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詩集です。
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#安全監督官

詩 『安全監督官』

詩 『安全監督官』

自分が何故この座にいるのか分からない時がある。

天が明瞭に私にその地位を配役したのだとしても、

私はその運命に近頃、耐えきれずにいた。

窓を見ると、外は雲の濃くかかる薄い灰青色の空。

妙に天気が気にかかる。明日は雨だろうか。

まあ、それでもよいが…。

私のまとう空気は常に死の影を従える。

反対者どもは当面、私に近寄ることはないだろう。

この権力は、死の恐怖を基礎とするが、

厄介に

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