【フタリソウサ】留別の灰色スープ【シナリオ】

●シチュエーション

 探偵または助手は関東の某国立大学の大学院生と友人(または親戚)です。その友人に会いに大学の研究室を訪れたところ、丁度殺人事件で警察が捜査を始めたところでした。友人の為にも、そして探偵の知識欲を満たすためにも事件の解決にあたることになります。

●ロケーション・用語

関東の某国立大学
 東京都の府中市と小金井市にキャンパスがあるかも知れません。

丹沢山
 神奈川県の北西部に位置する標高1,567mの山です。Google マップ

秘密教団「United Creature」
 ウボ=サスラを信仰する宗教団体です。ウボ=サスラに認知されていません。ウボ=サスラ に回帰することが目的であり、ウボ=サスラの行方を追い続けています。基本的に一般人に害をなさない大人しい集団ですが、ウボ=サスラに関する情報を得るためなら手段を選びません。

ウボ=サスラ
 全ての地球の生命の源であるとされる外なる神です。ハイパーボリア大陸の地下に住んでいました。本シナリオは、グリーンランドがかつてのハイパーボリア大陸の一部であるという立場です。また、本シナリオのオリジナル要素として、氷河期の影響で信者を多く失ったウボ=サスラは、新天地を求めて地下を少しずつ移動しています。現在は丁度日本の丹沢山の地下に潜んでいます。

●登場人物

神崎エリザベス (かんざき・えりざべす) 42歳 女性
 某国立大学の生物学の准教授。生命の起源を探求している。加藤と二人きりの時は「ベティ」と呼ばれている。

加藤朝輝 (かとう・あさき) 32歳 GMが好きな性別を選ぼう
 神崎研究室の助教。神崎の共同研究者。神崎と二人きりの時は「朝輝」と呼び捨てにされている。

山宮賢吾 (やまみや・けんご) 24歳 男性
 PCたちの友人。神崎研究室の修士2年。D進はしないつもり。PCたちは山宮に会いに神崎研究室を訪れたことで、事件に巻き込まれる。

生野智佳 (いくの・ともか) 26歳 GMが好きな性別を選ぼう
 神崎研究室の博士2年。生物の再生に関する研究をしている。冷静沈着で礼儀正しいが、研究以外の物事(人間関係など)について無頓着。感情が無いわけではない。

笹西桃子 (ささにし・とうこ) 23歳 女性
 神崎研究室の学部4年生。生野から大学院に進むよう圧力をかけられている。

宇崎通雄 (うざき・みちお) 51歳 男性
 神崎の胡乱学者仲間その1。考古学者。「人類史は邪神の活動から統一的に理解できる!」

ダグラス・ランドウェイ 44歳 男性
 神崎の胡乱学者仲間その2。地質学者。「邪神の存在を仮定しなければ地球の地質現象は説明がつかない!」

●真相

 生物学者の神崎エリザベス准教授(42)はアメリカ生まれであり、アメリカ人の母と日本人の父を持ちます。しかし実は両親から生まれたわけではなく、正体はウボ=サスラの落とし子です。冒険家だった両親はグリーンランドの恐るべき地下洞窟でウボ=サスラの落とし子に会合しました。なぜか両親に懐いた落とし子は、両親とともにアメリカへ帰国しました。両親は後に娘を授かり、娘と落とし子は姉妹のように仲睦まじく育ちました。しかし、ある日娘は落とし子と散歩している最中に交通事故で死亡してしまいます。このとき落とし子は自分の役割を悟り、即ち自分が娘のスペアとなり両親を悲しませないようにしようと考え、娘の遺伝情報と娘との思い出を基に娘になり変わりました。こうして、結果的に落とし子の命だけが失われたのでした。落とし子は今や遺伝的には完全に人間となりましたが、ただ一つ違う点がありました。それは、ウボ=サスラという直接の生みの親に対する無意識の畏怖と郷愁です。この無意識の感情が今回の事件の遠因です。

 成長した神崎は生物学を専攻し、生命の起源を探求し始めました。ウボ=サスラへの郷愁がそうさせたのです。神崎は表向きは分子生物学の立場から真っ当な研究成果を挙げていましたが、裏では魔道書を研究していました。なにせエイボンの書には生命の起源がウボ=サスラであると書いてあるものですから。

 魔道書を研究した結果、いよいよもってウボ=サスラが生命の起源であることを確信した神崎は、気の触れた(×気心の知れた)学者仲間とウボ=サスラの所在を突き止めることにしました。事件発生の約半年前のことです。考古学者の宇崎通雄(51)は、現在のグリーンランドが今はなきハイパーボリア大陸の一部であるならば北極圏の文化を統一的に解釈できることを指摘しました。そして地質学者のダグラス・ランドウェイ(44)は、プレート由来ではない地震は巨大な物体が移動しなければ起こり得ないとし、グリーンランドから日本まで長期間かけて巨大な物体が地下を移動したと主張しました。自らの研究と胡乱な仲間の学識を以って神崎は確信しました。ウボ=サスラは日本の地下に居る! 今こそ里帰りの時だ!

 神崎は気の触れた学者仲間とともに丹沢山に向かいました。ウボ=サスラが潜んでいる最有力候補地なのです。1度目の調査で灰色の液体が染み出している地点を発見しました。この液体は興味深いことに、ありとあらゆる生物を生成しては吸収することを繰り返していました。生成される生物は人間とて例外ではありませんでした。神崎は嬉々としてこれを持ち帰り、研究室の冷蔵保管庫に保管しました。共同研究者の加藤朝輝(32)への置き土産とするためです。里帰りをすれば、多分もう二度と会えないからです。しかし、加藤に詳細を伝えるわけにもいかず「素晴らしいサンプルを見つけた。冷蔵保管してあるから先に調査を始めておいてくれ」とだけメールしました。6年間ずっと懇意にしてきた大切なパートナーを胡乱な世界に引きずり込みたくなかったのです。

 翌日、加藤は神崎からのメールを読み、冷蔵保管庫を開けました。するとそこには上半身だけの裸の男性が収められた保冷箱と大量の生物サンプルや灰色の液体の入った瓶が収納されていました。驚いた加藤は慌てて警察に通報しました。しかし後から冷静に考えた結果、神崎からの置き土産なのだと納得しました。

 一方、神崎たちは2度目の丹沢山探索で謎の集団に捕まってしまいました。謎の集団は「United Creature」と名乗る秘密教団であり、ウボ=サスラを信仰し、ウボ=サスラに回帰することを望んでいます。教団は非正規の手続きでウボ=サスラに回帰することを許しません。神崎たちはウボ=サスラに飛び込む気満々だったので教団の怒りを買ってしまったのです。なお、回帰の正規の手続きとは、教団が勝手に主張しているものであり、ウボ=サスラからするとどうでも良いことです。教団は神崎たちからウボ=サスラの居処を聞き出し、用済みになれば始末するつもりです。終了フェイズでPCたちが神崎たちを助けに来る頃には、教団は神崎を連れて丹沢山に入り、身を清めたり胃の内容物を吐き出したりするなどの儀式を始めています。

●犯人

 殺人事件の犯人はいません。何故なら殺人事件は発生していないからです。シナリオの終盤で判明しますが拉致事件が発生しており、こちらの犯人は「秘密教団「United Creature」」です。

 「誰も殺されていないこと」と「神崎が危険に晒されている」の2点に言及していれば正解として下さい。何を答えればいいのかわかりにくいシナリオですので、成否の判定は甘めにしましょう。

事件発生フェイズ

 PCたちには大学院生の友人、山宮賢吾がいます。PCたちは何らかの理由(研究室見学、山宮の就活の手伝い、単純に遊びに、等)で、某国立大学の神崎研究室を訪れます。ところが、神崎研究室の様子が騒がしいです。警察までいるではありませんか。そして今まさに研究室がKEEP OUTテープで封じられんとしているではありませんか。

 なんらかの手段で現場に入り込み、現場を仕切る刑事(任意の刑事NPC。デフォルトは公式NPCの刑部正義)から話を聞くと、事件の概要を話してくれます。話してくれるような人間関係を刑事と築いていない場合は、探偵と助手の観察・聞き込みでわかったことにしても良いでしょう。以下、刑事から聞ける内容です。

 研究室の冷蔵保管庫から胸から下のない死体が見つかりました。その死体は保冷箱に詰められ、切断面は灰色の液体に浸っています。死体以外も異様で、保管庫の棚には大小様々なサンプル動物が灰色の液体で満たされた瓶に詰められています。サンプル動物はいずれも体の一部を欠損しています。

 第一発見者は神崎研究室の助教である加藤朝輝です。昨晩、神崎エリザベス准教授から「素晴らしいサンプルを見つけた。冷蔵保管してあるから先に調査を始めておいてくれ」とメールがあったので、今朝冷蔵保管庫を開けてみたら死体が収められた箱が置いてあったというのです。

 第一発見者は加藤ですが、研究室に先に到着して作業をしていたのは学部4年の笹西桃子です。修士2年の山宮賢吾と博士2年の生野智佳は警察の到着より後に研究室にやってきました。生野智佳は昨日最後まで研究室にいたようです。

 刑事から一通りの説明が終わったタイミングで、ゲームマスターは事件調査シートと知ってたカード「1」をPLに渡してください。「捜査困難レベル」は「1」です。

 PCたちは初動捜査を行います。初動捜査では被害者の状態を観察することになります。この初動捜査で使用する技能は《外見》《法医学》《生物》です。獲得できるキーワードは①です。

捜査フェイズ

 捜査フェイズではPCたちが事件について調べていくことになります。シナリオの大まかな構造は以下のようになっています:

知ってたカード1〜2:殺人事件の捜査
 上半身だけの男性の死体は一体何なのか。誰が何故やったのか。

知ってたカード3〜4:神崎の行方の捜査
 殺人事件ではなかったようだが、神崎は何故あのような奇怪な置き土産を残したのか。彼女の目的は何か。今どこにいるのか。

 上記のように後半から物語が急変する為、真相フェイズでは殺人事件の犯人を指摘するだけでは不十分となります。そこで、「知ってたカード3」を渡すタイミングで、「真相フェイズでは、殺人事件の裏で起きている別の事件が何なのか、その犯人や被害は何なのか、ということまで言及してもらうことになります」とPLに伝えておくことをお勧めします。

●知ってたカード

キーワード
①目立った外傷
②断面が再生して塞がっている
③生野智佳
④生命スープ
⑦アラビア語やラテン語の古い書物
⑧グリーンランドから様々な地域を経由して日本に至る
⑨ハイパーボリア = 現在のグリーンランド
⑪秘密教団「United Creature」
⑫回帰
重要キーワード
⑤元から上半身だけであり下半身は生成中
⑥疎遠
⑩丹沢山の地下に潜むウボ=サスラ
⑬始末される
知ってたカード1
 被害者は鳩尾から下が失われているが、それ以外に「①」は一切なく、衰弱した様子もない。また、これだけ大きな怪我であるにも関わらず、保管庫の中には殆ど血液などの体液が流れた痕跡が無い。被害者や他の生物サンプルたちはいずれも「②」。これは通常の生物ではあり得ず、何らかの人為的処置が施されていると考えられる。神崎研究室の大学院生である「③」は、その専門分野から関与が疑われる。

知ってたカード2
 生野は自分の仕業ではないとしつつ、神崎と加藤が生物の再生について興味深い議論をしていたことを話す。理論的には適切な有機物の組み合わせからなる「④」から任意の生物を作り出すことが可能で、その応用によって欠損部位の修復も可能だというのだ。
 もし「④」が実在するとしたら、それが冷蔵保管庫の中の灰色の液体なのだとしたら、被害者は『⑤』の可能性がある。つまりこれは殺人事件ではない。
 加藤が「④」の理論について黙っていたのは、ここ数ヶ月神崎と『⑥』になっていたことと無関係ではないだろう。
知ってたカード3
 神崎の自宅の書斎には生物学の専門書に混じって、「⑦」が蔵書されている。壁には世界地図が貼られており、「⑧」経路が引かれている。また、地図の隣にはグリーンランドの歴史に関する覚書が大量に貼り付けられており、そのうち1枚には「⑨」と英語の筆記体で荒々しく書かれている。神崎が学者仲間とともに『⑩』の下に行こうとしていることは最早疑いようもない。
知ってたカード4
 神崎、宇崎、ランドウェイの3人は、ウボ=サスラとの会合を急いでいた。何故なら、「⑪」に感知されてしまったからだ。「⑪」は、ウボ=サスラに「⑫」することが目的の組織であり、組織に属さない神崎らが「⑫」することを快く思っていない。また一方で、「⑪」は神崎らが突き止めたウボ=サスラの居処を欲している。「⑪」は目的の為なら手段を選ばない集団である為、神崎たちは既に捕まっている可能性が高い。「⑪」がウボ=サスラに至れば、用済みとなった神崎らは『⑬』だろう。


●フタリソウサシーン ⑤を調べた場合

 このフタリソウサシーンが開始されると、PCたちは冷蔵保管庫の中を再び調査することになります。

 被害者やサンプルの体に一体何が起きているのか。そして、サンプルたちが浸かっている灰色の液体は何なのか。改めて注意深く調べます。

 灰色の液体に浸かったネズミのサンプルに、先ほどは生えていなかった左前脚が生えていることに気付きます。ネズミ以外にも、全身が灰色の液体に浸かっているサンプルは皆、先ほど観察した時よりもより完全な形に近付いていることに気付きます。被害者も例外ではありません。先ほどより傷口が小さくなっています。

 この様子を見てしまえば否が応でもこの考えが浮かんでしまうことでしょう。被害者は下半身を失ったのではなく、上半身までしか生成されていないだけなのではないか、と。

 重要キーワードの「元から上半身だけであり下半身は生成中」を獲得できます。

フタリソウサシーン ⑥を調べた場合

 このフタリソウサシーンが開始されると、PCたちは加藤を尋問することになります。「神崎の猟奇的な置き土産に対して本当に何一つ心当たりが無いのか?」「神崎と加藤の共同研究テーマに関係があるのではないか?」「神崎の行方に心当たりがあるのでは?」等々、加藤に対する質問は尽きぬことでしょう。

 加藤は観念して知りうる限りのことを話します。以下、加藤の独白です。

 加藤と神崎は6年前に学会で知り合い意気投合した。きっかけは研究テーマが近しかったことだが、それ以外にも互いに感じ入るところがあり、公私問わず頻繁に会っていた。週1回はディナーに行くし、半年に1回はキャンプをする。年に1度は海外旅行にも行った。2年前には加藤は某国立大学の神崎研究室の助教になった。いよいよ二人の研究も一区切りだ、発表したらすごいことになるぞ、なんて話もしていた。

 だが、6ヶ月ほど前から神崎の様子がおかしくなった。プライベートで会う時間はどんどんなくなり、2ヶ月前には仕事以外で会話することは無くなっていた。神崎は一体何をしているのか。気になってつけてみたところ、胡乱な学者と奇妙な会話をしていた。その学者とは、考古学者の宇崎通雄と地質学者のダグラス・ランドウェイだった。その会話は一聞したところでは、とても生物学に関係のあるものとは思えなかったが、奇妙な整合性があることを本能的に感じ取った。それ以上深入りしてはならない気がした。

 神崎はどこか遠いところへ行ってしまった。追いかけてはならない気がした。胡乱な会話を繰り広げる神崎は本当に楽しそうだったから。冷蔵保管庫のサンプルたちは別れの挨拶のつもりなのだろう。

 でも……最後に会って別れの言葉を言いたい。ベティが何をしようとしていたのか知りたい。どうか、ベティの謎を突き止めて彼女のところへ連れて行って欲しい!

 重要キーワードの「疎遠」を獲得できます。

フタリソウサシーン ⑩を調べた場合

 このフタリソウサシーンが開始されると、PCたちは神崎の家の中を隅々まで探索することになります。

 壁や机の上の胡乱な手記の数々。それらは同一の存在を指し示す無数のピースだ。それは純然たるこの世の真実。表の世界を歩んできた一般の者には到底触れ得ない、否、触れてはならぬ領域。この星の生命はそこから始まった。戦いに敗れ、信仰を失いつつもしぶとく地下に潜み、放浪の旅を続けてきた。かの者は我らの母であり父である。かの者の名は……。

 重要キーワードの「丹沢山の地下に潜むウボ=サスラ」を獲得できます。

 この重要キーワードを入手したら、全PCは《根性》で判定します。この判定では探偵、助手ともに不利を得ます。探偵と助手のどちらか一方が失敗すると余裕が1点減少、2人とも失敗すると余裕が2点減少します。この判定ではスペシャルを出したり助手が成功したりしても余裕は回復しません。

●フタリソウサシーン ⑬を調べた場合

 このフタリソウサシーンが開始されると、PCたちは丹沢山に急行します。ことは一刻を争います。謎の集団に拉致された神崎一行を救い出さなければ。

 重要キーワードの「始末される」を獲得できます。

真相フェイズ

 「事件の振り返り」と「犯人はお前だ」を行います。場所はどこでも構いません。少なくとも警察と加藤は集めましょう。「殺人事件などそもそも起きていないこと」と「神崎が秘密教団に拉致されているかもしれないこと」を指摘すれば、警察は神崎を救出するために動いてくれます。PCと警察、そして加藤は丹沢山の地下へ向かうことになります。

終了フェイズ

迷宮入りした場合
 
秘密教団「United Creature」は神崎、宇崎、ランドウェイにウボ=サスラの居処まで案内させ、用済みとなった神崎ら3人を始末します。神崎は命からがら逃げ出し、PCたちや加藤の元に帰還しますが、宇崎とランドウェイは殺されます。その後、「United Creature」は自分たちを清める儀式を執り行った後、ウボ=サスラへの回帰を成し遂げます。

 神崎は後日行方不明になります。今度こそ里帰りを成功させたのです。

解決した場合
 PCたちは神崎たちを救出することになります。神話案件ではありますが、秘密教団による神崎の拉致自体は立派な犯罪なので、探偵が推理を披露すれば警察は協力してくれます。PCたちが丹沢山の地下に踏み入った時、秘密教団は丁度儀式の準備を整え、用済みとなった神崎、宇崎、ランドウェイを始末しようとしています。どのような大捕物になるかは参加者全員で自由に演出して下さい。エンディングなので判定も不要です。

 神崎、宇崎、ランドウェイは大捕物のどさくさに紛れてウボ=サスラに会いに行こうとします。このとき、神崎はウボ=サスラの元へ里帰りするかどうか躊躇します。PCや加藤が働きかければ引き留めることができるでしょう。PCや加藤との会話の結果、神崎が里帰りを決行するのか、それとも加藤と共に生き続けることを選択するのかは、参加者全員(当然GM含む)のロールプレイ次第です。どんな結果になろうとも、加藤と神崎の間で合意が取れていればハッピーエンドです。

 神崎の胡乱研究者仲間である宇崎とランドウェイは大人なので、神崎が里帰りについてどんな選択をしても受け入れます。神崎が里帰りしない場合、宇崎とランドウェイは「そうか、じゃあ先に行って待っているからな。急ぐことはない。いずれみんな帰ることになるんだ。また会おう」と言ってウボ=サスラに吸収されに行きます。

 なお、ウボ=サスラは終始一貫して完全に中立です。燃やしたりしない限り人間に危害を加えません。

あとがき

 ベースにクトゥルフ神話を置きつつも、ホラーではなく人間ドラマを重視したシナリオとなっています。しかし、人間の人間による人間の為の真っ当な事件を期待しているPLを相手に回すのはお勧めしません。

 ウボ=サスラとアブホースが最近お気に入りの神格です。

以上

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