【シノビガミ】斜歯四天脳選考会【シナリオ】

シナリオスペック
レギュレーション:現代編(退魔編忍法の修得可)
タイプ:特殊型
リミット:3
プレイヤー人数:4人以上

導入

 PCたちは斜歯忍軍頭領の黒潮一人に招集されました。

黒潮一人「この度、斜歯四天脳に1名の欠員が生じた。そこで新たなメンバーを補充したい。斜歯四天脳という役職は忍者としての階級とは完全に独立している。斜歯四天脳に求められる素質は、前線の戦闘員や諜報員のそれとは全く異なる。戦略的に物事を見極め、緻密な陰謀を企て、戦闘員や諜報員を指揮する能力が求められるのだ。君たちにはその素質があると、私は見込んでいる。君たちの中で最も知略に長けた者を斜歯四天脳の新メンバーに任命する」

事前準備

(1)各プレイヤーは以下のキーワードから好きなものを好きなだけ使用し、陰謀を企ててください。

キーワード
斜歯四天脳、欠員、理由、裏切り、新型、忍具、社食、妖魔、バーチャル、自我、兵器、暗殺、労働組合、予算
※補足
・なるべくバトルロイヤル型になるようにしましょう。
・プライズやNPCは勝手に追加して構いません。データが必要であれば自分で作成するか、ルールブックのエネミーを使用してください。
・エニグマは「戦力:刺客」のみ1人1個まで設定可能です。エニグマを設定した本人は効果を受けません。複数人が同じエニグマを設定した場合は効果が累積します。

(2)各プレイヤーは自身が企てた陰謀に基づき、キャラクター1人分の【秘密】を作成してください。必ず【追加の使命】を盛り込んでください。陰謀の組み立てに使ったキーワードは最低でも1個は組み込んでください。

(3)各プレイヤーは作成した陰謀と【秘密】をGMに提出します。

(4)GMが全員分の陰謀と【秘密】を読み込み、セッションが破綻しないように調整をしてください。調整内容は各【秘密】の作者プレイヤーと相談してください。

(5)GMが【秘密】をプレイヤーに配ります。配り方はランダムでも意図的でも構いませんが、【秘密】の作成者自身には渡さないようにしてください。(例:PL1が作った【秘密】をPL1に渡すのは駄目)

ルール

・斜歯忍軍(下位含む)のPCで参加すること。元斜歯忍軍で背景【長命】により古流流派になっているPCは斜歯忍軍として扱います。
・【使命】は全員共通で以下の3個。

【使命①】
自分が書いた【秘密】を持つPCが、その【秘密】の【追加の使命】を達成すること。(功績点2点)
【使命②】
配られた【秘密】に書かれている【追加の使命】を達成すること。(功績点1点)
【使命③】
斜歯四天脳の新メンバーになること。(功績点1点)

Q&A

Q. PCの階級は全員一緒?
A. 好きな階級のPCで参加して良いです。肉体よりも頭脳で勝負してください。
Q. NPCを勝手に生やしたり、PCに勝手にプライズを持たせたりしてもよい?
A. OKですが、プライズの効果はp242プライズ効果表より強くならないようにしてください。GMに要相談です。
Q. オリジナルの忍法や儀式忍法を作ってもよい?
A. OKです。ただしGMに要相談です。

クライマックスフェイズ

 本社ビルの屋上、研究所の地下、歴史ある屋敷、労働組合本部、その他。皆の陰謀の最小公倍数的な場所で最終決戦が行われることでしょう。戦場は平地です。全員の戦闘の意思がなくなれば戦闘終了です。

結末

 戦闘が終わると黒潮一人とDr.斜歯が現れ、PCたちの講評を行います。PC1から順番に陰謀の内容を公表してもらい、黒潮一人とDr.斜歯の立場で講評を行ってください。

 続いて以下の得点計算を行います。一番得点が高いPCが斜歯四天脳の新メンバーとなります。

・陰謀を達成した(【使命①】を達成した):8点
・【使命②】を達成した:4点
・クライマックスフェイズの戦闘に勝った:2点

 最高得点のPCが複数存在する場合は、参加者全員による決戦投票を行います。投票の観点は「胡散臭く胡乱で壮大な陰謀であったか」です。

参考:作者の卓でプレイしたときの陰謀と【秘密】

PLが作成した陰謀と【秘密】その1

陰謀
新型忍具「因果スタンガン」により、世界中の忍者が自我を失ってしまった世界。
しかし自我がなければ人は生きる事ができない。そのため自我がスタンした瞬間、忍者脳の防衛機構が瞬間的に働き、新たな自我が生まれた。強制的に生まれた自我のためにシノビたちは奔走する。
シナリオの目的としては自我を失ったまま、偶然誰かが「因果スタンガン」を破壊することだ。
プライズ「因果スタンガン」
因果スタンガンを知覚することはできない。因果スタンガンは別のプライズの名前になっているので、GMは適当な名前を考えその名前のプライズをシナリオに登場させる。効果は好きに考えてよい。
因果スタンガンを誰かが破壊すると宣言した時。因果スタンガンは壊れ、その本来の姿を表す。
本来は因果スタンガンがスタンさせるものは妖魔の存在そのものだった。だがなんの因果か忍び達の自我だけがスタンされてしまったのだ。

【秘密】
『ジジッガガッ!』スピーカーから黒潮一人による放送が流れる。
斜歯四天脳に欠員が出た…!?ええい、そんなことは知ったことではない!
何故なら我々はバーチャル予算委員であるから!バーチャル予算委員とは…?わからない…我々には自我がないから。
は?自我?
『ジージーッガガッ!』
「労働組合の皆さん!おはようございまぁす!」
はて、黒潮一人の放送はいつの間にか終わったようだ。そうか、呼びかけられた以上、僕らは労働組合の皆さんで、僕は労働組合の僕になるな。
「新型忍具の開発に携わっていたシノビが我々を裏切りましたぁ!このままでは我々はまるで妖魔の社食。『理由なき暗殺兵器』と呼ばれた我々がです、悔しいですねぇ!」妖魔に食べられるのは、いやだな。あと、我々は理由なき暗殺兵器であり、そして悔しいのか、そうか、行くとしよう。
【追加の使命】あなたは自分の手でとあるプライズを破壊しなくてはならない。プライズを所持した状態でGMに破壊を宣言すれば目的のプライズであれば破壊できる。

PLが作成した陰謀と【秘密】その2

陰謀
そもそも、斜歯忍軍は迷惑をかけ過ぎである。
忍法研究のためにいちいち妖魔を呼び出したり、それが逃げ出したり……全統一流派となることを目指すのであれば、
もう少し社会を脅かさない形を模索していくべきなのだ。
そこで私はバーチャル妖魔の開発を提案したい。何故なら時代はバーチャルを求めているから。
しかし、計画を実現していくためには予算が必要だ。幸い今回の参加者は斜歯の忍者たちばかり。
多少手荒な真似を働いたとしても、世間様に迷惑をかけることもないだろう。ないです。はい。

【秘密】
あなたの【追加の使命】は、バーチャル妖魔開発のための【予算】を6点以上持った状態でクライマックスフェイズを終えることだ。あなたが他グループにダメージを与えることそのものが、今後の予算取りにおいて文字通りの打撃となる。要は予算委員会に出席させなければいいのだ。
そんなわけで、あなたは以下の特殊忍法を修得しているのだ。

【河残陽-かわざんよう】
サポート忍法/間合い・コスト・指定特技:なし
<効果>
この忍法を修得したキャラクターは、自らがダメージを与える(生命力の減少は含まない)ことで特殊忍具【予算】を得る。
なお、「中忍以下:1.5点/ダメージ  中忍頭:ダメージ1点/ダメージ 上忍以上:0.5点/ダメージ(端数はそのまま保持)」とする。
任意のタイミングでこの【予算】を脅威度と同じ点数支払うことで、低級妖魔をそのシーンの間だけ従者として使用できる。
<フレーバーテキスト>
川に浮かぶ夕日に誓った昔日の野望。

PLが作成した陰謀と【秘密】その3

陰謀
《新たな時代(斜歯四天脳)を見極めろ》
それはデータの書き換え、更新(PCによって情報を知る過程はご自由にどうぞ)をおこなっている際に発見した。斜歯四天脳の欠員補充をするという情報だ。なるほど面白い。私には四天脳そのものには興味などはない。しかし四天脳になるものには類稀なる才覚というものがある。もしかしたら未知なる才覚に出会えるのではないか?…これは心が踊る!どれ、次世代の四天脳とやらをこの眼で見てみようではないか。もし誰にも類稀なる素質を持っていないと判断した場合は……?まあ次の才覚に出会うまで私が代わりを務めてやっても良いだろう…。

【秘密】
あなたは次の斜歯四天脳の座に居座るに足るだけの素質があり、その力をもってして叶えたい野望がある。そのためには周りの候補者などは邪魔者でしかない。わかりやすく自分の力を示すためにも奴等には圧倒的な力を見せてやろう。あなたの【追加の使命】はクライマックスフェイズで最後の1人になって勝利することである。

PLが作成した陰謀と【秘密】その4

陰謀
我らが指矩班、引いては我らが斜歯忍軍の流儀! それは何を置いても「奥義の情報を集める」こと! では情報を集めるには何をすればよいか! それは何を置いても……忍者と忍者、人と人、人と獣、獣と機械、機械と怪異、怪異と人が……強い感情によって結びつき合うことッ! ここまではよろしいですねドクター? なので我々の班は感情獲得に関わる忍法を研究し、遂に感情獲得をより簡便で無節操にする儀式忍法を開発したのです!! ヤッター!!! 関係性!!! ここまではよろしいですかドクター?!? こいつでいっちょより多くの忍者たちの精神をより強い感情でぐちゃぐちゃにしたいンじゃなかったより多くの奥義情報を収集する実地試験をいち早く行いたいんですけどオ!!! え? 斜歯四天脳選考会? それは……またとない素敵なお話ですね。僕の“陰謀”にも有利に働きそうだ……。

【秘密】
 我らが斜歯忍軍の流儀は「他の流派の奥義の内容を集める」こと。あなたも斜歯忍軍に所属する忍者であるので、この流儀に真っ向から反することはないであろう。ここまではよろしいか? では、【奥義】の情報を集めるには何をすればよいか。それは何を置いても、多くの人物と強い感情によって結びつき合うことである。ここまではよろしいか? よろしいな。今回の選考会参加者は全員が斜歯忍軍であるため、あなたも可能な限りこれを簡便化することに尽力してくれることと思う。あなたの【追加の使命】は、「セッション終了時、全てのPCが複数のキャラクターに対する感情を獲得している状態にする」ことだ。
また、あなたは【奥義】とは別に以下の儀式忍法を修得している。存分に活用し、使命達成に役立てて欲しい。
【限界感情の法】
韻度3 / 初期念度5
儀式: 人と人が出会いやすいよう画策する 《仕込み》
儀式: 考えすぎてしんどくなってきたので奥歯を噛み締める 《怪力》
儀式: 自分が努々出しゃばらないよう息を潜める 《隠形術》
儀式: 誰かと誰かの関係性を研究して限界になる 《調査術》
儀式: 魂の深い繋がりを己の目に焼き付ける 《記憶術》
儀式: 一心不乱に他人の関係性について考える 《幻術》
この儀式忍法の持ち主が登場しているドラマシーンでは、シーンプレイヤーは通常の行為判定と別に、追加で1回感情判定を行うことができる。また、この儀式忍法の持ち主が登場している戦闘シーンでは、全てのキャラクターは自分の手番で、攻撃の代わりに戦闘参加者を目標に感情判定を行うことができる。
——魂と魂の深い繋がりを願う強い想いが実り、最終的に限界になる。

あとがき

 GMの仕事をPLにアウトソーシングするシリーズ第二弾として作成したシナリオですが、その目論見は失敗し、結局マスタリングが大変になりました。でも楽しかったので良しとします。

 GMが手持ち無沙汰であれば、GMもプライズやNPCを用意してもいいと思います。私は調子に乗って賑やかしエネミーとしてDr.斜歯と自PCを出したせいで処理がめちゃくちゃ重くなりました。

GMの仕事をPLにアウトソーシングするシリーズ第一弾はこちら。

以上


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