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30代フリーランスが卵巣腫瘍と出会って別れた3ヶ月 [はじめに]

抱きしめられなかった分
わたしは記録を残すことにした


はじめに(2022年12月)

これは30代半ばになったフリーランスの私が、久しぶりに受けた婦人科検診で卵巣嚢腫(割と大きめ)がみつかってから、それを取り除くべく初めての入院&手術を受けるまでの3ヶ月の記録です。

意外にも周りには婦人科検診を受けたことがない女子たちもいて、検診を受けるきっかけや、同じ診断を受けた人たちが手術前の心構えの一助になればと思って書き残してみることにしました。

でも初めに書いておきたいことは、
私の場合幸いにも深刻な病気ではなく、
手術をしてしまえば数日で日常に戻れるものだということ。
もっと言えば、
より長く大変な闘病をされている方にとっては
不快な思いをされる可能性もあるのでは思っています。

その反面、できる場所や時期によっては
卵巣を摘出しないといけなかったり
緊急搬送の可能性があったり
他の臓器との癒着があったり
難しくない手術とはいえ全身麻酔でリスクはある
という、
女性にとって軽視できない病気だとも思いました。

・検診に行ったことがない
・しばらく検診に行けていない
・健康で生理不順もないから大丈夫だと思う
・検査で何か見つかり子宮筋腫や卵巣嚢腫の可能性がありそう

そんな方に読んでもらえたらと思っています。




抱きしめられなかった代わりに(2022年10月・検診から5日目)

「子宮か卵巣になにかある(しかも大きい)」
とわかった病院からの帰り道、
私は十数年ぶりに地下鉄のホームを間違えました。

帰宅後は仕事をする予定だったのが全く手につかなくて、
ずっと子宮筋腫や癌の可能性を検索して
良くないことばかりを考えて落ち込みました。

その後、信頼している友人たち・先輩方に現状を話して
過去に手術を経験した時の話を聞かせてもらったりしました。

それぞれの手術を経験して、
ちゃんと復帰して、
今は生活をしっかり営んでいる友人たちの存在が
本当にありがたかったです。

そして彼女たちはみんな自分も診断を受けた時は
落ち込んだし不安だったから気持ちがわかるよと
心配してくれてハグをしてくれたりしました。

それと同時に、
私はこの人たちがこんな不安な想いの時に
抱きしめてあげられなかったのだなと思いました。

仕事の事情があったり、
心配をかけたくないという理由で
自分で抱えて治療に臨んだ人たちは本当に強い。
私は弱弱の弱でまったく抱え込めなかったから。

友人の1人が
「毎年検査を受けておけばよかったと
いま後悔しなくていい。
今年見つかってよかったんだと思えばいい。
だけど毎年ちゃんと受けておいた方がいいって
今度はあなたが周りに伝えることはできると思う」

と言ってくれました。

だからこれを書き始めた時は
まだ結果もわからない状況でしたが
軽くとも重くとも完全復活までを記録に残そうと思います。

友人たちを抱きしめられなかった分、
同じように不安な気持ちになった人たちに
大丈夫って言えるように。

そして大きな声で
未来の自分も含めてあらためて言いたい。

どんなに仕事が続いていても
どんなに時間が惜しい状況でも
ピンチの最中で落ち込む時でも
大切な人をサポートしないといけない状況でさえも

命と健康よりも大切なものはきっとない。

なんでもっと早く行かなかったのだろうと
後悔しないように健康診断を受けましょう。
婦人科検診も。

そしてどんな結果があろうとも
異変は対処するために起こるものだと
対処できる方法があるのなら大丈夫なのだと
忘れないでいられますように。



illustration by Kaori Toriumi


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