作業で丁寧に包む線香花火の制作過程からインスピレーションを受けた「手で折りたたむ」パッケージの「線香花火 蕾(つぼみ)」は、2011年からのロングセラー商品。その他にも、紅白の線香花火を水引に見立てた「祝い線香花火」や、線香花火の持ち手部分を花びらのように仕上げ、それを束ねることで「花」を表現した「線香花火 花」など独特のアイデアを生み出している。

この1週間は、「お盆と夏の涼週間」として、夏を楽しく涼しく過ごせるコト・モノを考えていこうと思う。ちょうど夏休みもスタートしたばかりのこの時期だからこそ、花火で夜じかんを楽しく過ごしてみては?


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